いつの頃からだったろう、オーストラリアにパースという街があることを知ったのは。そして、何かの本で「世界で一番住んでみたい街」というフレーズを見つけて・・・ いつか行ってみたい・・・ そう思い続けていた。 その想いを胸に、初めて一人での海外旅行の場所にここを選んだのである。 パースはオーストラリア大陸の4分の1を占める西オーストラリア州の州都。街の中央をスワン川が流れ、高層ビルが建ち並ぶ近代都市であるが、街中には緑があふれ、郊外には静かで美しいビーチや感動的な大自然が広がっている。「世界で最も美しい街」とか「光の街」とか形容されるのも納得である。 また、「最も孤立した大都市」でもあるという。世界の100万都市の中で、他の100万都市から一番離れているのが、パースということになるらしい。東はアデレードだが、2000km以上離れているし、北はジャカルタやシンガポールということになる。西は南アフリカのヨハネスバーグになるし、南は南極大陸ということで、そのように言われるとのことである。 最近は、日本から留学やワーキングホリデーで滞在する若者が増えているとのことである。 実際に行ってみて、何とも心休まる落ち着いた街、居心地がいいのである。時間もゆったりと流れているようで、本当で将来こういうところでゆっくりと暮らせたらいいだろうなと感じた。 |
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1日目 | シンガポール航空 !! (名古屋 → シンガポール → パース) |
パースへは名古屋からの直行便は飛んでいないため、シンガポール乗換えで向かうこととなる。そう、世界のエアラインランキングでも、いつも上位にあげられる、あこがれのシンガポール航空に乗ることになる。全席に設置された液晶テレビでは「クリスワールド」による何チャンネルもの映画や任天堂のゲームなどが楽しめる。民族衣装の制服のスチュワーデスさんもなかなかいいし、結構満足である。 夕刻、シンガポールのチャンギ空港に到着。非常に巨大な空港である。シンガポール航空では、乗り継ぎまでの時間が4時間以上ある場合に、無料の市内バスツアーを提供しているとのことで、折角だからと思ったのであるが、到着が若干遅れたこともあり、最終のバスツアーに間に合わなかった。残念 !! 仕方がないので、4時間あまりを、空港の中を隅から隅まで見て歩いて過ごすことに・・・ いかに巨大な空港でも、さすがに4時間もあれば、行くところもなくなってしまう。どこに何があるか完全に把握してしまったかのように感じた。 夜の8時過ぎの便でようやくパースへ出発する。名古屋からシンガポールの便は、さすがに日本人客が中心であったが、シンガポールからパースへの便では、日本人は数えるほどである。 夜中の1時過ぎにパースへ到着。現地のガイドの方の出迎えで、ホテルへ向かいチェックイン。とりあえずこの日は寝る。 |
2日目 | 何ともいえない居心地よさを感じる街 (パース市内観光 → フリーマントル → パース) |
前日、夜遅かったが、この日は朝から市内観光。同じツアーの20名程が一緒である。東京からの人たちは、直行便のため夜もゆっくり休めたろうが、こっちはシンガポール乗換えで延々15時間程かけての到着だけに・・・ まずは、パース市内を一望できるキングス・パークへ。パースの写真というと、ここからの写真が使われている場合が多い。ちょうどこの時期、南半球のオーストラリアは春先にあたるわけであるが、ワイルド・フラワーが咲き乱れる時期でもある。西オーストラリア州では、世界に存在する花の種類の7割が見られると言われており、ここキングス・パークでも、あちこちでいろいろな花が楽しめる。 展望台からは、高層ビルが建ち並ぶ市中心部からスワン川まで、まさにあの写真のままの風景が広がっている。 ![]() ![]() 次に向かったのは、西オーストラリア州のシンボルである野生のブラック・スワンをはじめ、たくさんの野生の水鳥が遊ぶモンガー湖へ。 その後、スワン川クルーズでフリーマントルへ向かう。