三国一のバイク馬鹿
雑誌じゃかかない、ライテク指南

いきなり読む気がなくなる話だが。
ライテクの話は雑誌でもバイク乗り同士の会話でもよくあるが、
それは多分、読んだり、聞いたりして、わかったつもりになっても身に付かない。
自分で考えて、実際に試しても、間違えていることも多い。
「見る」が加わると、理解度はちょっと高まる。
でも、その場で試してみなければ、何も身に付かない。
分かった気になって満足なら、それでいい。
でも、そこに進歩はないと思う。
やっぱり、きちんとした人(俺ではない)に教えてもらうのが一番。
というわけで、
このページはライテクの話をしてますが、
ライテク向上とは何の関係もありません。

 前にあまりにも華麗なる1/2ひねりをかまして以来、
飽きずに通ってます。TEC-R(交通教育センターレインボー<埼玉 >)。 中級だけど。
ようやく平均レベルの走りができるようになったつもりの俺だが、
いまだに、行くたびに新しい発見がある
というか教わったり、指摘される。
そんでもって、まあ、そこが本当にレベルの高いスクールで、
上級コースには、ジムカーナのレーサーやら、
余所で教官をしている人まで通う所だとわかった。
まったく、とんでもねえ。
どうりでレベル高いわけだ。
そこで、よく同じ日に顔を合わせるようになった人と話していたんだが、
ここで教わるような話は、雑誌では書かれることがない。
そう言われて、ハッとした。そんでもって、これを書いている。
つまるところ、TEC-Rで教わったことをここでちょっと紹介しようというわけだ。

 その前に、何故TEC-Rで教えることが雑誌で書かれないか、について。
それは、基本中の基本だから。
それを雑誌で書いていたら、それだけで本一冊分になるから。
だいたい、そういうことは、バイク乗りなら誰でも教習所で教わっているはずだから。
TEC-Rで教えてくれるのは、あくまでも基本
だから、仮のここの上級で誰よりも速く走れても、峠で誰よりも速く走れるようになるわけではない。
(逆に、峠最速の人でもここ来たら最初のうちはビリッケツだろう)
サーキットも同義だと思う。
峠やサーキットで速く走るなら、基本を踏まえた上で「応用」の走りを身につけないとダメってこと。
どこまで行っても基本は基本。
だが、この基本がとんでもなく奥が深い。
もちろん、役に立つよ。俺はずいぶん役に立った。

1)乗車姿勢
こんなの、自分が乗りやすいように乗ればいいんです。
TEC-Rでも、教習所のように「背筋を伸ばせ」とか細々とは言わない。
でも、きちんと乗るためには、それなりの「正しい乗車姿勢」というものはある。
1に「目線」、2に「シートへの荷重 」だ。
「目線を遠くに」これは誰でも知っている基本中の基本。
だが、ほとんどの人はこれをきちんとできていない
俺もできていなかった。やっているつもりだったが。
目線を遠くにするということは、別に遠くを見ろということではない。
なるべく遠くを見るようにしていた方が、峠道では安全だけどね。
TEC-Rのようなコース、あるいは教習所のコースを2倍速で走るとすれば、
(それでもコーナーリング中の速度は10〜20km以下になるだろう)
視野を広くして、次に目指すコースまたはパイロンを素早く視界に収めるようにしないと、
間違いなく、コースを見失う。
俺は、この手のコースを覚えるのがえらく苦手で、
本当に頭悪いと思っていたが、そうではなかった。
(いやまあ、頭悪いのは事実なんだが)
視界が狭くてコースというより路面しか見ていなかったからだ。
でもって、バイクの動きよりも一拍速いタイミングで視線を(頭ごと)動かすと、
自然に体重移動が発生する。
これを身につけると、特に街乗りで飛躍的に安全に走れます。
で、「シートへの荷重」。
シートへの荷重ポイントは、前乗りとか後乗りとかいろいろあって、
どの理屈もそれなりに筋が通っているので、自分にフィットした方法を身につければいい。
が、問題は「本当にシートに荷重がかかっているかどうか」だ。
俺は、ドゥカに乗る前からツイン乗りで、
「後乗り」を盲信し小さい体を無理矢理伸ばして シートの後ろに座っていた。
これが大間違い。
仮にシートの後ろに乗っても、それをささえるためにニーグリップで支えていたら、
荷重はタンク寄りになる。
これだったら、お尻を前にした方がいい。
直線を走行中、ニーグリップを解除したときにお尻がシートに沈むようなら、
お尻を前にずらした方がいいと思う。
ニーグリップに頼りすぎるとシートへの荷重ができなくなる。
これは、俺的には盲点だった。
ちなみに、自分のベストな着座位置を知るコツは、
通常の走行状態で、腕に力をいれずにハンドルをフルロックにできる距離につきる。
もちろん、フルロックした時に腕が伸びきってしまうような位置では遠すぎる。
これらを踏まえて、発進時の姿勢と減速時の姿勢がある。
発進時は荷重が後方に移動するので、それに合わせてやや前傾姿勢にする。
減速時は逆に身体を起こし気味にして、前方に移動する荷重を軽減する。
これは誰でも知っている理屈。
が、そこには「目線を安定させる」という役割もあったのだ。
シーソーと同じで、バイク自体が前傾、後傾するわけだから、
目線もそれにあわせて上下させなければ、地面を見たり青空を見たりすることになる。
目線が安定していなければ、「遠くを見る」ことなんてできるはずもない。
重要なのは加速中、減速中、旋回中の「目線」だ。

