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後ろ向き120%

「私、普通の女の子が知ってるような楽しいことって
ほとんど知りません。クラスの子たちの話題には半分
以上ついていけないし、友達からもよく葵はいろいろ
損をしてるって言われます…」
 そう言うと葵ちゃんは再び顔を上げ、
「――だけど」
 真っ直ぐにオレの目を見た。

「それでも私は、普通の女の子たちの知らない悲しみを
いくつも知ってるんです! 毎日少しずつ強くなって
いく孤独感や、その努力の果てに試合に負けたときの
悲しみって、普通の子には、決して味わえないことです
よね!?」
「…う、うん」

 なんか、今日の葵ちゃん、ひどくネガティブだな。


斜め向き120%

「それでも私は、普通の女の子たちの知らない喜びを
いくつも知ってるんです! 毎日少しずつ強くなって
いく性欲や、その努力の成果で女王様を演じたときの
喜びって、普通の子には、決して味わえないことです
よね!?」
「…う、うん」

「だから、私、自分が変態だってことは解っていても、
間違っているとは思ってません! 私は気持ちよければ
いいって、そう思うんです!」
「…うん」

 なんか、今日の葵ちゃん、ひどく開放的で刹那的だな。


思考回路稼働率 −120%

「…オレ、好きだな」
「えっ!?」
 その瞬間、葵ちゃんはびっくりした表情になる。
 あっ、いや、そういう意味じゃなくって。
 ちょっと誤解されそうな言い方しちまったか。
「つまり、その、オレが言いたいのは――」
 慌てて次の言葉を探した。

  A、その赤ブルマなところが好き。
  B、割烹着を来ている姿が好き。
  C、自分らしくHするという考え方が好き。

 ろくな言葉は浮かばなかった。


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