| 三国一のバイク馬鹿バイクに乗らない日
 
 
 俺は電車が好きではない。混雑した電車は大嫌いだ。単純にせっかちなので、何もしないでいることができない。
 だから、電車に乗っている時はだいたい本を読んでいるわけだが、
 ラッシュアワーなんざ、本を読む隙間さえない!!
 通勤ラッシュも、「慣れる」らしいんだが、
 どうなることやら。
 しばらく、辛い日々が続きそう。
  我が第2の愛車、労働1号をバイクショップに預けた帰り道。ちょっと、不思議な気分に陥った。
 道は当然よく知った道。片側2車線だが、あまり広い道路ではない。
 が、歩いていると、とんでもなく広い道に見える。
 さらに、通勤で毎日のように走っている国道6号線ときた日には!!
 もう、とんでもなく広くて、車もビュンビュン走っている。
 俺も普段はこんなスピードで走ってるのか!?
 とも思ったし、歩道からの眺めと、車道からのそれはまるで違った。
 それは、無力感かもしれない。
 バイクは、人間がむき出しで乗っているとは思うが、
 生身とは違うねえ。
 車道の真ん中に躍り出るような真似はもうできない。
 まあ、小難しい話はどうでもよくて、徒歩とバイク乗車時とで、
 世界の眺めがまるで違っていたのが、 面白かったというだけ。
 車に乗ると、きっとまた違う世界なんだろうと思う。
 そういうわけで、なんとなく奥多摩へ電車で行ってみたくなった。あそこには、バイクで行ったことしかないが、
 自転車乗り(競輪選手?)もいれば、ハイキングの人もいる。
 奥多摩で、歩いたり、自転車の眺めを見てみたくなったのだ。
 そのほか、もう随分やらなくなってしまったが、
 電車の旅とかやってみようかな、と。
 退屈ってやつをうまく楽しむことができれば、きっと面白いはず。
 その日の午後は、おだやかに晴れた一日で、歩いていても、バイクに乗っても楽しい日よりだった。
 電車に乗った帰り道。広げていた文庫本を思わず閉じた。
 窓の向こうを流れる景色が妙に面白かった。
 ただぼんやりと、その景色を見続けていた。
 こういうのも悪くない。
 
 すぐに飽きるかもしれないけど。 メールは下記まで SS900@mac.com |