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起き抜け一本

「でも、朝食を抜くのは体に悪いよ。同じ抜くのなら
俺の性欲でも…、へ、へ、へ」
 俺はスケベそうな顔でそう言った。
「それはよくいわれるんですけど…」
 千鶴さんは甘い吐息をついた。
「朝に一回しちゃうと、その日はずっと性欲が出ちゃ
って…」
 って、一体何の話なんだか(笑)


柏木家恒例・暴露大会

「梓はね、陸上部で身体を動かしてるからいいのよ。
高校を卒業して社会人になったら、嫌でも運動不足に
悩まされるものなのよ。それで同じだけ食べてちゃ、
やっぱり太っちゃうでしょ?」
「じゃ、Hでもすりゃいいじゃん」
「あなたみたいにキスマークつくの嫌だもん」
 次々と新事実が暴露されていく(笑)


天国と地獄

「う、うん…まぁ…」
 俺は、どうとでもとれるような返事をする。
 初音ちゃんが作ったのなら褒めてあげたいところだ
が、どうせ梓の奴が作ったんだし。
「わたし、梓お姉ちゃんのお味噌汁大好き。だって、
本当においしいんだもん」
 初音ちゃんが天使の微笑みを浮かべる。
「ううっ…はつねー…あんたって子は…」
 梓の目頭が熱くなった。
「もっとも、千鶴お姉ちゃんのに比べてだけどね…、
ふ、ふ、ふ」
 初音ちゃんが悪魔の微笑みを浮かべる。
「ううっ…はつねー…あんたって子は…」
 梓の背筋が寒くなった。


疎外感120%

 一方さっきから、話に外れて胸が小さくなっている
人が約一名。
 千鶴さんである。

 げっ! 千鶴さんが睨んでる。


耕一のいけない妄想癖

 初音ちゃん、…学校でも随分とモテるんじゃないだ
ろうか。
 …いや、待てよ。
 そういえば、この子もそうだが、柏木家の四姉妹は
誰ひとりとして、特定の男性と付き合っているような
話を聞かないな。
 みんなこんなに綺麗で可愛いし、性格も…約一名を
除いて…問題はないし、他の男達が放っておくはずが
ないと思うのだが…。
 まさか、特定じゃなくて、不特定多数の男性と、あ
〜んなことや、こ〜んなことを…。
 ふと見ると、初音ちゃんだけではなく、千鶴さんと
梓までもが、俺を睨んでいる。
 …非常に気まずい。


本当に高校生?

「あっ、いけないっ! もうこんな時間だ!」
 そのとき、壁の時計を見た初音ちゃんが慌てた様子
で立ち上がった。
「わたし、もう小学校に行かなきゃ。耕一お兄ちゃん、
帰ってきたら、また一緒に遊ぼうね? 約束だよ!」
 初音ちゃんは脇に寄せてあったランドセルを取って、
背中に担いだ。
 う〜ん、ギャグなのか本気なのかどっちだろう…。


布石

「あ、ちょっと待った、初音ちゃん」
 俺が呼び止めると、初音ちゃんは立ち止まって振り
向いた。
「なに、耕一お兄ちゃん?」
「散歩がてら、その辺まで送るよ」
「え、ホント?」
「天気もいいみたいだし、食後の運動ってことで」
 俺は立ち上がって初音ちゃんに近づくと、ぽんと頭
を叩いた。
「あっ!」
 こうして叩いておけば、神経衰弱で楽に勝てるよう
になるだろう…(謎)。


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