蝦夷鹿猟の道具紹介
北海道の蝦夷鹿猟の必須アイテムの紹介です。これは、私が実際に使っている
道具であり、これだけあれば万全というものではありません。当然個々の狩猟
形態によって必要なものは変わって来ることと思います。
「こんなに便利なものがある」、とか「こんな使い方もある」とかの面白い
情報があればお知らせください。
仕事が忙しくなかなか出猟できないせいかアイテムが増えてきているので紹介します(2006.01.17)
Winchester #41201 デラックスゲームクリーニングキット

黒プラケースにコンパクトに格納された解体セットです。
・スキニングナイフ
・ケーピングナイフ
・ガットフック(替え刃2枚付き)
・フフォールディングソー
・ラテックスグローブ
All metal components are 100% 440 stainless steel
このまま猟野に持ち込むには多少かさ張りますが、解体を余裕をもって行える場合には重宝しそうです。
価格的には安い物なので高級感はないのですが実用でガンガン使えるもの良いですね。
1999.12.02 文書の改訂+ウインチ項目+ガンブレラ項目追加
車
TOYOTA L/C 77
道東の鹿猟では何処に行くにも車が必要です。当然除雪などされていない林道を進んでいくので
俗に言う4駆(オフローダー)が必要です。もちろん、幹線まで車で行き、そこからは歩きだとい
う場合にはこの限りではありません。
北海道では一部スパイク規制地域がありますので、私の場合はスタッドレスタイヤを履いています。アイスバーンの幹線道路を高速で走る場合以外は特にスパイクタイヤの必要性は感じませんが、ス
ノータイヤ+チェーン程度の装備で北海道のアイスバーン道路を走るのは自殺行為です。
レスキュー用品
牽引ロープ
雪道でスタックした場合、一番簡単なのが遼車に牽引してもらうことです。シャクっての衝撃牽
引を行うのでワイヤーよりも4駆用の伸縮牽引ロープが便利です。シャックルも忘れないようにし
ましょう。基本的には同車格の車に引っ張って貰いましょう。例えばランクル同士、ランクルとサ
ファリと言うような組み合わせです。引っ張る方が軽いと二重スタックの危険性があります。
スノーヘルパー、スコップ、チェーン
左からスノーヘルパー(タイヤの下にひいて空転を防止するもの。北国では普通のカーショップ
やディスカウントショップに売っている)、脱出用スコップ、チェーンです。雪道ではスコップは
必須です。最後は人力で掘る!という場面は結構あるものです。
チェーンは除雪されている場所では外すので脱着の簡単なものが良いのですが、岩場がある場合
もあるのでゴムチェーンよりは単純なラダーチェーンの方をお薦めします。針金さえあればどうに
でもなるのが利点です。お金に余裕があれば横方向のトラクションも得られる亀甲チェーンが万全
です。4輪にチェーンを巻くと同じ車とは思えないほどの威力があります。
スノーヘルパーはスタッドレス用はプラスチックですが、猟に使う場合、ハードに使われることに
なるので鉄製の方が安心できます。プラスチックのものは1冬でボロボロになり使い物にならなく
なってしまいます。
電動ウインチ
L/C77 with WARN XD9000
念願の電動ウィンチをL/C77に着けました。WARN XD9000という製品で12V仕様です。
私のL/C77は前後リーフの24V仕様なので片側バッテリーからの電源供給となります。
作業用ではなく、猟場での緊急脱出用ですから今後のことも考えて(車の買い替え等)
24Vではなく12Vにしたのです。この他スナッチブロック(滑車)や補助ロープ、ツリ
ープリテクタ等を合わせて用意しました。ちなみにウィンチベット等全て合わせて約
25万ほどかかっています。実際にウィンチがなければならないような状況は年数回ある
かなしかですが、あると便利ですし安心感がまるで違います。
また、他車のレスキューも容易になります。前後デフロックとウィンチでこれ以上は
簡単に望めないレベルになりました。(後は腕次第という声も・・・)
今回は4ナンバーにこだわったので4ナンバーサイズギリギリで搭載するようにしました。
そもそも77購入時にウィンチを着けなかったのは1ナンバーを嫌ったからでした。
後、予算が出来たら複数のスナッチブロックと補助ロープ、ワイヤ、ワイヤクリップ
等を用意したいと思っています。クロカンが目的ではないので脱出できれば良いんです。
スタックした時間は猟を行えないので時間が無駄になってしまいますから。また、谷か
らゲームを引き上げる時やゲームを吊るして解体する時にも活躍してもらうつもりです。
(まずはゲームをゲットしなければ)
猟服
厳冬用(左)、初猟用(右)
蝦夷鹿猟では絶対に目立つ服装をしましょう。ハンター同士が混みあう猟場で300mの距離で発砲することも珍しくない道東では忍び猟といえども迷彩服では自殺行為です。
私の場合、鹿初猟の頃にはキャンバス地のハンティングジャケットにオレンジのベストを羽織っています。このベストはL.L.Beanから個人輸入したものですが安くて便利です。
厳冬時には左側のシンサレートの入ったオレンジの迷彩ジャケットを着ます。だだし、勢子に入る場合にはこのジャケットだと暑くなるので着替えが必要です。
