[ 0004 ]

[ 前へ (Previous) |  目次 (Contents) |  次へ (Next) ]

千鶴の診断結果

 下顎に手を当てて、うーんと考える仕草をする。
「えっと、そうですね。フロイトの考えでは、夢とは
人の潜在的な欲求が自我というフィルターを通るとき
に象徴的なものに形を変え、それが表層意識に現れる
ということらしいですから、それに当てはめると…」
 千鶴さんは人差し指でちょんと俺の額を小突いた。
「耕一さんには女装趣味があるってことです。」
「はうぅ、何故そんな診断結果にぃぃぃぃ!!!」

 一方その頃、食卓にいた初音ちゃんは、なぜか、
耕一お兄ちゃんが自分の学校の制服を着てる姿を想
像して青ざめていた。(笑)


ユーザー責任(笑)

 こっちはそろそろ小便のほうも我慢の限界にきてる
ってのに、千鶴さんの話はここからさらに盛り上がり
そうな雰囲気だぞ。
うーむ。
 困った俺は…。
 1、もう少しだけ我慢して、大人しく千鶴さんの
   話を聞くことにした。
 2、我慢せずに、大人しく千鶴さんの話を聞くこ
   とにした。

 (2、を選択)

 俺は結局我慢するのを止めて話を聞くことにした。
 シャー!!
 みるみる内に、布団に地図が描かれていく。
「こ、耕一さん!! な、な、な…」
「あ、千鶴さん、お構いなく! 話を続けて下さい」

 …って何をやらせる、何を!(笑) ちゃんと選択
せんかい!(笑)


つっこみの基礎

 俺はもう少しだけガマンして、大人しく千鶴さんの
話を聞くことにした。
 小便のほうは我慢の限界に達し、うっすらと冷や汗
すらかきそうだったが、話の腰を折ることで、千鶴さん
が本気で怒り出すのがとても怖かった。
 千鶴さんの鬼パワー炸裂の代償と思えば安いものだ。
 ところが、そのとき。

 スパーン!

 どこからともなく、千鶴さんが大阪名物のハリセン
を取り出して、俺の頭を叩いた。
 うう、ごめんなさ〜い(涙)。


みんな爆発寸前

「こらあーッ! 呼びに行ったっきり何やってんの、
千鶴姉!」
 部屋と廊下を隔てる敷居越しに、セーラー服にエプ
ロン姿の女の子が立っていた。
 けたたましく戸を開けて登場した彼女のその顔は、
口調の通りに爆発寸前といった感じだった。
 ちなみに、俺は膀胱が爆発寸前といった感じだった。
(笑)


梓の隠れた趣味

 この乱暴な口調の女の子は、梓(あずさ)。
 柏木家の次女で、齢は俺より二つ下の18歳。
 セーラー服を着てるのは、セーラームーンの
コスプレをやってるからだ。
「んなわけ、あるかぁぁ!!!!」


耕一の本性(笑)

「こ…耕一さん…」
 千鶴さんは、ほんのり赤らめた頬に両手を当てて、
じっと一点を見つめていた。
「ちっ、千鶴さーんッ!」
「…お、男の子が毎朝そうなっちゃうのは知ってまし
たけど、まさかこんな元気に…」
「しかたないだろ、生理現象なんだから!」
 千鶴さんは『ご、ごめんなさいっ』と謝りながら、
慌てて背中を向けた。

 俺はムスッとした顔で立ち上がると、わざと梓に、
『布団の中から出られない理由』をぶつけて、そのまま
部屋から廊下に出た。
 ぶつけたとき、梓はよろけ様に赤い顔で『あん』と
だけ呟いた。


ぎぶあんどてぇく

 梓はなにも言わず、口もとをへの字に結んだまま、
上目づかいにじっと俺の顔を見つめていた。
「だからお前も、いつまでもそんなスネたガキみたい
な面してんなって」
「…ふんっ。ガキで悪かったね」
 膨れっ面の梓が口を尖らして言った。
「『みたいな』って言ってんだろ? こんなデカイの
ふたつもつけて、なにがガキだよ」
 俺はそう言って、梓の胸の先っちょを、人差し指で
ぷにっと突っついた。
「! …こ、耕一もこんなデカイのつけて…」
 梓はそう言って、俺の先っちょを、人差し指でぷにっと
突っついた。
 くうぅ、そうくるかぁ(笑)


[ 前へ (Previous) |  目次 (Contents) |  次へ (Next) ]

[0004]