白村江創作ノート04

2017年1月

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01/01/日
2017年になった。例年と同じように浜松の仕事場で新年を迎える。孫たちは紅白歌合戦を見てから除夜の鐘を撞きに気賀の寺に行った。寝るのが遅かったので朝もゆっくりしている。いつものことなので、仕事をしながら待つうちに全員が起きてきた。いつもと同じお節のセット。朝からホットウイスキーを飲む。孫に百人一首を教え、あとは仕事をしたり、一人で散歩したり。夕食はスキヤキ。孫は松阪肉をよく食べる。この仕事場にはわりと低い位置に梁が出ている。自分の子ども2人は幼いころ、その梁に乗って遊んでいたのだが、今年初めて、孫たちが梁に乗ることを覚えた。ちょっとはらはらするのだが、この仕事場の楽しみの一つだ。4章に入っている。ここからは展開をスピードアップしたい。冒頭に金春秋の話が出てくる。2章にかなりの枚数で金春秋が登場しているので、読者はついてきてくれると思うのだが、あとで読み返して調整したい。白村江の戦いについてはテンポを損なわない範囲でじっくり書き込んでいきたい。まだしばらくは仕事場にいるのだが、椅子の高さのせいか腰が痛い。今日、散歩すると少し楽になった。明日も散歩しよう。

01/02/月
正月2日目。毎年2日には別荘地の管理棟の前でもちつきがある。地元の人たちがもちを配ってくれる。全員で列に並んでもちを受け取る。きなこをまぶしたもち、アンコの入ったもちなど、ありがたいことだ。昔はふるまい酒もあったのだが、ずっと前になくなった。いまはあまり人が集まらなくなった。この別荘地が開設されてからたぶん36年だ。オープン当初に土地を買って、1年後に仕事場が完成した。バブル経済がまだ上昇していた時期だった。別荘地の価格も急騰した。オープンの時点で買ったのでトクをしたような気分になったが、いまは二束三文になっている。車があれば浜松まで30分で行けるので、別荘ではなく定住している人も多い。だから正月のもちに反応する人も少なくなったのだろう。われわれは次男一家といっしょに生活できるのは正月くらいのものなので、この期間を大切にしている。この仕事を建ててくれた大工さんは、みかん農家の息子で、定年後はみかんを育てている。毎年、この時期にみかんをとらせてもらっている。わたしだけ仕事場に残って仕事をする。箱根駅伝が終わったので、試みにギターを出して歌を歌ってみた。咳き込まなくなった。まだベストの状態ではないが、少しは回復したようだ。中大兄の一行は九州に到着した。白村江は目前だ。わたしの小説では未来を予知できる女たちが登場する。まずは中大兄の妹の間人皇女。禁忌を犯して同母妹を愛人にしている。もう一人は額田女王。ずっと以前から、額田女王をヒロインした作品を構想していたのだが、企画がボツになっていた。主人公を天智天皇に変えたらOKになった。書いてみて、男を主人公にしてよかったと思う。女を主人公にするとメロメロのロマンスになってしまう。男が主人公だと政治的な話が中心になるのだが、それでも女も出てくるので、政事とロマンとがほどよくミックスされる感じがする。

01/03/火
正月3日目。テレビで箱根駅伝を見る。早稲田は3位。まあ、よくがんばった。孫たちは別荘内にあるパターゴルフ。自分の子どもが小さかったころはわたしもやったことがある。孫になってからは参加しない。散歩に行って、近くを通ると孫の声が聞こえた。孫の次男の方はまだ幼稚園だが、よくしゃべる。その子の声だけが周囲に響いていた。白村江の直前。うまくいっている。日本書紀の記述は少ないのでこのあたりはほとんどがフィクションとして展開していく。夕方、孫に百人一首を教える。一枚一枚、意味を教え、とり方のコツを教える。「あまのはら」なら「みかさのやま」、「あわじしま」なら「いくよねざめぬ」といったふうに。これで60枚教えた。そこで60枚でカルタとりをする。大人も参加。次男(わたしの次男)はほぼすべてを暗記している。わたしは小説で書いた人物(在原業平、菅原道真、西行など)だけは必死でとる。孫たちもかなりとれるようになった。次男夫婦と妻、わたしと孫2人という連合軍で数を競ったらわれわれが勝った。

