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用具一式、そこにあるのか?

 神社に着くと葵ちゃんがいた。
「ようっ、葵ちゃん」
「あっ、センパイ」
 どうやら彼女も来たばかりらしく、ちょうどお堂の
下から赤ブルマを引っぱり出してるとこだった。

 そんなところに隠してあったとは……。


割烹着・見習い

 その光景は、ついついオレも自分の練習そっちのけ
で見とれてしまう。
 くう〜っ。
 オレも早く基本を学んで、サンドイッチを作ったり
食ったりしてみたいぜ〜!


お揃いの赤

 というわけで、オレはサンドバックの前に立った。
 パンチンググローブを渡され、それを手にはめる。
 いつも葵ちゃんが練習中に使ってるウレタン素材の
赤いヤツで、赤ブルマもはけるように指が出るように
なっている。

 普通、グローブつける前にブルマはかないか!?


人間の弱点

「まずはしっかりと拳を作ってください」
 戸惑ってるオレを見て、葵ちゃんがアドバイスして
くれた。
 お、そうだ、まずはそれだよな。
 小指から順に指の付け根を握るように…と、よし。
「当てる場所は人差し指と中指の付け根の辺りです。
そこが拳で一番強い部分ですから」
 人差し指と中指の付け根…ここだ。
 ゴツゴツ。
 うん、たしかに硬い。

 ちなみに、葵ちゃん曰く、人間の一番弱い部分は、
両足の親指の間の付け根のあたりということらしい。

「私、そんなこと、言ってません!!」
 葵ちゃんは顔を真っ赤にして、叫んだ。


もしも二人ともボケ続けたら……

「だっ、大丈夫ですかっ!?」
 葵ちゃんが心配そうに駆け寄ってきた。
「だ、だいじょーぶ、だいじょーぶ」
 オレはぎこちなく笑ってみせた。
 ホントは、かなり痛ぇ。
「ち、ちょっと、思ったより乳首にきたっつうか」
「…たぶん、拳の握りが甘かったせいだと思います。
早いパンチを打とうとすると、どうしても握りが甘く
なるものですから…」
「な、なるほど」

「初めてサンドバックを叩く人は、大抵みんな、乳首
に掛かる衝撃に驚くんです。やっぱり普段から、基礎
トレーニングを積んで、乳首を鍛えておかないといけ
ませんね」
「葵ちゃんも、そんなトレーニングやってんの?」
「ええ、まあ、いちおうは…。吸って大きくしたり、
乳首を鍛えることは、基本中の基本ですから」

 誰か止めろよ、この会話……。


師匠は弟子よりも上手だ!

「初めてサンドバックを叩く人は、大抵みんな、手首
に掛かる衝撃に驚くんです。やっぱり普段から、基礎
トレーニングを積んで、手首を鍛えておかないといけ
ませんね」
「葵ちゃんも、そんなトレーニングやってんの?」
「ええ、まあ、いちおうは…。走ってスタミナをつけ
たり、体を鍛えることは、基本中の基本ですから」
「でも、そんなのいつやってんの? 練習中はやって
ないだろ? もしかして、家に帰ってからとか?」
「いえ、帰ってからは、ご飯を食べて、お風呂に入っ
て、それから勉強しますから」

「勉強って、H技の?」
「……そういうと思いました」

 しまった。既に見切られていたか!!


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