四阿(あずまや)山
(2,354m) − 長野・群馬県
1999.09.05 (日)
山ある記
天候:晴れ
先週の富士登山でのダメージがあくる日から続き、この日もけっして体調は万全ではなかった。ずっと風邪っぽく特に喉が痛んだ。しかし仕事を休むほどではなかった。一週間そんな感じだったが、体が山へ行きたがる。土曜は天気も体調も良くなく、山行はあっさり諦めたが、天気予報では日曜は良さそうだ。秋雨前線は本州の南側に南下したので、関東以北は午前中は晴れとの予報。そこで体調が万全でないならないなりの山を選んだ。
上田市から菅平に入り、午前4時頃、ダボス牧場の駐車場に着く。既に10台ほど車が停まって夜明けを待っている。雨は降っていないが、曇って空に星は見えない。とりあえず車中で仮眠し、朝を待つことに。
6時半に目を覚ますと、すっかり青空が広がり、他の車からも人が動き始めた。駐車場の周りは牧場が広がっている。ここは私有地で、管理会社の人が利用料を徴収に来た(\200/人)。どうやら登山口というだけでなく、牧場の一部を公園のように解放して観光地にもなっているらしい。
6:50
駐車場を出発。ここは四阿山に連なる根子岳の登山口になっており、時間もあるのでガイドどおり、根子岳経由で四阿を目指すことにした。四阿山は駐車場からは丁度、根子岳の裏になって見えない。雨露を吸って湿った登山道をゆっくり登る。タカネマツムシソウやハクサンシャジンが咲き乱れる。
露に濡れたコウメバチソウ
8:05 根子岳山頂(標高2,207m)。それほどの急登もなく、淡々と歩き続けると岩がごろごろした山頂に着く。山頂には既に別ルートから登ってきた10人くらいの小学生のグループが引率の先生と思われる人といた。10人くらいと思っていたら次々に子供たちが到着し、大騒ぎになった。山頂からは南東のすぐ目の前に四阿が見える。西側の登ってきた斜面の方向には雪のない菅平スキー場がよく見える。北アルプス方面は残念ながら雲の壁に阻まれている。山頂付近にはトリカブトがまだ咲いている。ここでサンドイッチで朝食。小学生の団体が四阿を目指すかどうかは分からなかったが、彼らが動き出す前に出発。四阿へはしばらく尾根を下ったあと笹薮の十ガ原を渡ってまた登りとなる。気温21度。
9:20
中四阿への分岐。尾根の上からは笹の絨毯に見えた十ガ原は、とんでもなく深く、背丈ほどある笹もあった(私の身長は177cm)。道が笹に覆われて足元が良く見えない。露に濡れた笹が冷たく全身を濡らす。なんとか薮を抜けると、急登が始まる。ハナが出るのでティッシュが欠かせない。この分岐点までくると視界が開け、山頂は間近。気温16.6度。
9:30
四阿山頂。山の東から南に掛けてはガスって何も見えない。時々、雲の切れ目から浅間山かと思われる一部が覗かせるくらい。山頂には祠が2つある。菅平側の祠の後ろには最高点2,354mの札。もう一つの祠の前には群馬県嬬恋村の文字の入った、2,332mの立て札。こちらのほうが低い。嬬恋村の方からもコースがあるようで、そちらから登ってくる人も見られた。気温19.5度。
10:10 下山開始。山頂で360度のパノラマを期待してねばってみたが、雲は晴れそうもないので、中四阿へ下るコースを下ることにした。根子を右手に見ながらお花畑の蝶を観察などしながらゆるりと歩く。
11:15
中四阿。こちらのコースは緩い下りがだらだら続く。9月に入ったといっても日中はまだ暑い。気温25度。
根子岳から少し下った巨岩から四阿を望む。十ガ原が広がる。
12:15
ダボス牧場駐車場に着。牛が草を食む牧場の脇をぐるりと回ると駐車場。牧場の手前には沢があり、少し登りになる。この沢の手前の花畑で大きなアゲハを発見。写真撮影を何度も試みたがうまく撮れない。結局逃げられた。シャッターのタイミングが難しい。牧場の中を走る舗装道を挟んだ反対側の草地には観光用と思われる馬やポニーが放牧されていて、のどかに草を食んでいた。
たくさんいたクジャクチョウ
タテハチョウ
標高差約 810m。
<日帰り温泉>
帰りは小諸、佐久、清里と国道141号を抜け、韮崎へ。双葉町の百楽園で汗を流す(入浴のみ町外者は\600。休憩込みは\800)。男湯からはお湯につかりながら南アルプスの山々が真正面に見わたせる。なかなか贅沢。鳳凰三山や甲斐駒ヶ岳が見ることができる。ジャグジーやサウナもある。
<参考地図>
どこでもアウトドア 「日本百名山を登る(上巻)」(昭文社)
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