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 Chapter 38 共催も続く……(未定稿)

38−1 下見をしなくては…


 手賀の丘少年自然の家との共催企画も,忘れてはいけない。
 この共催観察会の企画内容については,ほとんど,交渉窓口となる学芸員に一任状態で,あまり口出ししていないのだが,2005年度は,「鳥」に絡む観察会だけを共催にし,「ホタル観察会」などは,手賀の丘の単独企画と言うことで,実施されている。秋冬の,鳥の多いシーズンは,鳥の博物館のスタッフの出番だ。

 秋の共催企画は,手賀の丘の谷津田を舞台に,秋の自然と野鳥の観察。
 タイトルは「秋の里山にふれよう」
 開催日は10月15日。

 鳥の観察が絡むとは言え,植物でも昆虫でも,見つかるものは拒まず,の観察会。我々の得意とするところだ。

 今年はこちらも,「市民スタッフ」が動き始めているので,下見会をしておきたいところ。ところが,その日程調整に手間取り,手賀の丘少年自然の家の施設ボランティアの都合により,10月8日の「てがたん」が終わった後,その日の午後に……。この日の午後は,「友の会」の役員会もあるので,友の会の役員会と掛け持ちの市民スタッフは,私を除いて,下見は欠席。他の市民スタッフも,直前にメールで呼びかけただけなので,集まらない……。結局,私と斉藤さんの2人で,手賀の丘に向かった。

38−2 また初顔合わせ


 下見会の前に,手賀の丘少年自然の家で,ざっと,集まった人たちの顔合わせ。……誰も見覚えのある顔がいない。少年自然の家の担当者も,また交代したとのこと。施設ボランティアも,けっこう登録数が多いらしく,とりあえず植物に興味があると言う人が来ているらしいが……。

 観察コースは,以前,春の谷津田の観察会で使ったコースと同じ。季節を変えて同じ場所を見ているので,個人的には結構面白い。テーマになりそうなもの,小ネタになりそうなものを,あれこれピックアップして観察。「下見会」と言いながら,ほとんど,観察会のノリだ。木の実,草の実が面白い。カラスウリやアオツヅラフジなど,種子の形が面白いので,良いテーマになる。有毒なものでない限り,実を味わってみるのも面白い。特にムクノキは,この時期のおすすめ。甘味が強く,干しブドウか干し柿のような風味がする。
 冬を控えた虫たちの最後の活動振りも,良いテーマになりそうだ。

38−3 プログラムはバス次第?


 観察会当日。鳥の博物館で予約した人たちは,手賀の丘少年自然の家のバスで現地に向かうので,博物館駐車場に朝9時集合。バスの運行の都合で,バス運転手は規則上,昼休みをきちんと取らないといけないので,11時半には観察会を終わらせ,再びバスで鳥の博物館に帰る。
 正味2時間だ。

 手賀の丘少年自然の家に申し込んだ人を合わせて,参加者は約40人。こちらは学芸員+市民スタッフで,8人。我々だけで観察会を切り盛りできる人数比だ。

38−4 「あちら流」と「こちら流」


 9時半に参加受付。4グループに分ける。そして,芝生広場で「はじめの会」。
 所長挨拶,注意事項の説明など,マイクを使って説明。……なにやら,学校の朝礼のようだ。後で聞いたら,少年自然の家の職員には,学校教諭経験者が少なくないそうで,妙に納得。
 配られたパンフレットは,施設ボランティアの人が中心になってまとめたものだそうだ。結構分厚い。中身は,現地の地図と,今日の観察テーマに合わせて,あちこちの資料からコピーして寄せ集めた資料集。観察会のためにオリジナルの文章や図版を用意したものでは無さそうだ。昔,学校の社会科見学なんかでも,似たような雰囲気の「しおり」を手にしたような記憶が甦る。これに加え,鳥の博物館からの観察資料を……と言いたいところだが,斉藤さんが用意したものは,遊び心の入った「指令書」。要は観察チェックシートなのだが,これ1枚で「現場で観察しながら使えること」「ちょっとした遊び心のある演出」と言う,我々の観察会のポリシーを反映しているところが,さすがだ。「学校教育」っぽくないことも,鳥の博物館らしさだ。

 観察案内が始まれば,もう,自分たちのペースだ。見せ方,教え方についても,「遊び」の要素を取り入れた,リラックスした雰囲気の中で,いつもの「てがたん」と変わらない空気を作っている。

 「てがたん」と言う,定例の自然観察イベントを持っていて,本当に良かったと思う。今日,観察案内を担当している学芸員も,市民スタッフも,本当に楽しそうに自然を観察し,自然を語っている。「てがたん」の経験が,役に立っているなと感じる。

 自然観察案内の楽しさや興味深さを決定付けるのは,案内役の知識の量ではない。もし,観察案内中分からないことがあったら,それが得意な仲間に聞けば済むのだし,我々スタッフの中では,そう言う連携もしっかり取れているので,「自分の分からないことを聞かれたらどうしよう」と言う不安も少ない。……もっとも,分からないことは,恥ずかしがらずに「分かりません」と言ってしまえば良いのであって,質問者と一緒に図鑑を広げて調べてみたり,新たなコミュニケーションにも展開できるのだから,一番大事なのは,対話であり,コミュニケーションなのだと思う。こう言う観察会は,参加者の興味をいかに引き出し,持続させるかが,自然解説の印象を大きく左右するのだ。

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