スワン川の名前は、ブラック・スワンに由来する。海かと見間違うほどの大河である。パースではスワン川沿いに家を持つことがステータスになっているらしく、大邸宅が建ち並んでいる姿を船から眺められる。 やがて船はフリーマントルに到着。スワン川河口に開かれた港町で、植民地時代の面影を残す歴史ある街である。元監獄として建てられ、インド洋に突き出して建っているラウンド・ハウスは現存する最も古い建物であり、1831年に建てられた歴史的な建物がそのまま庶民的なマーケットとして使われているのが、有名なフリーマントル・マーケットである。また、ここはヨットのアメリカズ・カップの防衛戦のが行われたことでも知られる。 ![]() ![]() フリーマントルで昼食をとった後、パース郊外の白砂がまぶしいコテスロー・ビーチへ。当然ながら、初めて見るインド洋。 日本でいえば3月にあたるこの時期、さすがに泳いでる人はいないだろう・・・と思っていたら、いっぱいいるやん !! オーストラリア人の感覚はどうなってるねん !! めちゃくちゃ水は冷たいぞー。 でも海の水はとっても青いし、ネズミのようなクオッカという小型の有袋類が生息するロットネスト島の姿も眺められ、非常に気持ちがいい景色が広がる。 ![]() パース市内へ戻って解散。パースの街の中心部は充分歩いて見て回れる。土産物を見て回ったり、公園を散策したりしてホテルへ歩いて戻る。それにしても非常に居心地のよさを感じる街である。 |
3日目 | ピナクルズ (パース → ピナクルズ → パース) |
この旅最大の楽しみ、ピナクルズへのオプショナルツアーに参加。ピナクルズとは、ナンバン国立公園の荒野の中に、無数の棒状の岩が林立している不思議な風景のところ。この岩は、壮大な時をかけて造られた自然の芸術作品。大型の4WD車でピナクルズへ向かうツアーである。 朝ホテルへ4WD車が到着、マイクロバスを改造したような車であった。他のホテルも回ってツアー客をピックアップ。料金の安い英語ガイドのツアーに申し込んでいたのだが(運転手がガイドする)、前の方の6名が日本語ガイドのツアーに申し込んでいたらしく、その方たちの日本人ガイドの方が我々に向かって、「今日はこの車は全員日本人の方ばかりですよね。私は前の6名の方のガイドなのですが、皆さんさえよろしければ、マイク使ってガイドしてもいいですか?」と聞いてきたので、これはラッキー !! 一同、「よろしくお願いしまーす !!」 まずはヤンチェップ・ナショナルパークへ。ここではコアラに出会えます。残念ながらここでは抱っこすることはできません。途中のゴルフ場では、野生のカンガルーを発見。なんか、こんな身近にカンガルーが見えて感動もの。よくゴルフ場にはカンガルーが出てくるらしく、運転手さんが、オーストラリアではカンガルーのポケットにゴルフクラブを入れてラウンドするんだよ。」というベタなギャグをかましてくれた。悲しいかな、これもガイドさんの通訳でわかったのが情けないのだが・・・ 車は、荒野の中をどんどん走っていく。一度、ガソリンスタンドで休憩、このあたりで唯一の店ということで、みんな飲み物とかを買う。その後、ワイルドフラワーの咲いているところへ案内してもらう。その時その時によって、運転手さんが場所を選んでいるらしい。 ![]() ![]() 昼少し前に、ワイルドフラワーセンターというところでピクニックランチ。ちょっと、天気が時雨れていたので、屋根のあるところで昼食をとる。 そしていよいよ、このツアーのハイライト、ピナクルズへ。この光景は写真では伝わらない。ぜひ、実物を見て欲しい。ちょっと曇っていて残念であったが、青い空をバックに奇岩が林立する光景は、正に別世界のようであろう。 ピナクルズを出発した後が、実はこのツアーの本領発揮なのかもしれない。本格的なオフロード。4WDパワー炸裂という感じなのである。白砂のビーチを走りぬけたり(本当で砂が真っ白、雪みたい。)、砂丘を登ったり下ったり、それをわざと何度も繰り返してくれる。ものすごい勾配を下ったり、車がひっくり返りそうで、ジェットコースター以上のスリル、みんなキャーキャーと楽しそう。