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 Chapter 22 雨ニハ勝テズ(未定稿)

22−1 ダブルブッキング,トリプルブッキング


 10月第2週の,体育の日を含む3連休は,盛りだくさんの予定だ。9日(土)は第二土曜なので,定例の「てがたん」,11日(祝)は手賀の丘少年自然の家と鳥の博物館の共催で,秋の里山観察会が,対岸の手賀の丘を舞台に,予定されている。

 しかし,私は博物館以外の用事も入っていた。9日と10日は「つくば科学フェスティバル」。小学生〜高校生をメインターゲットにした科学イベントで,私の職場も出展予定しているので,休日返上でブース担当要員の動員がある。さらに,11日にはTVのロケ予定も入っている。そしてさらに困ったことに,関西のラジオ局から,コメンテーターとして電話で生出演の依頼が,連休直前に舞い込んだ。放送時間は11日朝。あちゃー。この時間はロケ地に向かって移動中だ。丁重に辞退させていただく。関西の超有名落語家とおしゃべり出来るチャンスだったのに…。
 最終的に,「つくば科学フェスティバル」の動員予定を,10日午前にしてもらって,11日は手賀の丘での観察会のほうをキャンセルして,とりあえず,予定を調整した。
 ……がしかし,

  台風接近。

……と言うことで,9日の「てがたん」はあっさりと中止。この日,関東地方は暴風雨となり,「つくば科学フェスティバル」も,この日は中止となっていた。「てがたん」は,毎月,パンフレットを作っているので,悪天候で中止になると,せっかくの努力が,丸々無駄になってしまう。これはもったいない。天気には勝てないのは分かったいるのだし,何か,無駄にならないような工夫は無いものか……。

 翌10日も,風と小雨の残る朝。台風で1日目が中止になってしまった「つくば科学フェスティバル」は,例年に無い大混雑。うちの研究所のブースに長い行列が出来るのを初めて見た(……これだけ事情を知っているのも,ほぼ毎年,動員されているためだ……いまどきの研究者には,こういう普及活動に興味を持ってくれる人がいないので,結局,動員実績のある私にお役目が回ってくる確率が高い)。

 11日は,雨はほとんど降らなかったものの,「台風一過の好天」と言う状況でもなかった。……もっとも,私はTVロケのため,朝から多摩ニュータウンに行っていたので,手賀の丘の天候については把握していないが,結局,雨がたくさん降った関係もあって,観察路がぬかるみになってしまい,観察会を中止した,と言うことを,後日,聞いた。
 晴れ間の出なかった日だったが,とりあえず雨もほとんど降らず,TVの収録のほうは何とか終えることが出来た。この番組では,私は,「自然観察を楽しむ散歩道」の紹介をしているので,いつもの自然観察会と大差の無い内容を喋っている。お散歩コースもストーリーも,ほとんど私のアイデアだし,観察ネタに関しては,100%,私の企画+現地の出たとこ勝負なので,観察会を作っている感覚に近い。ただ,喋る相手が担当スタッフとカメラになので,いつもの観察会のように,聞き手のリアクションを取りながら話を展開するようなことは出来ない。そういう意味では,観察会よりも喋りにくいかも知れない。
 毎度のことだが,朝から夕方まで,丸1日ロケして,合計3時間ぐらいテープを回して収録し,オンエアが正味10分半。すごく丁寧な作りに感心させられるが,切り捨てられてしまう言葉のほうが多いので,毎度,伝えたいことが上手く伝わるかどうか,心配になる。とりあえず,自然解説に間違いが無いかどうかは,毎回,丁寧にチェックしている。番組では職業上の肩書きを出していなくても,生物系の「プロ」として,きちんとやっておきたい部分である。オンエアは10月末の予定(注:その後,新潟県中越地震の報道のため,1週間オンエアが遅れた)。

 結局のところ,この3連休は,

[ダブルブッキング]+[トリプルブッキング]−[台風]=[自分の用事だけ当初の予定通り]

 …と言う結果に終わった。
 鳥の博物館関係のことは,何もやらなかったわけだ。

 観察会は,雨には勝てない。まして台風には……。

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