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月島マルチ

 ふと、マルチの動力源が気になった。
 普通のメイドロボットは、たしかバッテリーとかで
動いていたはずだ。
 だけど、限りなく人間に近いっていうんなら、やっ
ぱりご飯を食べるのかもしれない。
 その辺のことを訊いてみた。
「なあ、マルチ」
「はい?」
「マルチって、何で動いてるんだ?」
「動力源ですか?」
「そうそう」

「電波です」
 と、マルチは答えた。
 もしかして、……毒?


充電するには十年早い

「それをときどき交換してんのか?」
「いえっ、充電するんです。人間のみなさんがご飯を
食べる程度の回数で」
「ふうん。じゃ、もし充電が遅れたりしたら、マルチ
は止まっちまうのか?」
「しばらくは平気です。…えっと、たしか、補助的に
燃料電池というのがあって、ある程度は、自分ひとり
で発電できるらしいんです」

「燃料マルチィ?」
 またまたよく解らない言葉が飛び出した。
 本当にわけわからん(笑)。


鉄腕マルチ

「それをときどき交換してんのか?」
「いえっ、充電するんです。人間のみなさんがご飯を
食べる程度の回数で」
「ふうん。じゃ、もし充電が遅れたりしたら、マルチ
は止まっちまうのか?」
「しばらくは平気です。…えっと、たしか、補助的に
燃料電池というのがあって、ある程度は、自分ひとり
で発電できるらしいんです」

「燃料電池ぃ?」
 またまたよく解らない言葉が飛び出した。
「わたし自身もよく解らないんですけど、…たしか、
ウラン…だっけ? と、プルトニウムだっけ? を
反応させて、電気を作る…らしいです」
「ちょっと待て、それって…」
 う〜む、恐ろしい奴。


馬の耳に念仏

「はい。目は高感度CCDカメラとかいう立派なもの
なんですけど、ズーム機能とかはないんです。だから、
あそこの張り紙の文字も、もう読めません」
 マルチは、8メートルほど離れた張り紙を指差して
言った。
 小さい字で、オレにも読めない。
「…普通ってことか」
「はい。…耳も、多分、みなさんと同じくらいにしか
聴こえません」
「オレの心臓の音とかは聴こえねーのか?」
「…………聴こえません」
「つまりは、どっちも馬並みってことか」
「え? ち、違います〜」


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