空木岳
(2,864m) − 長野県
1999.08.08 (日)
山ある記
午前4時頃、駒ヶ根高原の車中で目を覚ます。駒ヶ根市街のコンビニへ食料を買い出しに行って、そのまま空木の登山道に接続する林道を少し上る。別荘が点々と建つ林道を古城公園・磐田の森方面へ更に上ると、駒ヶ根市街や南アルプスを展望できる展望台が現れる。メタリックな三角形の巨大なモニュメントが夜明け前の月明かりで鈍く光る。車道はここから先、立ち入り禁止となっていたため、空き地に車を停める。バリケードがあったのだが、これを無視して、更に車を入れたクセモノが何台かあった。これは上に登ってみて知ったことだが。標高はだいたい1,100m
くらいの地点だと思う。
5:05
夜明けを車中で待っているうちに、少し眠ってしまったようで、他の車の音で目が覚めた。空は明るくなっている。バリケードを跨いで越え、登山口を目指して車道を歩く。
5:30
菅ノ台からの登山道と車道とが交わる地点。栃ヶ洞の下当たり。更に車道は続いていたが、ここから登山道を登ることにした。
6:05 三本木地蔵を経由して鷹打場へ(標高1,510m)。
6:30 池山への分岐点。気温17度。水場がある。途中で中年女性2人組を追い越す。登りで出会ったのはこの2人だけである。あとは、上で夜を過ごしたパーティが数組下山してきただけ。昨日の木曽駒とは大違いだ。
7:05 マセナギ。迷い尾根まで1.3kmの標示。
8:50
大地獄、小地獄、迷い尾根を経由して、駒石・空木避難小屋への分岐へ。途中の尾根からは木曽駒の千畳敷がはっきり見えた。休憩していると丁度、両方のルートで下山してきたパーティ2組に遭遇。私は空木避難小屋へのルートをとることにした。
9:05
避難小屋。この当たりはお花畑が広がり、水場もある。花畑が視界に広がった途端、目の前に荒涼とした空木の頂が現れた。天国と地獄が同居したような不思議な空間だ。気温23度。右手に駒石ルートの尾根が続いている。
避難小屋から空木岳
9:55
大小の花崗岩がゴロゴロした急な斜面をゆっくり登ると駒峰ヒュッテに到着。ここだけ上空は快晴だが、周囲の山々は雲に覆われて様子も伺えない。ここまで来れば山頂はすぐだ。
10:10
山頂。砂利で踏ん張りの効かない斜面を慎重に登り切る。誰もいない頂だけが待っていた。南駒ガ岳が直ぐ南に見える。木曽谷の村々も見下ろせた。木曽駒方面はガスって全く見えない。日差しを避けて岩陰で休んでいると南駒から1人、2人と空木に集まり始めた。軽く食事をした後、あまりに日陰が気持ちよかったので少し横になったら眠ってしまった。日当たりが良く気温25度。
10:40
下山開始。下りは駒石へのルートをとった。所々に大きな岩が転がり、広大な石庭といった感じ。枯れ山水を楽しみながら歩いていると、トウヤクリンドウを発見。
トウヤクリンドウ
11:30
トンボがたくさんいた駒石を更に下ると先ほどの避難小屋との分岐だ。この当たりもガスり始め、日差しが遮られ気温も下がり始めた。21度。
12:45
大地獄、小地獄、迷い尾根をさっさとパスして池山への分岐へ。水場で水分補給。水がうまかった。
13:20 鷹打場。もう1,350mも下ったのだ。ここらからペースを落として、点々と咲く花をカメラに収めながら歩く。
センジュガンピ タマガワホトトギス
14:35
バリケードのあった登り口に到着。展望台に一組のカップルがいるだけ。もう汗だく。早く一風呂浴びたくなり、こまくさの湯へ直行。
標高差約 1,740m。
<参考地図>
アルペンガイド16 「中央アルプス・御岳山・白山」(山と渓谷社)
|