オレは助走を付けて飛び上がった。
壁を蹴って窓枠に飛びつき、壁に足を掛けて、両腕
で体を持ち上げる…。
うおおおおっ…。
鍛えてるわけじゃないので、体重を支えるだけで腕
の筋肉は張り詰め、ぶるぶる震える。
窓の向こうはカーテンで見えなかったが、隙間から
なんとか、中を覗いてみる。
そこで、オレが見たものは――。
「げげっ!?」
ここは女子喫煙室だったのか!?
って、高校にそんなところあるかぁぁ!!
バンダナのコが何気なく、こっちを見た。
「あ…」
そして、オレと目が合う…。
オレは金縛りにあったように、動けなかった。
オレはふと横に気配を感じた。。
身体が動かないので目だけをそこに向けると、来栖
川先輩が立って、ジッとオレを見ていた。
「……」
「え? この金縛りは先輩が掛けたものなんですか?」
…コクン。
「……」
「で、覗いた罰として呪いをかけましたって?」
…コクン。
せ、先輩!! ごっ、ごめんなさ〜い!! 許して
くださ〜い!!
バンダナのコが何気なく、こっちを見た。
「あ…」
そして、オレと目が合う…。
オレは金縛りにあったように、動けなかった。
「キャ〜〜〜ッ!! 覗きよおっ!!」
そのコが叫ぶと、更衣室は精巣をつついたような大
騒ぎとなった。
…どんな騒ぎやぁ!!
ヒュン!
「!?」
何かが音を立てて飛んできて、足下の地面にざっく
りと突き刺さった。
「…なんだこりゃ?」
後ろに羽の付いた棒切れ――それは、どーみても弓
矢だった。
「Freeze!」
遠くで誰かが叫んだ。
見ると、向こうに弓を構えたレミィが立っている。
…プリーズって…待てよ、もしかして、オレはこの
まま逃げてもいいってこと?
「No!! 『Freeze』!! not 『Pl
ease』ネ!」
レミィが何故か冷静につっこんだ。