[ 0005 ]

[ 前へ (Previous) |  目次 (Contents) |  次へ (Next) ]

男って悲しい生き物だよな その壱

 葵ちゃん…、今日も神社の裏で頑張ってんのかな。
 オレは、赤ブルマをはいてひとり黙々と練習に打ち
込む葵ちゃんの姿を思い出した。

 へへへっ(爆)


男って悲しい生き物だよな その弐

 知りあったのもなにかの縁だし、できればオレも、
なんらかの形で例の同好会設立に協力してやりたいと
思っている。

 だが、オレにクラブのメンバーになってくれという
のだけは勘弁して欲しい。
 理由は当然、このオレに格闘技なんぞ出来っこない
からだ。
 無理を押して入ってもいいが、どうせ、葵ちゃんの
赤ブルマを引っ張って騒ぎになり、停学になるのがオ
チだ。

 ああ、駄目だぁ。ホントにしそうだぁ(爆)


背中にまわるな!

「来てくださったんですね!?」
 ホントに嬉しそうに言う。
 まるで、ずっとオレを待っていたかのような笑顔。
 …いや、もしかするとそうなのかも。
 絶えず背中を気にしていたからこそ、すぐにオレが
来たことに気付いたのかもしれない。
 もしそうなら、ちょっと嬉しいよな。

 でも、本当は、葵ちゃんはゴルゴ13だったりして。


似合う似合わない以前の問題

 しかし、この期待に満ちた目。
 やっぱり、オレのクラブ入りを待ち望んでいるんだ
ろうな。
 いつまでも期待を抱かせちゃ悪いし、ここはひとつ
はっきりと――。

「取りあえず先に行っておくけど、オレは割烹着も、
赤ブルマもはく気なんてないから」

 ――って言うべきなんだろうけど、この目を見てる
とどうも言いづらいんだよなぁ。色々な意味で……。


衝撃の告白

 オレが言うと、
「そ、そうですよね、普通の女のコは、こんな場所で
サンドバックを蹴ったり…しませんよね」
 葵ちゃんは苦笑ぎみに笑った。
「確かに私、変わってますから」
「あ…」
 思わず言葉に詰まるオレ。
 葵ちゃんは、そんなオレをフォローするかのように
明るく笑った。

「いえ、いいんです。だって私、自分が変態だってこ
とくらい、よく解ってますから」

 がぁぁぁぁん!!


[ 前へ (Previous) |  目次 (Contents) |  次へ (Next) ]

[ 0005 ]