(江戸東京博物館潜入記) |
![]() かくいう僕も「江戸」はマイブームの一つである。別にブームに乗っかっているつもりは無かったが、気付いたらそういうことになっていた。 まあ僕としては、ここ数年近代都市のルーツとしての「江戸」に興味惹かれるものがあった。 よくあるように江戸の文化を嗜好しているというわけでは無いので、服を江戸調にしたり、江戸風の小物を使用したり、今はそういったことをするまでには至っていない。ましてや今さらちょんまげを結ってみたかった、などと思ったわけでも無い。当たり前か。
要するに文化そのものよりも、それに携わった人々の意識の方に興味がある。 偉そうに述べているが、ま、それはそれとして、なぜ「江戸」なのか?なぜ「鎌倉」ではないのか?「室町」の立場は?・・・、ま、ちょっと長くなりそうなので、なぜ「江戸」なのかということについては、ここでは割愛させていただくことにする(じゃ言うなよ!)。
そんなわけで(どんなわけだ?)とある土曜日、一度行ってみたいと思っていた両国の江戸東京博物館に、ついに行って参りました。 さて、両国の、という位なので、もちろん両国にそれは存在しているわけであるが、両国と言えば、まず代表的な建造物として国技館を思い浮かべる人が多かろう。
片や江戸博(略してそういう呼称で呼ぶらしい。以下私も「江戸博」という呼称を使用させていただく)は?・・・これも両国駅からすぐの所にある。なんと恐れ多くも国技館の裏にあるのである。両国を代表する建造物国技館の裏手にあるので、ひっそり江戸の情緒を醸し出しつつ佇んでいると思いきや、あんた、全然そうではないのである。
余談であるが、駅から江戸博までの通路のコンクリートの壁に、集団系オートバイ系オーバースピード系の方々のアート作品(?)が、展示(?)されている。おそらく深夜作業でなされたことと思われ、その切は大変お疲れ様でした、という感じであるが、見るとおそらく自分のグループ名の宣言であるかと思われるが、私はその内容よりも書体の方に心奪われるものがあった。
何はともあれ、早速入場することにする。
江戸博の建物は、高床式の「倉」をイメージして建てられたそうである。全体は7階建てで、1・2階は土台部分といった感じで、4階以上が高床の床上の部分にあたっている。3階の柱の部分の空間は「江戸東京ひろば」と称して広いスペースになっている。 常設展示室は5・6階にあり、3階の「江戸東京ひろば」からエスカレーターで行け、と案内版に書いてある。3階までは普通に階段でも行けるが、「動く歩道」が用意されているので、せっかくだから、それに乗ることにする。 土曜日ではあるが、それ程混んでいるという感じは無い。老夫婦と外人がやけに目につく。
ゆっくりとした動く歩道をのぼり切ると3階の「江戸東京ひろば」に着いた。 「江戸東京ひろば」というので、最初、屋台や見せ物小屋等の展示がなされ、賑わっていると思いきや、そこはガランとした、本当に文字どおり只の「ひろば」なのである。
今日は、たまたまだったのか、催しの「も」の字もやっていない。ガランとしたスペースが寒々しく侘びしい。このスペース「無駄」のような気もしないでもない。
そういえば、この「江戸博」、以前都政の税金の無駄使いの汚点、みたいなことを言われていたような気もする。
またまた余談であるが、「江戸東京ひろば」の写真が、このページにあると思うが、ちょっとそれを見ていただきたい。
何を言い出すかと思ったら、トイレかよ、とお怒りの方もいらっしゃるとは思うが、まあ聞いていただきたい。
![]() 江戸東京ひろばの自動販売機で、常設展示場の入場券を購入する。綺麗なお姉ちゃんが切符を販売している窓口もあり、僕としては是が非でもそちらを利用したかったが、老婆のグループが何やら噛み付くように窓口に殺到していたので、やむなくこの試みは断念する。大人1枚600円。 切符売り場脇の休憩所では、両国らしく、若い力士と見られるお兄さんが、数人たむろしている。まだ髷を結えるまでにはいってないので、半ばロンゲ風になっている。何やらこれからナンパでも始めそうな怪し気な相談をしているかにも見える。 更に僕と時を同じくして修学旅行の中学生らしき団体が来たようである。パラパラと動く歩道から学生服をきた少年少女達がやってくる。僕もいよいよ常設展示室へのエスカレーターを上ることにする。
僕の前に女子中学生の6人組がエスカレーターに乗った。
どうやら相当疲れているようなのである。修学旅行のスケジュールが、彼女達のパワーの限界を超えるハードなものであったことが伺える。
まあ、彼女達の心中わからないでもない。この年齢で江戸に興味を持てと言われても、それは土台無理な話なのかもしれない。かくいう僕も江戸に興味を持ち出したのは、青年(中年?)になってからである。
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