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そういや、最近食べてないな…

 残りの時間は、溜まっているTVの連ドラのビデオ
でも見ておこう。

 その日の午後は結局、お茶漬けで過ごしてしまった。

 オレがそう言うと、あかりは上目づかいで苦笑し、
『もう、しょうががないなあ…』という顔をした。

「…そうやってお茶漬けばっかり食べてると、そのう
ち体こわしちゃうよ?」

 あかり、お前いつのまにオレの家に来たんだ?


東鳩撫子(トゥーハート・ビューティ)

 ――やがて、秋。
 大運動会…。

 オレの知っているあかりとは違うあかりが活躍する
季節(謎)。


焦る気持ちは良く分かる

 あかりは少し緊張した面持ちで、オレにプリントを
手渡した。
 オレはそれを受け取って、目を通した。
 同時にあかりも目を通す。

 柄にもなくドキドキしながら、目でプリントの文字
を追う。
 1−A、1−A、1−A、1−A、1−A…。
 …そこに、オレの名はない。

 当たり前だ! オレは高校2年だぜ。


消しゴムなんて投げてるから、こういうことになるんだよ!(笑)

「オレとあかりは2−Bか。…おっ、雅史も一緒じゃ
ねーか」
「ホントだ」
「珍しいな、オレたち3人が一緒になるなんて、小学
校のとき以来だな」
「本当だね!」

「…で、志保のヤツはどのクラスだ?」
「えっと、志保は…えっ、1−A…」
「オレたちとは違う学年だな?」
「うん」
 うなずくあかり。
 志保のヤツ、留年しやがったな!

「ちょっとぉ、いくらなんでもそんな訳、ないでしょ
うが!!」
 いつの間にか側に来ていた志保が、ブーブーと文句
をいう。


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