他ハンターによる誤射は実際に起こりえます、自分の身は自分で守る事が大切です。
下着関係は綿は避けましょう。汗をかいた場合、猛烈に冷えて体力が奪われます。ウールか化繊の汗
を排出する機能のある下着が必須です。(登山関係のショップに良いものがあります)
ガンブレラ
本猟期から銃袋の代わりとしてガンブレラ(銃口、ポート、弾倉、スコープレンズ部が開いている
迷彩の銃カバー)を使っています。銃口部はテープで閉鎖しているので銃袋として通用しますし、使う場合、最低限の部分のみオープンすればガンブレラ装着のまま銃を使うことができます。
緊急の場合、銃口のテープを外さずに発射することも問題ありません。
山の中を歩くと結構銃を木の枝やブッシュに引っ掛けてきずが入りますが、これの心配もありません。
銃が日光を反射することもありません。もともと私の銃はブラックマットなのであまりその心配は無いですが、最近のステンレス銃身では重宝するかも。
ただ、ガンブレラ装着時にボルト操作を行うと普通の状態ではボルトが引っかかってしまうので、ゴムバンド等でガンブレラを押さえて引っ掛かりを無くすようにしないと速射はできません。また、スコープレンズ部の覆い部分のゴムが弱いので別途強化しないとすぐにスコープが露出してきてしまいます。
金額的に20数ドル程度なので試してみるのも良いかも。
ナイフ
GERBER Bolt-Action Folding Hunter
(上)ハンドルがZytelで出来ているので解体時に脂でギトギトになってもお湯で洗えるのが便利。
通常は予備としてバックパックのポケットに入れています。
BUCK Zipper
(中)通常ベルトに吊っているメインのナイフ。安価でかつ使い易いので気に入っている。シースがプラスチックとバリスティックで構成されているので使用後にそのまましまっても帰ってからシース毎丸洗い出来るのが嬉しいところです。
BROWING Big Game Knife
(下)名前に惹かれて最初に買ったナイフ。1回使った後のメンテナンスが大変で、かつ手袋をした時に使いずらい感じがするので以降使っていません。しかし、構成はしっかりしているので好きなナイフではあります。
鳥猟用ナイフ
(左)Kershaw 散弾型ナイフ
散弾のシェルの形をしているので弾帯にそのままいれておける便利なナイフ。この大きさでもマガモまでなら十分使えます。(それ以上大きな鳥は獲ったことがない)鳥猟ではこのほかにRemingtonのuplandを使用しています。(写真無し)こちらはチョーク交換レンチがついているのでチョークを猟場で変える時に便利。
(右)散弾シェル型ライター
私は煙草を吸わないのでライターを持つ習慣が無い。このため、弾帯に入れておけるこのライターは至極便利(忘れない)なのです。
その他
解体用のナタ鋸セット
通常は車に積み、忍びの時に携帯する。解体用のナタと鋸のセット。ナイフだけでも解体は出来るがナタ等が有った方が簡単スピーディに出来ます。本当はもう少しナタが大きく重ければベストなのですが。ナタの替わりに、手斧やのこぎりを好む人もいます。
解体用ゴム手袋
解体時にはどうしても汚れるのでこの様な長めのゴム手袋が必要。このほかに軍手、漬け物用の
ビニール袋(丈夫でかつ食品用なので安全)、解体時に下に引くビニールシート等をひっくるめて
解体セットと呼んでいます。最近は油作業用のうすーいビニールの手袋(一見手術用っぽい)もの
も多く使います。手先の感覚がそのまま伝わるので便利です。使い捨てでも惜しくない値段ですし。
捕った獲物はすぐにビニール袋に入れるのではなく、血を吸収してくれる布袋に入れた方が肉の味
が落ちません。1人でかつ車で移動するなら獲物を木に吊るすハンガー等を持っていくと1人で解体
する時楽になります。肉も汚れずらいのであると便利です。(重いので忍びには向きません)
猟用スキー
猟用のスキーは裏にアザラシの毛皮(シール)が貼ってある太く短いスキー。歩きやすいために踵が上がる様に出来ています。壷足(何も履かない状態)では足が潜ってしまう時に使用します。シールが張ってあるためある程度の登りは直登可能。下りはテレマークターンの技術があればそのまま滑り下りる事も可。最近はスノーシューも良いと言う噂をよく聞きますがどうなんでしょうか?
蝦夷鹿猟の時期ではまだ雪が締まっていないのでカンジキはあまりお薦めではありません。
ロープ
登山用のロープが丈夫で使い易い。獲物を引き上げたり引っ張り降ろす等何かと便利。バックパックに入れておくほかに5m程度のロープをベルトの当たりに巻いておくと重宝します。
小物
ベッドライトは頭に付けて必要な場所を照らすことができます。猟は日没で終わりですが、下山解体時に暗くなることもありますし、両手が空くのは便利です。
水筒は暖かいココアなどを入れておくと安心します。ビニールパック入りのスポーツ飲料は軽いので勢子の時に携行すると楽です。
爆竹は勢子の時に使用することがあります。入林許可も必帯です。このほかに所持許可証、狩猟登録を忘れてはいけません。他に必要なものとしては磁石、地図等があります。
当然のことながら銃と弾も忘れずに。
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