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 Chapter 34 夏休みは博物館で(未定稿)

34−1 充実!夏休み館内イベント


 2005年の夏休みは,昨年よりさらに,館内イベントが充実してきた。
 夏休み時期の屋外イベントは,7月末の「セミの羽化観察会」と定例の「てがたん」しか用意していなかった。夏の暑い時期の屋外イベントは暑くて大変だし……。
 一方,冷房の効いた館内でのイベントは,新たに広い場所を得た「体験学習室」(=多目的ホール)を使い,嘱託学芸員の2人を中心に企画を進め,イベント本数を着実に増やしていった。この夏の「日替わり科学工作」は前年度よりさらに増えて,8種類。これを,7,8月の土日に開催する。それと並行し,常設で「紙皿で作るケツァールの工作キット」を用意。
 さらに,市民スタッフの森元さんの企画で,「鳥の絵の貝合わせ」作り,ストーンペインティングなどのイベントを投入。森元さんの,イラストレーターとしての才能を活かした企画だ。こうやって,いろいろな個性を持った市民スタッフが主導して,博物館のイベント事業が広がってゆく形は,私が市民スタッフ制度に期待した通りの展開だ。新しいことが,少しずつ増えてゆくのは嬉しいことだ。そして,それぞれのイベントに,助っ人となる市民スタッフが数人ずつ,参加している。
 企画力があって,引っ張ってゆく人,手伝いや支援をしながら,自分の楽しみとして,さまざまな経験を積み重ねてゆく人……いろいろな形で,博物館の活動を支援する市民スタッフのスタイルが,少しずつ,まとまってきた。

34−2 屋外イベントは1勝1敗


 8月の第一土曜日の午前中,第2回目の「市民スタッフ研修」を行った。
 テーマは,「子どもと観察会」。観察会で,子どもを「お荷物」にさせない方法や,親子で遊べる観察会とはどんなものか?子どもが観察会に参加したときの安全管理は?と言った話題でフリートーク。それが終わったら,「てがたん」の下見会。夏休み中の「てがたん」は,8月の1回だけ。しかも,お盆時期に近いので,どのぐらいの参加者が集まるか,想像がつかない。虫の観察が多くなる季節だから,子ども対応を意識して,計画してみた。
 しかし,本番の第二土曜日の朝は雨。斉藤さんが,早々に中止宣言を出す。
 「てがたん」開始時刻には,天気も回復してきたのだが,足元の状態も悪いので,中止を撤回するには至らなかった。これで,この夏休みに実施した自然観察イベントは,7月末の「セミの羽化」1つだけとなった。

34−3 自由研究も応援します


 8月も半ばを過ぎると,子ども達の様子も,夏休み前半とは違った雰囲気になってくる。家族旅行などの大イベントが終わってしまって,残った休みを持て余し気味に,博物館で遊んでいる子もいれば,自由研究の資料を探しに,ノートを抱えて博物館に来る子もいる。
 この時期になると,自由研究絡みの相談も,博物館に寄せられる。たまたま私が博物館にいるときに,そういう相談に出会った。そのひとつは,鳥の羽を拾い集めて,標本にして,どんな鳥のどの部分の羽か同定し,羽の役割について調べる自由研究があった。これは資料も多いし,鳥の知識が豊富なスタッフも多いので,予定した以上に情報が得られたようだ。
 鳥以外の話も来た。手賀沼周辺の植物調査。植物標本=押し花の同定作業だ。私も含め,3,4人集まって,ああでもない,こうでもないと論議しつつ,何とか全ての標本の名前が判明した。

 こうした博物館の利用は,決して迷惑なことではなく,むしろ歓迎すべきことなので,ぜひ,大いに利用してみては,いかがだろうか。鳥の博物館も,看板こそ「鳥」ではあるが,鳥だけをテーマにしているわけではない。鳥の生きざま,鳥が住むための環境など,鳥の生存に欠かせない,さまざまな自然にも目を向けるべきだし,この我孫子と言う場所に立地することを活かした,地域の「自然史博物館」的な展開も期待される。観察会事業も,その一環である。今,博物館は,地域の自然情報の収集,発信基地として,一回りも二回りも,大きく発展してゆくために動き出したところなのだ。そして,自然環境を語る上で,ひとつのキーになるのが,生態的上位にいる「鳥」なのである。

 もちろん,自由研究の製作のためだけではなく,学校の休みではない時期の,「しらべ学習」や「環境学習」への対応も,博物館では準備している。理科の授業や,総合的な学習の時間などに,大いに活用してもらいたい。

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