レース観戦記 | |
京王杯スプリングC (G2 : 芝1,400m ) 2000.05.14 晴れ、良馬場 優勝のスティンガー(25KB) |
<グラスワンダーは終わった・・・?> 前日の不安定なお天気をひきずった形で今日も薄曇り。強い日差しを遮ってくれて丁度よい。 国内外のG1馬7頭が出走するという豪華なG2レースとなった。安田記念の前哨戦となるこのレース。何と言っても注目は、前走日経賞(G2)で万馬券を演出した形となったグラスワンダーの出来だ。今年はフランス凱旋門賞にも挑戦するというプランも発表されていて、そういう意味でも前走の凡走は先行きに不安を募らせる結果となった(最近の報道では年内引退、種牡馬入りの予定と伝えられている)。調教でもよいところがないと言われながらも、開けてみれば1番人気。昨年スプリンターズS(G1)の覇者・ブラックホークや高松宮記念(同)覇者・キングヘイローを抑えての1番人気だ。 私もTVで見た調教や関係者のコメントなどからもGワンダーを買うべきかどうか判断しかねていた。他にG1馬が6頭出ているのも予想を更に難しくしている。 |
![]() 2着のブラックホーク(28KB) |
パドックは前週のG1・NHKマイルCよりも多いんじゃないかと思われるくらいの人出。出走馬がパドックに現れる前に馬体重が発表され、急にパドックがざわざわし始めた。原因はGワンダーが前走から20Kgも絞ってきたからだ。この人々の動揺のようなものは、きっと不安だったものが晴れるような、これは(良い方向へ)見直すべきなんじゃないか?という気持ちの表れのようにも私にはとれた。 パドックに全馬が登場。周回を重ねていくが、特にウルサい馬もおらず、どの馬も走りそうに見える。しかし皆、大人しくて気合が今一つ。いつもウルサいくらいのKヘイローもなんか違う。私が密かに本命にしていたディヴァインライトは体重10Kg増と少々不安に。Sインディは昨年末の有馬記念(G1)以来、凡走が続いているが人気を落としている今回は狙い目と考えていた。いつものように首をぐっと下げて気合も悪くない。去年のNHKマイルCの後は、馬券では裏切られ続けている。Tブライドルも首を下げている。また不気味なのは、またしてもゴドルフィンが送り込んできたディクタット。昨年、フランス、イギリスで短距離のG1をそれぞれ勝っている。これも軽視はできないだろう。Gワンダーであるが、2年連続グランプリホースとは思えないほど、迫力が感じられない。 止まれの合図で騎手を乗せるために各馬が一旦周回を止める。丁度、目の前にSインディが止まり、Bホークに乗る横山典から乗り替わった蛯名を背に。2頭出しの藤沢調教師はこちらの方には来なかった。スティンガーの方へ行ったか?よくない印かも?(結果的にそうなった)。高松宮記念上位組は5頭が出てきたが、先のレースでは1着のKヘイローから5着のTパーフェクトまでは1馬身の差しかなかったから、もう一度走らせてみれば、これらの順位が十分入れ替わる可能性があるほど力は接近している。 最後の周回が終わり、馬券を買いに走る。 結局、Gワンダーは切ることにした。確固とした軸がなかなか決められなかったが、ディヴァインライトを軸にワイドで、Tブライドル、Tパーフェクト、ディクタット、Sインディ、スティンガーへ流した。 レース直前、Gワンダーの単勝人気は午前中は3倍だったのに票を伸ばして、2.4倍に。 |
![]() 3着のタイキブライドル(25KB)
|
<並み居る牡馬を蹴散らしてカミソリ娘が・・> レースは1枠と有利な枠を引いた逃げ馬Eルーデンスが予想どおり前に出るが、他にやり合う相手もおらず、そんなには差は大きくならない。Gワンダーは中段後ろで、あまり行き足はよくないようにも見える。武豊に乗り替わったスティンガーは後方2番手。 ずっと馬群に包まれた形で直線を迎えたGワンダーは去年の豪脚を発揮することが出来るか?本命ディヴァインライトはこれも内枠を利して、先頭集団の内にぴったりついて上がってくる。しかし、プラス体重が影響したのか伸びない。前に行った馬達の脚が止まり始めると後ろから来た組みがすっとそれらを交わしていく。圧巻は後方内側にいたスティンガーがみるみる大外に持ち出し、前を走っていた十数頭を一気に抜き去りゴールイン。Gワンダーの豪脚は不発、9着と惨敗。Kヘイローにいたっては11着。全く良い所なし。1と3/4馬身差でBホークが堅実に2着。前に行った組みではしっかり残って強さを見せた。その首差3着にTブライドル。 さて、短距離と長距離をほぼ交互に走らされているGワンダーだが、関係者が意図してやっていることなのか疑問だ。さて今日の走りを受けて、自走、宝塚記念の評価はどのようになるのだろうか? |
2000春のG1予想と結果 |