山ある記

爺ヶ岳   (2,670m 中峰) − 長野県大町市・富山県立山町    2003.08.30 (土)

天候:曇り
標高差:1,320m

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種池より爺ヶ岳を望む。手前が南峰、奥が中峰(18KB)

  <短い夏がもう終わりかと思うと寂しい>
 日曜は天気が崩れそうだと、土曜の内にひと登り。曇り空の下、大町は扇沢へ向かう。扇沢はアルペンルートの長野県側の入り口。扇沢が近づくにつれて次第に空が暗くなるように感じ始めると時々小雨がパラつく。沢の脇の登山口に丁度一台駐車できるスペースを見つける。
 爺ヶ岳は鹿島槍へのルートの中間に位置する後立山連峰の一峰。春先の一時期に雪が消え残った形が”種まき爺さん”に見えるらしい。
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山頂より剣岳を望む(16KB)

9:55 登山口(標高1,350m)。先は長い。まずは足慣らしと、上下動を抑え一歩一歩を小さく確実に進めることだけに専念する。柏原新道は雨の後のように路面は濡れている。
10:25 八ッ見ベンチ(約1,600m)。小休止。丁度よいペースに刻まれた山道を進む。扇沢はガスに包まれ、景色は掴めない。
10:45 道の脇に小さな石積みのケルン(約1,730m)。気温16.7度。
11:15 一枚岩(約2,000m)。下界に低く垂れ込めていたガスというか雲の上に出たらしい。急に景色が開けた。岩小屋沢岳から針ノ木岳へと続く山並みが望めるようになる。種池山荘がはるか上に小さく見えるようになる。登り始めは山頂でも曇りだと嫌だなとも思ったが、登って来た甲斐があった。この辺りで尾根伝いの急な登りが終り、西側斜面を横切るような緩やかな道になる。しかしまだ先は長い。ペースを守るよう心がける。
12:00 約2,190m地点。小休止。
12:30 種池山荘(2,450m)。小さな種池には足が生えたばかりのオタマジャクシが泳ぐ。こんな高地にも生息するものかと、その逞しさに驚く。北アルプス上空は雲は多いが比較的展望はよい。立山連峰が覗く。周辺はお花畑。チングルマやミヤマリンドウ、ハクサンフウロなどなど。山荘脇のトイレを借り、その後は爺ヶ岳山頂を目指す。ここからはザレた登りで、歩きづらい。
 
<日帰り入浴>
”大町市民浴場”。大町市。\300
扇沢から下った大町温泉郷に近い。
シャンプーも石鹸もなく、銭湯に近い形態。
内湯のみ。少し私には湯温が高目か?

<参考地図>
・どこでもアウトドア 「日本100名山を登る(下巻)」(昭文社)
・アルペンガイド13 「北アルプス」(山と渓谷社)

13:30 山頂。爺ヶ岳の最高点は中峰。手前の南峰には立ち寄らずに直接中峰へ。山荘から少し登ると、間近に剣・立山の全容が姿を見せるようになる。こんなに近かったかと思うほど。昔、剣岳から見た後立山は遠くに見えたと記憶していたのだが。鹿島槍の双耳峰も近い。山頂からははるか遠くに鋭い槍ヶ岳の穂先が拝めた。山頂付近はトウヤクリンドウが多い。無人の山頂からは現在解体中という冷池山荘から、木槌の音が届く。景色を堪能しながらの昼食。気温17.8度。さずがにTシャツ一枚では肌寒く、長袖シャツを羽織る。
14:00 下山。南峰との間の道端でコマクサを見つける。山頂を目指しているときには全く気付かなかった。名は知らないが二種類の野鳥も姿を見せた。
14:35 種池山荘。ここはさっさと通過。
15:15 一枚岩。
15:35 ケルン。午後になって午前中のガスもいくらか晴れたよう。気温17度。
15:45 八ッ見ベンチ。扇沢の様子もはっきり分かるようになる。針ノ木岳へ続く雪渓も覗く。
16:10 登山口。予約した登山客の下山を待っているタクシーのオヤジさんと、客が下山するまでお喋り。高瀬ダムからの裏銀座コースの縦走をしきりに勧められた。ダムまではマイカーは入れないがタクシーなら入れるから、営業トークも当然。縦走はいずれやってみたいもの。

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