2)ハンドルフルロック
 理屈として、バイクは左右へのバンクで曲がる乗り物なので、
(切らずにすめば)ハンドルを切らない方が速く走れる。
というものがある。
だから、うまい人ほどハンドルを切らない(ように見える)し、
ドゥカ、しかもスーパーバイク系はハンドルがまるで切れない。
それは、サーキットや峠の高速コーナリングの話で、
低速のコーナリング、右折や左折ではハンドルフルロック。
すっげえ違和感。
それ、ダサダサな感じだよ。そういうツッコミ聞こえそう。
でも、そう思った人ほど本当のハンドルフルロックを一度見てくれ。
すげえぞ。
ほんの一瞬、バイクが曲がり始める瞬間だけハンドルフルロックにするのだ。
あとはアクセル全開(笑)だから、ハンドルは勝手に元に戻る。
(ちなみに、俺はまだこれできません)
パイロンスラロームって奴、パイロンが5mくらいの間隔で立っていて、その間を交互に走り抜けるアレ。
あそこに直線があることを理解できるだろうか?
その正味2m程度の直線でアクセル全開にする
バイク乗りが存在することを!!

(たびたびちなみに、俺にはまだまだそんな真似できません)
ちなみに、ハンドルフルロックと言っても、自分でハンドル切ってるわけじゃない。
「セルフステア」で自然に切れているのだ。
そのために、体重の移動によって積極的に荷重移動を起こしたり、
減速時に「バイクが曲がりやすい状態」を作る技術が必要になる。
これらの技術は、聞いただけでは身に付かないと思う。
うかつに真似をすれば、転倒すると思います。
TEC-Rで挑戦してください。

3)目標制動って奴を知っているか?
 ああ、コレ。俺すごく苦手なんだよ。
いわゆる急制動ってのは、直線の向こうにパイロンがあってそこからブレーキをかけて、
なるべく短い距離で停止する。
目標制動ってのは、急制動でパイロンの位置に単車が止まるように制動するもの。
つまり、ブレーキ開始位置は自分で見定めないといけない。
これが難しい。
だいたいの場合、パイロンよりかなり手前でバイクが止まってしまう。
これは、公道では安全であることは確か。
しかし、これができないってことは、峠やサーキットでは無駄 のある走りってことになる。
正しいブレーキング終了ポイントがあり、その直後の向き変えポイントが、
ずいぶん手前になってしまうわけだ。
インにつくのが早すぎちゃう。
ならば、ブレーキを遅らせて正しくブレーキが終了するようにすればいい。
俗に言う「ブレーキをつめる」ってのとは全然意味が違うと思う。
サーキットならば有効かもしれないが、公道でそれができることは少ないかと。
あらゆる道幅で、どんな曲率のコーナーでも、ある程度正しいブレーキ終了ポイントがわかり、
なおかつ、車速に合わせて最適なブレーキ開始地点を読む。
これができるようになれば、峠では無敵だと思わないかい?
このために必要なことは、自分のフルブレーキにおける制動距離を正確に把握すること、
目視で正確に距離を読めるようになること、などなど課題も多い。
俺も練習中。
一般公道でやるときは、後ろのクルマに気を付けて。

