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 Chapter 23 友の会展,ジャパンバードフェスティバル(未定稿)

23−1 はじめての「職員外企画」


 2004年秋の,鳥の博物館の活動を語るには,このエポックは外せない。
 「友の会展」が,初めて実現したのだ。

 「鳥の博物館友の会」は,2001年に組織された。時田さんの話によれば,「友の会」は,博物館を利用しながら活動し,会員の親睦を深める目的のほか,博物館の活動にも支援を頂いて,共存共栄を図ってゆくような方向で考えていたらしい。「友の会」はもちろん,任意の集まりで,役所の組織ではない。博物館は,入館料免除と溜まり場の提供をしているが,友の会の運用自体は,メンバーの会費によって賄われている。
 しかし実際には,野鳥愛好サークルのような形となった。内輪での探鳥会やセミナー,写真をやる人の同好会や,鳥凧,鳥の絵などの同好会が内部に発足したり,活発な活動をしているが,博物館に還元される活動が,思惑ほど盛り上がらなかったのだ。また,活動している人の年齢層が非常に高かったり,地元に昔からある「我孫子野鳥を守る会」にも所属している人が多く,「友の会」の位置付けが,ちょっと難しくなった。

 たまたま,私は別の理由で「友の会」の会費を払っていた。子連れで博物館に通う頻度が高いので,親だけ毎回,入館料300円を取られるのは,いまいましい(我孫子の小中学生には,毎月1枚,博物館の無料入館券が配られている)。もちろん,時田さんたちとのお付き合いの意味もあって,友の会に入っているのでもあるが……。時田さんは,そこに目をつけて,私を観察会の講師にすれば,「友の会」の博物館への協力体制の整備にも役立つのではないか?と言う読みもあったに違いない。ともあれ,博物館の活動に,「友の会」の名前が出る頻度は上がった。

 そして,「友の会展」の企画だ。

 企画展用の展示室を,友の会に任せてしまう。内容は,普段の友の会の活動の産物(写真,絵,鳥凧など)の展示や,活動紹介パネル,会員の「鳥」関係のコレクションの紹介などが中心だ。学術的な展示とはひと味違った,「等身大」の企画展示となった。この企画展開催中には,「鳥凧教室」「デジスコ体験会」など,イベント企画もあり,企画を盛り上げる。
 また,「友の会展」の会期中に,「ジャパンバードフェスティバル」も開催される。

23−2 企画展最終週


 「第1回友の会展」の最終週。この土日に,「ジャパンバードフェスティバル」(JBF)が開催される。JBFは,2001年に第1回が催された,比較的新しいイベントだ。それ以前は,バードカービングの全国大会が我孫子で11月に開催されていた経緯もあり,これを取り込んだんだ形で一気に規模を拡大し,「鳥」にまつわる,あらゆるジャンルを網羅した大イベントに仕立て上げた。「人と鳥が共生するまちづくり」を謳う我孫子市を代表する,全国規模のイベントとなっている。
 JBF開催日には,博物館は無料開放されている。確かに,いつもの週末よりは入館者数は遥かに多いが,展示物が見えなくなるような混雑も無く,外のイベント会場に比べると,静かなものだ。2004年のJBFの来訪者数は,概算で55000人。博物館には,その1割も来ていないのではないだろうか。スタンプラリーのために,ちょこっとだけ入館する人も少なくない。これを「多い」と言うべきか,「少ない」と言うべきか……。

 来館者数の多い少ないはともかくとして,この日には,初めて鳥の博物館を見学する来訪者も多い。始めて訪れる人に,博物館や「友の会」をアピールする絶好のチャンスだと考えるべきかも知れない。
 ところが,残念なことに,担当者も忙しい。博物館の学芸員は,主催者として,あちこち飛び回っている。「友の会」のメンバーも,実は「我孫子野鳥を守る会」にも加入している人が多いので,主力はそちらに取られている。せっかく展示があり,人がたくさん来ても,応対の人手が足りない。ちょっと勿体無い気もする。

 そのとき,私はどうしていたか?
 野鳥の会の某支部のブースを手伝いつつ,そこで,私の監修した子ども向け図鑑を,販売させて頂いたのである(少しだけ割引価格で…)。著者が「売り子」やって,欲しい人にはサインまで書いて,なんか,手作り感覚……。このブースでは,販売物のほか,子ども向けのイベントも用意してあり,なかなか好評だった。JBFの最後には,優秀ブース賞の「バン賞」まで頂いたのだから,たいしたものだ。
 結局,博物館については,私は直接的に関与することは無く,会場で,遠方知から来たり合いに合うたびに,ちょこっと館内を案内をするぐらいで,お茶を濁していた。
 つまり,私も,博物館のことをほったらかしていたのだ。


 もう少し,博物館を盛り上げる企画,出来ないかな。

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