山ある記 |
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妙高山 (みょうこうさん 2,454m) − 新潟県 2003.07.27 (日) |
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天候:曇 標高差: 1,365m |
<信州はいまだ梅雨明けせず。夏は来るのか?> この週末、西日本では梅雨明け宣言となったが、甲信越地方は梅雨空が続き、この日、妙高に向かう途中の千曲川も茶色く濁り、いつもより水かさも増していた。このまま夏はやって来ないなんてこともあるかと思わせるほど、今年の梅雨は長い(この後、8/2に関東甲信越は梅雨明けした)。雲は多いがそれでもこの朝は天候は落ち着いていると思われた。久しぶりに信越国境を越え、新潟へ。国道18号を妙高高原町に入っても、妙高山の頂は低い雲に覆われて、かつて黒姫山の山麓から見た山容ははっきりとしなかった。それでも広く裾野を広げた姿は高原に来ていることを十分に認識させる。妙高山へは燕温泉から入った。温泉入り口の駐車場は登山口ということもあり、駐車場は朝からほぼ満車。入り口からずっと離れた端になんとか駐車できた。 |
10:00
駐車場(標高約1,090m)を出発。小さな温泉街の坂道を通過して、スキー場のゲレンデに入ると、すぐ脇に野天風呂があった。風呂の外からも入浴している姿が見えるほどの距離であった。硫黄臭のする北地獄谷と呼ばれる渓谷をゆっくりと進む。 10:40 称明滝の下(約1,445m)。温泉の源泉小屋を過ぎると遠目にも落差のある滝が見えてくる。登山道の脇の足元からは硫黄の臭いや温泉の噴き出すような音が漏れる。汗で濡れたタオルで口を覆うようにして通過する。滝から落ちる流れが作る沢の水底は硫黄のせいか、岩が白濁して光って見えた。北地獄谷から見上げる妙高山の山塊ははるかに高く、沢を2つも3つも越した、はるか向こうに見えた。本当に辿り付けるのだろうかと思うくらいであった。 11:25 胸突き八丁の下(約1,770m)。手前の沢では小さな雪渓があり、一瞬だけ冷やっとした空間を感じた。しかしリュックを下ろした背中からは湯気が立ち昇る。それにしても枝に結ばれた数多くのピンクや黄色のリボンが気になる。ちょっとサービス過剰かな?気温15.2度。 11:40 天狗平(約1,920m)。胸突き八丁は名前ほど厳しくは感じられなかった。ウィダーinゼリーで軽く、腹を満たす。ここからペースが落ちてくる。雨もポツリと落ちてくる。 12:10 約2,100m地点。光善寺池はあったか、なかった分からなかったが水気のない湿地のように見えたのがそれだっただろうかと後で思った。鎖場はまだだった。気温14度。 12:45 山頂まで200mの札(約2,300m)。樹林帯を過ぎ、鎖場を通過し、もうすぐ山頂かと思わせるところまで来ているのだが、山頂はまだ先であった。鎖のかかった岩場は、さすがに百名山だけあって手入れが行き届いていて、しっかりと岩に足場が刻まれいて、鎖を必要としないくらいであった。しかし急な岩面を前にして、急に疲れに襲われ、リュックを背負った肩が重く感じられた。深呼吸して息を整えてから一気に登る。 |
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13:00
山頂。岩が立ち並び、積み重なり、まったくそれまでの景色とは異なる世界となった。あいかわらず雲が多く、展望は利かなかった。時々ガスに包まれると近くで休憩している登山者の姿も見えなくなることもある。一瞬ガスが晴れると外輪山の三田原山が姿を見せるくらいであった。軽く昼食。 13:30 下山。そのまま戻るのは芸がないので、ガイド本の通りに長助池に下り、燕新道を下ることにした。北側の下山路は暗く湿っていた。 14:10 長助池分岐(2,030m)。手前の狭い沢は雪渓となっていた。ここから長助池までは登山道というよりは沢歩きであった。登りのコースとは全然違った景色となった。燕新道で見る高山植物は今まで見たこともないようなものばかりだった。単にこれまで気付かなかっただけかも知れなかったが、サンカヨウ、キヌガサソウなどの白い花と大きな葉が目についた。 14:35 長助池(約1.940m)。狭い盆地のようなそこは、池というより湿地帯であった。一面にワタスゲが綿帽子をそよ風に揺らしていて、優雅な風景を見せた。非常に落ち着く空間であった。 15:35 約1,470m地点。沢の流れの音がするようになった。ここから少し下ると大倉谷の沢を渡ることになる。ここへ至る途中、女子高生約50人のパーティをパスして、一気に下った。引率の先生らが気を利かせて道を譲ってくれた。こんな山中に黄色い声がしたのが意外だったが、下山する彼女らの声はまだ元気だった。 16:05 麻平(約1,320m)。天狗平へのコースとの分岐。気温17.2度。 16:35 燕温泉駐車場。しっかりした吊り橋を渡って北地獄谷を越えるとすぐ、温泉街であった。疲れた。久しぶりに標高差1,300mを登り下りしたことは堪えた。実際、疲れ過ぎてその夜は熟睡できなかった。 |