山ある記

蝶ヶ岳   (2,664m) − 長野県                 2002.06.02 (日)

 
天候:晴れ
標高差
:1,340m

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蝶ヶ念ヒュッテの南側の尾根から常念岳(22KB)。上空はすっかり晴れ。

  <サッカーW杯月間>
 日韓共同開催のW杯が開幕したばかり。しかし毎日、TVでサッカーばかり見ていては、体が鈍るというもの。ここしばらくは標高差1,000mにも満たない山ばかりを歩いてきたが、夏山シーズンも近づき、そろそろ高山(こうざん)らしいところを攻めようと気合を入れて北アルプスへ向かった。
 常念岳に登ったのは2000年秋のこと。蝶ヶ岳はその常念岳から縦走もできる、お隣の山。前回と同じ三股の駐車場に車を停める。朝方はまだ上空には雲が多く、常念山脈の上部はガスっていて、よく見えなかった。
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山頂から穂高の山塊(27KB)。まだたっぷり雪が残っている

8:40 三股駐車場(標高約1,325m)。しばらく林道を歩くと、登山指導所が現れる。ここからが本当の登山道。少し歩くと常念岳へのコースとの分岐となる。雪解け水で水量が豊富な本沢に沿って歩いていくと、イチリンソウが我が世の春よと咲き乱れていた。
9:00 本沢に渡された吊り橋を渡る。
9:25 標高約1,685m地点で小休憩。ここまでは傾斜も緩く、いいペースで歩けた。もう下ってくるグループに遭遇。
9:50 約1,865m地点で小休憩。この付近だけでイワカガミがたくさん咲いている。気温15.2度。
10:15 約2,000m地点。ここから残雪が見られるようになる。しかし、標高が高くなるにつれて、ほとんど雪の上を歩かされることになる。しかも斜面は急だ。雪面は軟らかく、アイゼンを着けるほどのことはない(そもそも持参していない)。丁度、下ってきた人に雪の状態を聞いたが、ずっとこんな状態だと聞かされ、先が思いやられる気がした。
11:00 約2,275m地点。何人も歩いた跡があるから道に迷うことはないが、歩きにくいのは確か。途中で雪に覆われた沢を何度か渡った。時間がたつにつれ天気も好転し、上空はすっかり晴れ。
11:35 約2,450m地点。ほとんど木々の間を縫うように歩いてきたが、そこへ吹き降ろす風が冷たい。そろそろ足に疲労が見え始め、ペースも上がらなくなっていた。ちょっと挫けそうになったが長めに休憩を取って、少し考えた。ずっと半袖の速乾Tシャツ一枚で登って来たが、さすがに肌寒くなり、フリースを着込む。気温11.1度。この後、少し登ると樹林帯を過ぎ、暖かな陽が直接当たるようになり、気力も回復してきた
。 
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山頂から槍ヶ岳(20KB)。近いようでも遠いなー

11:50 約2,520m地点。山頂も間近。常念岳から立ち昇っていたガスが晴れ、山容がはっきりと見えるようになった。
12:10 約2,635m地点。もう山頂は目と鼻の先であったが、山頂付近を吹き抜ける冷たい風を避けて、ハイマツの陰に腰を下ろして休憩。おにぎりと熱いお茶で暖まる。標高差600m以上、ずっと雪上歩きだったため登山靴でも足元が冷えた。正直、かなりバテた。とにかく気力だけでここまで来た。
12:25 蝶ヶ岳ヒュッテの北側、展望指示盤がある場所。360度の展望。梓川を挟んで向かいに穂高連峰が迫力ある山肌を見せる。雪もまだたっぷり残っている。もちろん槍ヶ岳も。焼岳、乗鞍岳、御岳までもしっかり。北は常念、そして大天井(おてんしょう)岳まで。ただし、東側の遠望はよくなかった。豊科町市街ははっきり見下ろせたが。三角点のある本当の山頂は、ここから更に少し北。景色を楽しんで気分をよくしたので、なんとか足をその先へ向けることが出来た。
13:00 山頂。わずかな距離に見えたが、アップダウンがあって疲れ切った体には堪えた。昼食。すぐその先に”蝶槍”と呼ばれるピークがあるが、さすがにそこまでは足が向かわなかった。下山する体力は温存しておかねば。
13:25 下山開始。
13:45 ヒュッテ。
13:55 約2,485m地点。雪がたっぷり残る北斜面を一気に滑り(?)降りた。スキーが出来るくらいの雪面を、登山靴だけでミニスキーの要領で滑るのだ。登りではきついだけだった斜面も爽快な下りに(一部だけだが)。
 
<日帰り温泉>
安曇野蝶ヶ岳温泉「ほりでーゆー四季の郷」。堀金村。三股(登山口)から堀金村へ下った道沿いにある日帰り浴場。内湯2(ジャグジー、打たせ湯も)、露天2、サウナ1。露天風呂は、熱くもなくぬるくもなく疲れを癒すには適温。休憩室あり。宿泊も可。\500。 

<参考地図>
・アルペンガイド13「北アルプス」(山と渓谷社)
・どこでもアウトドア 「日本百名山を登る(下巻)」(昭文社)
14:25 約2,130m地点。雪渓を渡る。膝に来はじめた。まだ先は長い。気温13.4度。
14:40 約1,990m地点。ほとんど登山道には雪がなくなる。雪のクッションもなくなり、残りの下りで膝への負荷が大きくなるのが不安。
15:40 登山指導所(約1,390m)。右足親指付け根に靴擦れが出来てしまい、歩き辛くなってきた。
15:50 駐車場。気温が上がり、かなり暑く感じられた。

 豊科方面へ車で下り始めると、路上にニホンザルの集団がうろうろしているのに遭遇。20匹はいただろうか。

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