途中、別の車がスタックして動かなくなってしまった。すると、運転手が「さあ、みなさん車を降りて車を押してください !! 」だって。やらせの匂いプンプンも、みんな楽しんで車を押す。 本当はビーチでアフタヌーンティーの予定だったが、この日は波が高かったので、ブラックボーイツリーという不思議な木が生えている草原でティータイム。 その後、運転手さんと、ガイドさんが、「ここからは、本格的にカンガルーを探しますよ !! 」 車の中から、みんなでカンガルーを探す。ブッシュの中にいたりして、じっと目を凝らさないと、なかなか見つからない。「あっ、いた !! 」 「えっ、見えなかった。」 「こっちにも、2匹飛び跳ねてる !! 」とみんなうるさいうるさい。 パース到着はだいたい19:00ぐらい。とても充実しているツアーだった。 同じツアーの中に40〜50代ぐらいのご夫婦の方が何組か見えたが、話を聞いてみると、娘さんが留学やらワーホリでパースにいるので様子を見にきたという方々だった。 ![]() ![]() ![]() |
4日目 | アボリジニ・アート (パース → シンガポール) |
あっという間でパース最終日、ちょっと早起きして、市内観光のときにも訪れたフリーマントルまで、今度はファストラックと呼ばれる電車で向かう。実はフリーマントルへ行くということよりも、この電車に乗ってみたという感じである。公共交通機関であるトランスパースがパースを起点に東西南北に延びる4つの路線を運行しており、西行きの終点がフリーマントル。パースからは30分程で到着。 その後、パースに戻り西オーストラリア博物館へ向かう。ちょうど地元の小学生の子供たちが先生に連れられ見学していた。続いて、西オーストラリア美術館へ、モネやゴッホといったヨーロッパ近代絵画も展示されているが、何といってもアボリジニ・アートはオーストラリアでも屈指の充実ぶりである。いずれにしても、海外じゃ公立施設の博物館や美術館は無料なんだよなー。なぜ、日本は金を取るのだろう? 集合時間までは土産物などの買い物で時間をつぶす。 ホテルから空港まで送ってもらい、夕方のシンガポール航空でシンガポールへ向かう。到着は夜になり、シンガポール・チャンギ空港へ着陸する際の窓から見える夜景がとてもきれい。行きと同様、ここで4時間あまりの待ち合わせである。行きでさんざん空港の中を見て回ったので、時間が余って仕方がない。 |
5日目 | トラブル発生 !! (シンガポール → 名古屋) |
本来なら、5日目は深夜1時過ぎにシンガポールを出発し、朝の9時前に名古屋へ到着するだけなのだが、思いもよらないトラブルが・・・ 延々4時間待って、ようやく搭乗。時間は夜中の1時過ぎ。とりあえず飛行機に乗って寝たい。搭乗完了、さあ出発というところで、飛行機がタラップをちょっと離れただけでとまってしまった。しばらくして、電気系統のトラブルで、出発が少し遅れるとのアナウンスがあった。でもいっこうに出発しない、そのまま、1時間以上経って、飛行機を換えるので、もう一度空港内へ戻れとのこと。みんな眠い中、ブーブー言いながら、飛行機を降りる。実はチャンギ空港では、名古屋便が1日のうちの最終便とあって、整備の人たちもほとんど帰ってしまっているらしい。 空港内へ戻るといっても、待合室の中だけ、ここに乗客全員が入るわけである。当然、全員の分の椅子はなく、寝るにも寝られない。シンガポール航空からジュースとサンドイッチが配られる。現地のシンガポール航空の係員が、お詫びのアナウンスをするのだが、おそらく日本語に翻訳したものを、ローマ字で書いてそれを読み上げるためか、イントネーションや単語の切れ目が無茶苦茶。真剣な顔で読んでくれるのだが、何か馬鹿にされているみたいで、吹き出してしまいそうになるほど。 結局出発は朝の7時過ぎになった。6時間ほどの遅れ。でも、あのまま飛んでもらっても困っただけに、何とも言いようがないというか・・・ 本来は朝到着のはずが、15時前に台風一過の名古屋へ到着しました。 |