山ある記 |
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鳳凰山 (2,840m 観音岳) − 山梨県 2000.07.02 (日) |
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天候:晴れのち曇 標高差:1,460m ![]() 薬師岳から観音岳への廊下(19KB) |
<梅雨をぶっ飛ばせ!> 鳳凰山には昨年のGWに訪れている。が、まだ残雪深い5月上旬では、地蔵岳を往復するのがやっとであった(日帰りであった)。前回は青木鉱泉からドンドコ沢を伝って登ったが、今回は夜叉神峠経由のコースを選択した。南アルプス林道も3度目ともなれば慣れた道だ。 5:30 夜叉神峠登山口・駐車場(1,380m)発。空は綺麗に晴れ上がり、梅雨空もどこへやら。 5:55 五本松(約1,590m)。陽射しを遮る木々の下を快調に歩む。 6:10 夜叉神峠頂上(1,760m)。白峰三山(右から北岳、間ノ岳、農鳥岳)がはきりと望める。しっかりカメラに収める。 夜叉神峠小屋の前には意外にもアヤメがたくさん花を付けている。 ここから杖立峠までは、樹林の間の単調な登りが続く。 |
![]() 山火事跡から北岳、間ノ岳(17KB) ミヤマハンショウヅル(17KB) |
7:15 杖立峠(約2,125m)。ここから更に尾根伝いに原生林の中を歩く。 8:00 山火事跡(約2,245m)。一瞬、視界が明るく広がった。森林限界ではなく、山火事の跡であった。鉄パイプを組み上げて作ったケルンが置かれている。ここでも白峰三山の写真を撮る。 8:40 苺平(2,510m)。ここにもケルンがあるが展望はなし。疲れて切り株に腰を下ろし、息を落ち着かせていると、鳥の囀りや虫の羽音に囲まれるうちに自然へ溶け込んでいくような感じになる。ここから辻山(標高2,585m)の東側を巻くように下っていく。 9:05 南御室小屋(2,430m)。苺平から苔生した石畳のような緩い下りを進むと、キャンプ地が広がるこの場所に出る。山岳部の学生達だろうか、10人以上の男女がキャンプを終えて、ちょうど夜叉神方面へ発とうとしていた。気温18.8度。 10:15 砂払山(約2,720m)。花崗岩が目立ち始めるとすぐここに達する。巨石群が突如として現れ、景色は一変。森林限界を抜けた。この手前あたりから紫紅のコイワカガミがあちこちに花を付けるようになり、標高が高くなるほど数も多く見られるようになった。正面に薬師岳が迫る。足元には薬師岳小屋が樹林の中に屋根を見せている。青空には徐々に夏雲がせり上がってきた。気温21度。 10:45 薬師岳山頂(2,780m)。砂払から一旦下って、小屋(2,710m)の前を通り過ぎ、ハイマツと砂礫の斜面を上ると鳳凰三山の一つ、薬師岳だ。山頂付近は自然が創り上げた天然の日本庭園が広がる。いったい誰がこんな所にこんな大きな石を運んだんだ?! 回りの山々にはいつの間にかガスが出始め、白峰三山は全く見えなくなっていた。すぐ間近にある観音岳山頂にもガスがかかり、姿を見えにくくした。 |
![]() 満開のコイワカガミ(35KB) |
<りべんぢを果たす!> 11:15 観音岳山頂(2,840m)。薬師から巨石の庭園を眺めながら、天国の回廊とも思える尾根を歩くと、鳳凰山の最高峰の観音岳。山に夏が訪れると、小さな蝿とも蜂ともつかない羽虫が大発生。休憩している私の回りにもブンブンと羽音を響かせ、飛び交う。歩いている時も、息苦しくて大きく息をすると口に入ってきたりするからたいへん。この時には山頂からの展望はもう望み薄となってしまっていた。 11:30には諦めて、来た道へ下山を開始した。薬師岳に戻って、一瞬のガスの晴れ間を狙って、観音岳をカメラに収めることができた。 |
![]() 手が届きそうなニホンカモシカ(24KB)
<参考地図> |
12:45
南御室小屋。ここから苺平までの緩い登りは、案外キツイ。徐々にボディブローのように効いてくる。気温21度。 13:15 苺平。気温21度。 苺平から杖立峠への下りの途中で中年女性二人組が登ってくるのに遭遇。今頃から頂上を目指すのかと思ったが、聞くと今日は下見で行ける所まで行こうとしていたらしい。私に出会って、引き返すキッカケが出来たと二人は私の後ろを歩き始めた。 杖立峠からは私が後ろを歩く形で下り始めたが、途中で前の二人がカモシカを発見。山道の谷側の目と鼻の先にいるではないか!何か餌を見付けたのだろうか、こちらを気にもせずお食事中。ゆっくりカメラを取り出して、至近距離での撮影に成功。 15:10 夜叉神峠。ひたすら下ってようやく辿り着いたが、またしても靴擦れを起こしてしまい、しかも膝にも疲労が溜まってきていた。気温23度。 15:50 登山口。痛い脚をなんとか運び、ゴール。10時間強の行軍は無事終了した。 |
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