鳳凰山
1999.05.01 (土)
山ある記
地蔵岳(2764m)、薬師岳(2780m)、観音岳(2840m)の3峰の総称である。
前日夜半に出発。未明には韮崎に入り、甲州街道沿いの仮眠エリアにて仮眠。
6時頃ふと目を覚ますと、すっかり夜は明けていた。
7イレブンで食料を買い出して、武川から青木鉱泉を目指す。
小武川渓谷の砂利道をひたすら走り、青木鉱泉に午前8時前に到着。
GWも初日だからか、2、3台の乗用車が駐車されているだけ。
鉱泉の主人に駐車代700円を払い、山の様子を尋ねる。
先に入山している方が1人いるらしい。雪が少し残っているから気をつけるように言われた。
日帰りなので、先に進めないようなら戻ってくると言い残して、出発。
ドンドコ沢をひたすら登る。
10:00
白糸の滝。ここを過ぎたあたりから、残雪が見られるようになる。
気候がよくなって、ゆるんだ雪に頻繁に足をとられ難渋した。スパッツで足元を
堅めてはいたが、ゴムがゆるくて間から雪が入るのだ。カンジキがあればと思いつつ、軽装備をうらんだ。
11:40
鳳凰小屋。ここまではずっと雪上を歩かされたので、トレッキングシューズは既にグショグショ。装備の甘さに自分ながら情けない。小屋のスタッフに迎えられて
ホッと一息。2、3日前に小屋を開いたばかりだと言う。小屋の周りの雪かきの
真っ最中だった。既に登山者が2、3人ほどおられた。
スタッフの兄ちゃんと話しているところに、正面の深い雪に覆われた沢を下ってくる姿が見えた。鳳凰山はもうすぐそこだ。
靴が水を吸って気持ちが悪かったので頂上は諦めて、引き返そうとも思ったが、兄ちゃんがせっかく来たのだからと言われて、それならと気を取り直して山頂を目指す。
残雪の深い沢を足元を気にしながら、ゆっくり登る。日当たりの悪い北向きの岩に氷柱のカーテンが美しい。これを左手に眺めながら、更に歩く。頂上付近は雪も付かず、今度は砂利に覆われた斜面に足をとられた。
12:40
地蔵岳山頂。正確には奇岩のオベリスクのてっぺんが頂上なのだろう。賽の河原と呼ばれるその岩のふもとには小さなお地蔵さんがたくさん並んでいた。
気温11.3度。甲斐駒ヶ岳を眺めながら、昼食を軽くとる。
昼食を済ませ、下山。下りは滑る靴底を味方に、枯れ枝をストック替わりにミニスキーの要領で滑り下りた。
鳳凰小屋で一休み。小屋の周辺の雪かきがまだ続いていた。
小屋を辞し、午前来た道を戻る。
しばらく歩いたところで何か動くものがある。なんとカモシカだ。
草の芽かなにかを突ついているように見える。向こうも私の存在に気づいて、振り向く。
が、逃げようとはしない。警戒心が乏しいのか?こちらから目線をはずして、彼の背後を遠巻きにして静かに歩く。相変わらず食事に忙しいカモシカのお尻を見ながら、あれが「日本カモシカのお尻」かとしみじみ思ったりした。
16:20 青木鉱泉に着。気温14.3度。かなり足にきている。
標高差約 1,570m。
<参考地図>
アルペンガイド5「奥日光・足尾・那須」(山と渓谷社)
|