4)アクセルの遊び解除の真実
  あえて言おう。
ビッグツイン、あるいはインジェクションにありがちな通称「ドンツキ」。
こんなの「嘘」だ。あるいは「幻想」だ。
たぶん、本当にはあるんだろうけど、少なくとも俺が「ドンツキ」だと思っていた現象は、
俺がヘタクソだったせいで
「ドンツキ」 とは何の関係もない。
俺が「ドンツキ」だと思っていた現象の正体。
それは、アクセルの遊びによるタイムラグ
自分はじわーっとアクセルを開けているつもりでも、それはアクセルの「遊び」だったりして、
自分がアクセルを開けた時と、アクセルが本当に開いた時の時間差が「ドンツキ感」をともなう。
これがあるせいで、俺はアクセル全閉からアクセル開けるのがとても苦手だった。
で、「アクセルの遊び解除」
これは、雑誌でも紹介されるテクニックなので、知っている人も多いと思う。
説明すれば、アクセルを開ける前にあらかじめアクセルの遊びを解除しておいて、
それからアクセルを開ける。ということになる。
雑誌でも、TEC-Rでの説明も言葉の定義としては同じだった。
では、いつ「アクセルの遊び」を解除するのか?
だからアクセル開ける前だって!!
言葉ではその通り、でも、実際そんなことしている余裕ある?
さて、ここで質問です。
(アクセルオフ→ブレーキング)→1.向き変え→2.バイク旋回動作→3.コーナーの出口が見える→4.アクセル開ける
1〜4のどこでアクセルの遊び解除するのが良いでしょう?
1.そんなことしてるヒマねえ。2もちょっと忙しい。
言葉で考えると、3が良さそう。4では遅すぎ 。
でも、3だって、アクセル閉じてるわけじゃないでしょ。
パーシャル回転ていうか、すでにアクセル開きはじめているはず。
解答:全部外れです。
悪いね。イジワルで。
正解は、「アクセルオフ直後」 。閉めたとたんに「遊び解除」。
これなら、一度身につけてしまえば、案外簡単。
開けた瞬間に加速体勢に入れます。
威力絶大
でも、慣れないうちは「遊び解除」のつもりで本当にアクセル開けちゃったりするので、
安全なところで試しましょう。
渋滞中のクルマの後ろについて、すいすいとアクセルオフ(遊び解除)オン の練習するといいよ。
上達すれば、半クラなしのアクセルだけでのろのろ運転できます。
もちろんドゥカでもできる。
カッコイイ言葉として、「ドゥカは速くしか走れない」なんて言葉がある。
そんなわけねえだろう。
基本が身に付けば、ドゥカでゆっくり走ることだってできる。
それ以上に、ものすごく上手に走れるようになるわけだが。

とまあ、いろいろ思いつくままに書き並べてみたが、
多分、俺のいいたいことのほとんどは伝わってないと思う。
書き手としての力不足を感じるが、それも仕方ない。
もしも、練習してみるつもりの人は、くれぐれも安全に気を付けて。
他のクルマやバイクが来ないクローズドな場所がいいと思う。
いずれにしても、基本中の基本だから、身につけておいて損はない。
そんでもって、まあ、またまた宣伝だが、
思う存分練習したい人は、TEC-Rへどうぞ。
初めて見る人には、笑っちゃうくらいの怪物がうじゃうじゃいます。
あと、俺は今でも爆笑しているが、
W字型の一本橋とか!!
愉快な設備もいっぱいあります。
単車も貸出し車両なんで、思う存分走れるし。
寒い季節のうちに、こっそりスキルアップして、春には仲間に披露してみては!!
それは俺の野望だ!!

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