「フッフッフ…、追いつめられた獲物は、いつもこう
やって、絶望に身をよじり、泣き叫ぶものね…」
「や…やべぇ、性格飛んじゃってるよ」
多分、今の彼女は、一流のハンターで、獲物である
オレ――つまり、水鳥に狙いを定めているんだ。
…今まで狩りができなかった反動なのか!?
これはやっぱり、オレの推測は当たっていたのかも
しれない…。
日本に来て、SEXの禁断症状が出てきたんだ。
何年かSEXをやってなかっただけで、ここまで性
格が変わるなんて…。
SEXに禁断症状なんてあるのか?
なんて疑問は、目の前のレミィを見れば、間違いだ
と判る。
ザクッ!
「げっ!」
矢が、オレの足下に突き刺さった。
…ちょっとした冗談なのに。
「うん。アタシ、知らない内にスズメを弓で狙ってた
の。先生に怒られちゃった…」
「知らない内に…?」
やっぱり、記憶がないらしい。
「アタシが怒られたの、知ってるの?」
少し照れながら、レミィが聞いてきた。
「まあ、ちょっとな。…それより、知らない内にって
どういうことだ?」
「そのときアタシ、チカンパトロールしてたの」
「痴漢パトロール?」
「NO。置換パトロールネ」
…、一体どんなパトロールなんだか…。
「したいしたい!!」
まわりの生徒が振り返るほどの大声で、レミィは答
えた。
…でもこれで、オレの推測の正しさが一つ証明され
たってわけだな。
かといって、
「お前は日本でSEXができないから、欲求不満なんだ」
なんて言ってはいけない…。
「あたりまえネ!! そんな事実はないわヨ!!」
レミィは激しく反論した。
反論するところがあやしい…って話が逸れてる。