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未知の領域へ その壱

「…な、なんだよ。どうしたの?」
 あたしが訊くと、耕一は品のいい可愛い顔を歪めて
ニヤリと笑った。
「な、なに?」
 その瞬間、なんだかちょっと嫌な予感がした。
「まあまあ、まてまて。焦るな。よーく考えてみろ。
いいか、こんなこと滅多に体験できるもんじゃねぇ。
しばらく、お互いの体を入れ替えたまま、いろいろと
試してみてもいいんじゃないか?」
 ゾクッと、背筋にうすら寒いものが走った。
「た、試すって…」
「いろいろあるだろう? 普段は絶対に体験できない
未知の領域だよ」
「未知の領域?」
「…まずは立ちションだろ? 女性でも出来るかどう
か…」
 バキャッ!
「あうっ!」
 あたしは鉄拳で、耕一のドタマを殴りつけた。
 確かに未知の領域かもしれんが、わざわざそんなこ
とするなぁ!


未知の領域へ その弐

 ゾクッと、背筋にうすら寒いものが走った。
「た、試すって…」
「いろいろあるだろう? 普段は絶対に体験できない
未知の領域だよ」
「未知の領域?」
「…まずはきゅうりだろ? それに人参も入れたいし…。
あっ、やっぱりそれより、大根を…」
 バキャッ!
「あうっ!」
 あたしは鉄拳で、耕一のドタマを殴りつけた。


初音ちゃんパニック その壱

「ううっ、初音ぇ、聞いてよ〜。実はあたしと耕一の
体が…」
 だけど初音は、なにやら驚いた表情のまま、一点を
見つめて凍りついていた。
 目線の先を追っかけていくと、その先には、ふたつ
の胸をしっかりと鷲掴みにしたあたしがいた。
 ぐったりと、恍惚の表情を浮かべる耕一。
「こ、耕一お兄ちゃんが、梓お姉ちゃんの胸を…」
「ああっ! ちっ、違うの! こっ、これは…」
 慌てて手を離すが、もう遅い。
「そっ、そっ、そっ、そそそそそ…」
 どもる初音。
「はっ、初音っ、ちっ、違うんだって! これには、
ふかーい事情が…」
「そっ、そっ、ソックラテスかぁ、プラトンかぁ〜」
 あの初音がキレた。これにはちょっと驚きかも…
「…って、は、初音ぇ、しっかりしてぇ!!」


初音ちゃんパニック その弐

「こ、耕一お兄ちゃんが、梓お姉ちゃんの胸を…」
「ああっ! ちっ、違うの! こっ、これは…」
 慌てて手を離すが、もう遅い。
「そっ、そっ、そっ、そそそそそ…」
 どもる初音。
「はっ、初音っ、ちっ、違うんだって! これには、
ふかーい事情が…」
「…そ、そ、そういうことは、見物料とってやった
ほうがいいと思うよぉーーーーーっ!」
 ダッ!
「あっ、初音! 初音っ! 初音えぇぇぇ〜〜〜!
そういう問題かぁ〜〜〜〜〜!?」


初音ちゃんパニック その参

「こ、耕一お兄ちゃんが、梓お姉ちゃんの胸を…」
「ああっ! ちっ、違うの! こっ、これは…」
 慌てて手を離すが、もう遅い。
「そっ、そっ、そっ、そそそそそ…」
 どもる初音。
「はっ、初音っ、ちっ、違うんだって! これには、
ふかーい事情が…」
「…そ、そ、そういうことは、千鶴お姉ちゃん相手に
やったほうがいいと思うよぉーーーーーっ!」
 ダッ!
「あっ、初音! 初音っ! 初音えぇぇぇ〜〜〜!
それって、千鶴姉の貧乳を揉んで大きくしろって
ことなのかぁ〜〜〜〜〜 でもあれはもう手遅れ
なんだよぉ〜〜〜」

「…耕一さん、それってどういう意味ですか?」
 ギクゥ! ち、千鶴姉! いつの間に!?


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