山ある記

十観山   (じゅっかんざん 1,285m) − 長野県青木村             2003.01.26 (日)

天候:晴れ
標高差
:305m
  <ラッセルはキツし>
 今年の初登りは大雪(1/23)直後の週末となった。上田でも30cmほどの積雪があり、会社から帰宅したら駐車場の雪かきをしなければ駐車できないほどであった。
 十観山は自宅からも眺められるほどの近さにあり、ガイド本によれば夏なら登り35分ほどということで、物足りなさを感じていた。が、冬ならばと言うことで大雪の後ではあるが新雪のラッセルがいかほどかと、確かめるために山に向かった。
 青木村の田沢温泉から更に「アスティあおき」という施設に向けて、除雪された道を上って行くと途中で登山口へ向かう林道(十観山遊歩道)と別れる。この林道は除雪がされていなかったため、林道手前で駐車する。
 jukkan.jpg (17040 バイト)

くつろぎの湯から見た十観山(17KB)

10:50 林道入り口(標高約980m)。新雪を踏みしめて林道を登山口まで歩く。この日はラッセルを覚悟でスキー用のパンツを履いていたので足元は万全。林道の積雪量は大した障害ではなかった。時々、動物の足跡を見かける。
11:15 登山口(約1,065m)。山頂まで1kmの標識が立っている。登山口らしいのは分かるが、積雪のせいで登山道らしきものは全く判別できない。勿論、人が歩いた跡はない。木々の幹に赤や黄色のテープが巻いてなければ登山を諦めるしかなかった。登山道(らしい)の積雪量は林道とは比べ物にならない。きっと昨年からの雪が積み重なって、どんどん量を増していたのであろう。林道には大雪の前に車が通ったと見られる轍があったから、歩きやすかっただけだった。その差には面食らった。まばらに巻かれたテープを追いながら膝上から股下ほどの雪を掻き分けながらゆっくり進む。気温5.1度。
11:45 約1,090m地点。時々道を見失いながらも行ったり来たりして、ラッセルで進んでいく。いっこうに前進しているようには思えないほど。小休止。気温-0.8度。
12:30 約1,220m地点。ますます雪が深くなる。天候は穏やかで陽も射して暖かく感じれた。
12:45 山頂下トイレ(約1,275m)。まだ新しい木製のトイレが見えたときは正直、ほっとした。たった1kmがいつ果てるとも思えないほどの長い道のりに感じられた。山頂はもう目の前。風なし。気温0.2度。
 
<日帰り入浴>
”くつろぎの湯”。青木村、国道143号沿い。田沢温泉への入り口。\300。
内湯2(ジャグジー、ジェットバス、打たせ湯)、シャンプーなし。
すっかり冷え切って縮こまった体が十分にほぐされた。

<参考地図>
・北信・東信 日帰りの山(章文館)

13:00 山頂。山頂を目の前にして蟻地獄のような状況になった。腰まである深雪に思うように進めないのだ。結局、たった1kmの道のりに1時間45分かかった計算だ。山頂は木がまばらに立っているので、展望はきいた。特に青木村から上田市に向けては見晴らしがよい。下界も真っ白に映る。浅間山が白煙を燻らせているのが見える。反対側は北アルプスの山並みが望める。間近に昨年末登った四阿屋山が迫る。南隣に御鷹山(1,623m。この日に初めて名前を知る)。その奥には美ヶ原のTV塔群が見える。南西には遠く八ヶ岳も。途中、余りの雪の多さに諦めかけたが、登頂できてよかった。昼食もそこそこに、山頂を歩き回った。
13:25 下山開始。トイレまで下りてきて、急に疲れが出た。想像以上に雪上歩きは消耗したようだ。
13:55 登山口。途中から右太腿がつりそうになって、右をかばって左に負担がかかり、今度は左腿がつりそうになり悪循環に。こんなところで歩けなくなったらどうしようか、遭難したら格好悪いなと思いながらも、前日に読んでいた小説「雪の炎」の遭難シーンを想像してしまい焦る。それでもなんとか林道に出て、熱いお茶を飲み、ホッとする。おにぎりを頬張り小休止。少し休む間に両足の痛みはなくなった。以外に早く回復したのに驚く。
14:15 林道口。無事下山。天候が落ち着いていたのが幸い。
 登山靴を脱いでから靴下がかなり濡れているのを知る。歩いている時は気付かなかったが、靴の口から少しずつ融けた雪が沁みたのかも知れない。これが凍傷の元だと思うと少し怖くもなる。今回は短い山行であったから問題なかったが。気温1.9度。

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