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目標、定まらず

 俺は楓ちゃんと繋がっていた。
「…あああああああああああぁぁぁぁぁぁ……」
 絶頂を迎えたばかりの楓ちゃんの膣壁は、きゅっ、
きゅっと、強く俺のペニスを締めつけている。
 痺れるような快感が下半身から駆け上がってくる。
「うっ、うっ、か、楓ちゃん!」
 今まさに、この俺も、彼女の中に射精しようとして
いた。

 1、楓ちゃんの上に出す。
 2、楓ちゃんの中に出す。
 3、楓ちゃんの下に出す。

 ってこんなときに悠長に選択している場合かぁ!!


同じネタですいません(笑)

 曖昧な映像でしかないが、それでもひとつの疑問が
解けた。
「…俺、やっと解ったよ。…どうして君のこと、突然
こんなに好きになったのか。…この切ない気持ちと、
寂しい気持ちの理由が。…俺たち、遠い昔にも出会っ
ていたんだ。…その記憶が今も残ってるんだ…」

 俺が言うと、楓ちゃんはコクコクと頷いた。
 来栖川先輩の真似だった。
 そうなのだ。
 この子はToHeart のキャラの、物真似が得意だった
んだ。


血筋

 涙が止まり、ようやく落ち着きを取り戻したとき、
楓ちゃんは、俺に、ある重要なことを語ってくれた。
 それは柏木家にまつわる、隠された忌まわしい血の
真実だった。
 楓ちゃんは、柏木家が代々鬼の血を受け継いできた
一族であるということから語り始め、姉妹四人全員が
その力を秘めているということ、そして、あの猫のタ
マにもその血が流れているということを簡潔に説明し
た。

 が〜ん!

 なんかショックだった。


欲望に従っている時の姿が本当の姿というのは自明の理か?

「…でも」
 そのとき、楓ちゃんが重要なことを告げるように、
口調を変えて言った。
 俺も顔を上げ、楓ちゃんの口もとに注目した。
 楓ちゃんは、深く澄んだ瞳で真っ直ぐ俺を見つめ、
「…あなたの中の鬼は、確実に目醒めつつあります」
 うっすらと涙を張った真剣な目で、そう言った。
「…目醒めつつある?」
 俺が訊くと、楓ちゃんはコクンと頷いた。

「だって、さっきのあんな畜生のような振る舞い…。
きっとあれは、鬼の血以外のなにものでもないわ」
 楓ちゃんは、そういうとポッと顔を赤らめた。

 …。
 ゴメン、楓ちゃん。


知っているのに知らんぷり

「…あなたの中の鬼は、確実に目醒めつつあります」
 うっすらと涙を張った真剣な目で、そう言った。
「…目醒めつつある?」
 俺が訊くと、楓ちゃんはコクンと頷いた。

「…ここに来て以降、何かが、耕一さんの意識に影響
を与えているんだと思います…」
「何かって?」
 楓ちゃんは首を縦に振った。

「梓姉さんの持っている、くまのぬいぐるみです」

 って、判ってるなら、早くなんとかしてよ!!


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