オレは話題を変えようと、思案した。
すると、レミィが手にした本屋の紙袋が目についた。
「レミィ、なに買ったんだ?」
「あ、これ?」
カサカサと袋を破ると、
「とってもダメになる本デース」
そんな本、買わんように!!
「あれ? お前のその格好…」
レミィが見なれない服装をしていることに気がつい
た。
彼女もオレの見ているモノに気付き、
「あのネ、アタシ、キュードー部なのヨ!」
と、弾ける笑顔。
「キュードー? …ああ、弓道部か」
あの、弓矢で的を狙う、あれだよな。
「ザンネン、違いま〜す。旧道部だヨ。旧東海道とか、
旧中山道とか、ニッポンの文化のケンキューなの」
まあ、確かに日本の文化の研究かもしれんが、本当
にあるのか、そんな部?
「いつ弓道部に入ったんだ?」
「ニューガクしたときからヨ」
「へぇ…、もう初めて一年くらいか」
「YES」
「腕前の方は、どーなんだ?」
なんとなく、聞いてみた。
レミィが弓を構えると、すごく絵になりそうな気が
する。
服装なんかも洋風にすれば、女ダックスフントって
感じでしっくりくる。
「What!?」
レミィが険しい表情で叫んだ。
す、すまん、レミィ!
「なあ、雅史」
「ん、なに?」
「今日は屋上でするか」
「うん。いいね」
その日、オレと雅史は、屋上ですることにした。
屋上に来ると、眩しいくらいの太陽が、オレたちを
迎えてくれる。
「いい天気だね」
「ああ。たまには、おてんと様の下でやろーぜ」
「そうだね」
雅史はにっこりと、うなずいた。
「あっ、いたいた…」
声の方を振り向くと、レミィが駆けてくるところだっ
た。
「ハアィ!」
そう言って、軽く右手を上げるレミィ。
「はあぃ!」
「こんにちは」
彼女のアメリカ式挨拶に、オレたちはそれぞれの挨
拶で応えた。
「わざわざ訪ねてきて、なんかオレたちに用か?」
「今日はね、○ン○しにきたの」
「○ン○? レミィって確か、施設派だったろ?」
「いいの。今日はそういう気分なのヨ」
とか言って、レミィはオレの隣に腰を下ろした。
やめれ〜(TT)