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倒れた時がチャンス

「いや、もうすっかり。寝不足で気分が悪かったんだ
けど、ぐっすり寝たおかげで治ったみたい。…これも
変な夢のせいなんだよなぁ…」
 俺はそんな適当なことを言った。
「耕一さんが倒れたって聞いて、私、慌てて会社から
戻ってきたんです」
「えっ!?」
「お医者さんごっこをしようと思ったんですけど…」
「……、もしかして倒れている俺を襲うつもりだった
んですか?」
「え? そ、それは、内緒!」
「……」


元気!

「あっ、丁度いいわ。初音、悪いけど、梓に耕一さん
のご飯の用意をしてって言ってきて」
 千鶴さんが言う。
「うん、わかった!」
 初音ちゃんは大きく頷くと、やや駆け足気味に部屋
を出ていった。
 俺は千鶴さんの料理を食べずにすんだことに密かに
胸を撫で下ろした。
「…とにかく、耕一さんが元気になって良かった」
 それを知る由もなく、千鶴さんは目を細め、優しく
俺の股間に微笑みかけた。
 それはもういいって。


テレビのザーザー

 朝。
 その日も前日に引き続き、心地よい澄み渡った空が
広がっていた。
 だが、こんなすがすがしい快晴の日和とは裏腹に、
この市内では、日本全国を賑わせる大事件が発生して
いた。
 俺が最初にそのことを知ったのは、テレビで流れる
毒電波でだった。

 ああ! 俺はいつのまに毒電波を!?


仲良し姉妹

 着替えてから部屋を出て、トイレで用を足し、洗顔
を終え、居間へと赴いた。
 そこで、俺はそのニュースを見たのだ。
 梓と初音ちゃんが抱き合うようにテーブルの向こう
に座って、Hをしていた。
 仲いい、仲いいとは思っていたが、まさかそこまで
とは……。

「耕一、そういう妄想ばっかりしてると、朝御飯あげ
ないわよ」
 それは困る。


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