常設展示室に入ると、檜の薫りであろうか、古典を上演する劇場のような、しっとりした良い香りが漂ってくる。入ってすぐ日本橋の復元があり、これを渡ると「江戸ゾーン」という江戸の文化や生活等を紹介しているコーナーにいける。さっきの良い香りは、どうやらこの日本橋の匂いのようである。 早速江戸ゾーンを観覧。ゆっくり見ようと思っていたのだが、うかうかしていると、後ろから次々に修学旅行生がやってくる。さすがに元気のいいのもいて、どんどん抜かされていく。中にはやっぱり疲労困憊しているものもいて、ソファーでぐったり寝ている中学生もいる。もちろん僕はそんな子供には目もくれず観覧を続行。 実は今回ゆっくり見過ぎて3つの「ゾーン」のうち最初の「江戸ゾーン」しか見ることができなかったことを白状しておく。残りの2つの「通史ゾーン」「東京ゾーン」については、また機会があれば言及したい。その前に見に行かなくちゃダメであるが。
ここで断わっておくが、このページも景気づけに館内の展示物を写した写真をのせようと思っていたが、それは無い。
僕はというと、ちょっと話はそれるが、常設展示室では無く、「映像ライブラリー」というビデオルームがあって、江戸に関する各種のビデオを無料で観覧できる場所があり、別な機会に、そこでデジカメ写真を撮ろうとしていた。 しかし一枚撮るや否や、お姉ちゃんがエイトマンのような(例え、古〜)素早さで飛んできて、冷ややかな口調で「写真は御遠慮願います。何かシステムに関することでしょうか?」と詰問してきた。
恐かった・・・。よくよく見たら、観覧するボックス席の上方にちゃんと監視カメラが「いつでも来い!」という感じで光っているではないか。失敗・・・。 というわけで、館内の展示物の写真は一切無い。ま、それもなんなので、美しい女性の写真でものせておく。いや違った・・・えーと、その時撮った唯一の写真を載せておく。
「映像ライブラリー」の話が出たので、ちょっと触れとくと、ここは先程も述べたように、江戸・東京の歴史に関するいろいろなビデオを無料で観覧できる場所である。
さて、また常設展示室の話に戻る。中学生をはじめ、多様な人が訪れているが、ちょうど僕と歩調を併せるような感じで、老人達にガイドをしている若い娘さんがいた。大学で専門の勉強でもしたのであろうか、結構僕にも耳寄りな話をしていて、思わず聞き入ってしまいそうになる。しかしあまりやりすぎるとストーカーのように思われそうなので、やむを得ず少し距離を置く。
その他にも発音はちょっとお世辞にもうまいとはいえないが、元気なドイツ語風英語をあやつって、外人にガイドしているサラリーマン風のおっさんがいた。このドイツ英語おじさんは、パンフレットを見ると、どうやら外人向けのボランティアのガイドさんらしい。なんだ、そうか!僕も美しい女性のガイドを頼めば良かった(・・・と、ここでも妄想は止まないね、この人は)。
そうそう、コンパニオンといえば、いない訳では無い。黄色の制服を着たお姉ちゃんが受付けや案内係にちゃんといるのである。時間制で展示物の説明をやってくれていたりもする。 その間の時間つぶしと見回りを兼ねていたのかわからぬが、制服のお姉ちゃんが手持ち無沙汰そうに後ろに手を組んで我々と同じようにブラブラと展示物を見ていた。このお姉ちゃんが丸顔でポチャっとして好みのタイプだったので、何とかならないかとも思ったが、もちろん何ともならなかった。
ところで江戸であるが、歴史でも習ったかと思うが、徳川家康が幕府を開いてから、徐々に発展をし世界有数の大都市にまで成長した。
幕府が開かれた1603年から1638年くらいまでで、一応新興都市としての江戸の城下町が完成したそうである。大体35年位かかって「ニューシティ江戸」が完成された。
江戸時代には参勤交代の制度があったのであるが、諸国大名は相当これを嫌がっていたことと推察される。
ところでこの参勤交代で江戸に来ていた武士の内、藩主が帰るまで一緒に江戸の藩邸に勤務しているものを「江戸詰」というそうだが、この江戸詰武士の江戸での勤務というのが何とも興味深い。
でもそれにしても現代のあくせくした社会生活を強いられているお父さん達にはもしかしたら、この参勤の武士の生活は今では夢のようなものなのかもしれない。
さて、ここらで写真は無い展示物にも目を向けてみたいが、まず目に入ったのが、江戸時代の貿易で使用していたらしい、英語の単語の虎の巻のようなもの。
今も同じだな、と思ったのが、当時の大店である三井越後屋の模型。
なかなかいい感じだったのが、両国の橋詰めあたりの模型。
「江戸ゾーン」に入ってから半分くらいで、何と2時間が過ぎているのがわかった。
ただありがたかったのが、公式ガイドブックと館内の資料を網羅した「図表で見る江戸東京の世界」という本が、館内の売店で販売されているので、僕のように後半すっとばして見てしまった人、江戸のことを勉強してみたい人などには、これは助かることでしょう。 |