山ある記

安達太良山   (1,700m) − 福島県                 2000.05.05 (金)

 
天候:晴れ
標高差
:760m

adatara.jpg (20936 バイト)

勢至平から安達太良山頂。左の突起部分が最高峰、通称”乳首”(20KB)

  前日(5/4)早朝に猪苗代入り。残念ながら猪苗代湖上空は灰色の雲に覆われ、小雨も混じる。ゴールデンウィークを利用して福島まで足を伸ばし、磐梯山に登る予定で来てはみたものの、雲行きがだんだん怪しくなって来た。磐梯山麓の猪苗代スキー場にある登山口の駐車場に車を停め、時々強くなる雨に様子見を決め込んだ。登山口からは山頂を雲に覆われた磐梯山がそびえている。夜を徹して車を走らせて来たので、仮眠を採って雨の止むのを待ってみた。午後近くになっても雨は上がらず、登頂時間を稼ぐために、山の反対側の有料道路(ゴールドライン)で一気に八方台登山口まで行くことにした。しかし、料金を払って八方台まで来てはみたものの、ますます雨は強くなり、ガスも出始めた。登山口周辺は積雪も多く、登る気力が一気に失せた。単に登頂だけが目的なら雨具を着けてでも登ったが、連休だし一日我慢することに決めた。
  東京はすっかり桜も葉桜に変わって、緑が濃くなってきていたが、まだ猪苗代地方は桜が咲いていて、桜祭り会場も目にした。
  前夜、猪苗代湖畔の上戸の駐車場で一夜を過ごそうとしていたが、深夜に若者達の車の出入りが激しくなり騒々しく、ゆっくり眠れなくなった。なんとなく磐梯山が私を拒んでいるような気になったので、磐梯は止めて急遽、安達太良山に予定変更。二本松経由で登山口のある岳温泉へ移動。あだたらスキー場のある奥岳は標高940m。駐車場に車を停め、朝を待った。

  午前6時前、隣に車が停まった音で目が覚めた。外はすっかり明るく、前日とは違って晴天。  →→
5:50 駐車場を出発。富士急ホテルの前を通って、林道を進むとすぐ、くろがね小屋分岐(標高1,000m)。ここでロープウエーの終点駅のある展望台方面とくろがね小屋方面コースとに別れるが、くろがね方面へ向う。林道を歩くと早くも下ってくる人に出会う。標高1,200m前後から山道に積雪が目立つようになる。東京の平地では日中、もう夏間近といった気候であったが、ここ安達太良はようやく冬が終わり、春を迎えたばかりといった感じ。視界が開け、勢至平といわれる草原となる。雪に覆われた背の低い潅木が広がる。左手に山頂の通称”乳首”と呼ばれる突起が見えてくる。正面にはどっかと鉄山が座っている。

6:50 勢至平分岐(1,300m)。ここでくろがね小屋方面と、峰の辻方面とに分岐する。進路を変えて鉄山を右手に見ながら、小潅木の中を峰の辻へ向う。山道には雪解け水が細く流れる。気温17度。くろがね小屋のほうから登って行くグループが雪上を進むのが見える。積雪の斜面をアイゼン無しでゆっくり進むと峰の辻。 ↓
 
 <日帰り温泉>
幸陽の杜(磐梯山のページを参照)

 

<参考地図>
どこでもアウトドア 「日本百名山を登る(上巻)」(昭文社)

7:40 峰の辻(1,550m)。まっすぐ雪面を進めば山頂はすぐだが、傾斜は急だ。丁度そこを進むグループも見えたが一旦、右手に向かい牛ノ背を経由することにした。気温18.3度。
8:10 山頂。山頂はまさに溶岩が”乳首”のように突出した形。山頂付近は赤い溶岩に覆われていて、積雪はないが霜柱が融けかけたような具合。。山頂からは西に雲海から頭を覗かせた磐梯山。北西に吾妻山と総称される山群が広がる。遠くに真っ白な飯豊山も見える。晴れていた空にも南斜面から次第に雲が湧きあがってくる。
8:30 下山開始。下りはコースを変えて、ロープウエーのある薬師岳方面に向う。雲の中に入ると薄暗くなり、気温もぐっと下がってきた。ロープウエーの降り口に近づくにつれて登山客が増えてきた。ロープウエーが動き始めたらしい。
9:00 展望台(1,350m)。ロープウエーの山頂駅近く。展望台あたりから頻繁に鐘を鳴らす音が聞こえる。スキー場内を下っていく。雲を抜けると視界は広がる。
9:30 くろがね小屋分岐。最初に来た場所に戻った。気温8.5度。
9:35 駐車場に着。朝と比べて、駐車している車の数も、人の数も多くなり奥岳は賑わい始めていた。
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