山ある記

五里ヶ峰   (1,094m) − 長野県戸倉町・更埴市             2003.02.02 (日)

天候:薄曇
標高差
:725m
  <しょっぱなから道を間違える>
 前週の十観山は大雪の後で苦労したが、翌日の大雨で、平地の雪は激減した。
 この週は若干風邪気味であったため、無理をせずに比較的楽そうな山を選んだ。積雪も減っているだろうとの読みもあり、気楽に出掛けた。五里ヶ峰は同じ尾根伝いに戦国の武将・村上義清の葛尾城跡がある。城跡を通って登るコースもあるのだが、今回はそれとは反対側の西斜面の戸倉町から登るコースをとった。福井地区の桜並木沿いに駐車。周囲には普通に民家が建ち、登山姿の自分に多少違和感を感じながらも歩き出す。

*写真なし

10:30 福井地区・桜並木(標高約370m)。民家の間の道を通って、すぐに裏山といった感じで山道に入る。すぐに道が分かれていたのだが、コンクリートブロックに赤いペンキで書かれた文字が判別できず、気の向いた方向に進むことにした。しかしこれが誤りであった。明確な案内はなく、少しだけ雪が残った山中には踏み跡のような筋が無数にあって、どれも登山道に見えてくる。多少不安に思いながらも適当に道を選んで高度を上げていく。次第に下界の喧騒からは離れていく。
11:20 約710m地点。標高だけは稼いだが、ついに進路を失った。積雪が増え始め、道の判別ができなくなった。獣の足跡はあるが、どう見ても普段人が歩きそうな場所ではなくなった。そんなとき少し前方でゴソゴソと音がすると思ったら、カモシカのお尻が見えた。向こうもこちらに気付いたのか立ち止まって首をこっちに向ける。双方、睨み合いとなるが、こっちが身動きしないでいると、向こうは何事もなかったように、ノソノソと歩き出した。それを追うような形でしばらく進んでみると、しばらくしてカモシカは道なき道をどこかへ消えてしまった。そのお陰でもないが、諦めないで歩いていると本来の登山道と合流した。その道には雪に足跡が残り、所々に木の幹に赤いリボンやテープが巻かれていた。
11:40 約825m地点で小休止。踏み跡はここ10日以内のものと思われた。雪は登山靴の高さくらいの深さがあったが、踏み跡のお陰で歩き易かった。自然にペースも上がる。静かな山林歩きが続く。気温1.5度。
12:05 尾根に出る(約935m)。葛尾山からの縦走コースとの合流地点であるらしい。ガイド本には途中に商売池というポイントが書かれていたが、いつの間にか雪のせいか気付かずに通り過ぎていた。気温0.4度。
 
<日帰り入浴>
”びんぐし湯さん館”。坂城町。\500。
千曲川を渡った、「びんぐしの里」という小高い丘の上にあり、北アルプスこそ(逆方向のため)見えないが露天風呂からの展望はなかなかのもの。ヌル目のベッド状の露天風呂もあり、横になって浸かると、大道山から大峯山にかけての山並みが正面に広がる。内湯、露天、サウナ。樽風呂なんていうのもある。

<参考地図>
・北信・東信 日帰りの山(章文館)

12:30 山頂。尾根に出てから山頂までは積雪が急に増えた。踏み跡はあったが、下りの際に付けられたもので、歩幅が合わず、結局自分の歩幅で雪を踏み固めながら登る。この日はラッセルは不要だろうと読んで、登山靴にスパッツを巻いただけの装備であったが、それで十分であった。時々思い出したように冷たい風が吹き抜けるが、薄く雲が広がった空は比較的穏やかであった。陽も時々射すため暖かく感じられる。南以外の展望は利いて、なかなかのもの。すぐ足元に千曲川沿いの戸倉町市街地が見下ろせ、川向こうには冠着(姨捨)山が近く、その奥には北アルプスが横一杯に広がる。山頂からの展望はまだモノクロームである。気温-1.1度。
12:45 下山開始。山頂ではクッキーを数枚かじっただけで済ませた。陽が高くなって次第に明るくなる気がした。
13:00 尾根の分岐点。雪はしまっており、夏山よりも着地時のショックを雪が吸収してくれるので足腰には負担が少ないようだ。多少、着地面の角度が変わっても足を捻ることもないし。
13:35 水入(約660m)。踏み跡を辿っていく内に、登りのときには歩かなかった道になり、登りではかなり道を外れていたことを知る。水入という場所は水場であるが、当然、登りの際には通っていないポイントであった。ここで遅い昼食。おにぎり2個をパクつく。ここから下はほとんど積雪もなくなり、次第に車や電車の音が聞こえてくるようになる。
14:00 駐車地点。

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