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人間の体はそんなに便利じゃない

 ピピピピ、ピピピピ、ピピピピ…。
 カチッ。
 布団の中から手を伸ばし、腹時計のスイッチをオフ
にした。

 ぐぅ〜!

 それでもやっぱりお腹は減る(笑)


私は旅に出ます

 こいつ――神岸(かみぎし)あかりは、近所に住ん
でる同い年(16歳の高校一年生)の幼なじみ。
 もともと親同士の仲が良かったってのが縁の始まり
で、お互い物心がつく前からの付き合いだったりする。
 家も近所で、通ってる高校も同じ。
 だから朝は、一緒に学校へ行くことが多い。
 いつもは8時ちょうどに家を出て、前の道あたりで、
あずさ2号に乗る。

 オレはどこへ行く気だ?


DOTA BATA MORNING

 オレは居間に入って、テーブルの上にあるオーブン
トースターのスイッチを入れた。
 パンは寝る前にセットしてある。
 貴重な朝の時間を少しでも短縮するコツだ。
 その後、トイレでクイック洗顔、洗面所で用足し、
アンド、クイック靴磨き。
 「…」
 そんなオレの姿を見て、あかりが目を点にしていた。


一人暮らしはぁ〜、気楽な稼業ときたもんだ(笑)

「…ねえ、おばさんたち、まだお仕事忙しいの?」
「…まあな」
「じゃ、当分は今みたいなひとりの生活が続くんだ」
「そーだな」
 あかりは、Hだね、と言って、軽蔑するような目を
向けた。
 あかり…、一体何を想像した!?(笑)


恋は対等

 …相変わらず、世話好きなヤツだ。
 小さい頃からそうだった。
 べつにこっちが頼んだわけでもないのに、なにかと
オレの世話を焼きたがる。
 オレにとって、そんなあかりは言うなれば、面倒見
が良くて世話好きな妹って感じだ。
 ときどき妙にお姉さん風を吹かせることもあるが、
日頃の付き合い方からしても、やっぱりオレが主人で、
あかりのほうがメイドだろうな。

「メイド…?」
 あかりが非難の視線をオレに注ぐ。


耕一の二の舞だけはごめんだ…

 3月4日、火曜日。
 昨日のこともあるし、今日はバッチリ息子が起きた。
 志保のヤツに○○○呼ばわりされるのはゴメンだからな。
 ちょっと不純な動機だが、ちゃんと起きたことには
かわりはない。
 よし、じゃあ、準備をして…と。

 なんの準備かは秘密(笑)


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