「…あれっ?」
深く頭を下げた女生徒を見て、気が付いた。
「あんたの、その耳んところ…」
「えっ?」
見ると、そのコの耳には、金属製の白い大きな飾り
のようなものがついていた。
長く伸びたヘッドホンという感じで、頭の後ろまで
突き出ている。
「それって…なに?」
「あっ、これですか? いちおーはセンサーになって
るんです」
女生徒は、にっこり微笑んで答えた。
「…セ、センサ〜?」
「はい。でも本当は、『センサーのくせに何もセンサ
ー!』。なんちゃってぇ〜!」
「もしかして、そういう洒落を言うために付いてるの
か?」
「…セ、センサ〜?」
「はい。でも本当は、人間の方と見間違われないため
に付けられてるそうです」
「人間と見間違われないため…?」
そこまで聞いて、ようやく話が見えた。
耳にセンサーがあって、しかも人間じゃないなんて
いったら…。
「もしかして、いま、うちの学校でテスト中の来栖川
の猫型ロボットってのは…」
「はい。それはドラ○もんのことだと思います」
女生徒は、にっこり笑ってそう言った。
いるのか? ここに!?
「もしかして、いま、うちの学校でテスト中の来栖川
の新型ロボットってのは…」
「はい。わたしのことだと思います」
女生徒は、にっこり笑ってそう言った。
「すみません、自己紹介がまだでした。わたし、この
たび、みなさんと一緒にお勉強させていただくことに
なりました、汎用アンドロイドの『HMX−12型』
といいます。残り1週間という短い期間ですが、どう
かよろしくお願いします」
そう言うと、そのコは深々と頭を下げた。
そうか、やっぱりこのコがそうなのか。
「SE…なんだって?」
「…全然違います〜!」
「すみません、自己紹介がまだでした。わたし、この
たび、みなさんと一緒にお勉強させていただくことに
なりました、汎用アンドロイドの『HMX−12型』
といいます。残り1週間という短い期間ですが、どう
かよろしくお願いします」
そう言うと、そのコは深々と頭を下げた。
そうか、やっぱりこのコがそうなのか。
「HM…なんだって?」
「HMX−12型です。それがテストナンバーです。
もし、覚えにくいようでしたら、『「H」な「M」a
chineで「X」指定、「12」時間まで連続使用
可能』と覚えてください」
「あっ、そう…」