01/04/水
この仕事場は崖の上に位置していて、崖の両側の斜面に木が生えている。浜名湖に面した側にミカンの木が何本か あって実っている。3月くらいに収穫するとよい品種だそうだが、3月に来られるかどうかわからないし、熟すと鳥に食べられてしまうので、孫たちがとってくれた。大収穫。それから孫たちは豊橋へ。わが次男だけ四日市に帰る。嫁さんと孫はあと2日ほどこちらにいるそうだ。豊橋にはトラムが走っている。孫2人が乗っている写真がラインで送られてきた。豊橋からは名鉄・近鉄で、四日市まではわりと近いので、のんびり豊橋で遊んでいるようだ。こちらは白村江の戦い。白村江の海が赤い血で染まる。美しい光景だ。白村江という地名も麗しい。本作品の山場だが、肝心の主人公がその場にいないのでコンパクトに展開していく。仕事場に来てから1週間経過したが、順調に仕事ができている。本日は風が強い。散歩で猪鼻湖に行くと台風みたいに白波が立っていた。この湖で犬を泳がせた記憶が甦った。犬がいたのは14年前のことだが、つい昨日のことのように記憶が甦る。この仕事場を建てた時、次男は幼稚園だった。そのころの次男の姿も、つい昨日のことのように甦る。次男の次男がちょうど同じ年頃。次男は無口だったが、次男の次男はよくしゃべる。そこが何ともおかしい。

01/05/木
孫たちは豊橋の動植物園に行った。平和な一日。夕食のあとも妻がタブレットでアニメを見せたので、平和な時間が続いた。白村江の戦いがほぼ終わった。ここが作品の山場だと思っていたが、コンパクトに通過できた。全体の枚数の問題もおるので、くどい描写は避けてテンポよく語ることにした。いい感じで進んできたと思う。最終章の半分くらいまできた。あとはエピローグふうの展開になるが、まだ鎌足の子息の定恵の登場など、山場はいくつかある。しかし小さな山場なので、ここからはエンディングに向けて、しだいに収束していくことになる。まだプリントにして読み返さないと、これでいいかどうかわからない。入試の待機が何回もあるので、その時間に集中的に読み込んでチェックしたい。1月は大学の雑用がたくさんあるので、授業が始まれば多忙になる。しかしここまでしっかり書けているので、もう大丈夫だという気がする。

01/06/金
本日は孫たちが帰る日。昼食になじみの西気賀のレストラン。いつもはわたしと妻と、必ず同じものを注文するのに、今回は孫たちがさまざまな料理を注文したので、オーナーシェフがてんてこまいだった。レストランの前で別れたのだが、東名の入口手前にあるガソリンスタンドに給油に行ったので、結局、東名入口まで見送ったことになる。仕事に帰ると、静かで、しんとしている。孫がいる間は騒音に悩まされるのだが、こんなに静かだと寂しくなる。明日はわれわれも東京に帰る。白村江はページ数が残り少なくなった。ここからは一つ一つの情報をコンパクトに語っていかなければならない。

01/07/土
朝から快晴。蒲団を干してから仕事場を出発。三ヶ日インターから第2東名に行くにはしばらく旧東名を西向きに走らないといけないので遠回りになるので、最近は下の道を浜松SAまで行ってから入るようにしている。途中でオレンジという百均ショップに寄る。静岡県でしか見かけない店だ。高速に入って最初のPAの森パーキングで昼食。ここには和食の店しかなく、メニューのほとんどが「とろろ」という店だ。わたしは粘っているものが嫌いで、モロヘイアとか、そういったものが苦手だ。ようやく「とろろ」のないものが見つかった。よかった。沼津で休んでソフトクリームを食べる。海老名で休んで夕食の弁当と夜食のパンを買う。今日から深夜にも仕事をしたい。とはいえ明日は早朝からFootballがある。明後日はもっとひどい。夜中の3時からFootballだ。どうやって見ればいいのか。とにかく今月はFootballを中心に回転していくことになる。明日はテキサンズ対レイダーズ。どちらもQBがいない。テキサンズのオズワイラーは不調でベンチに下げられていたのだが、代わりのQBもダメで、先発に戻るようだ。レイダーズは大活躍のカーが骨折して、2番手QBも負傷して、初先発の新人が出場するらしい。プレーオフで新人が初先発というのは前例がないとのこと。これではテキサンズが有利だろう。シーホークス対ライオンズは、ライオンズのQBが指を負傷している。シーホークスのウィルソンは足が本調子ではないようだ。まあ、シーホークスが勝つだろう。明後日のスティーラーズ対ドルフィンズはスティーラーズが圧勝する。ジャイアンツ対パッカーズは、イーライ・マニング対ロジャースというベテランQBの対決で、いい勝負になる。わたしとしてはジャイアンツに勝ってほしい。来週はカウボーイズ対ジャイアンツになるはずで、カウボーイズに2連勝しているジャイアンツに期待したい。ただし、ライオンズがシーホークスに勝てばカウボーイズにあたる。ジャイアンツの相手はファルコンズで、こちらの方が楽勝だ。スティーラーズ対チーフスはスティーラーズが勝つ。しかし結局、スーパーボウルはカウボーイズ対ペイトリオッツになるだろう。そうなったらカウボーイズを応援したい。

01/08/日
少し寝坊した。テレビをつけた時はもう10対0になっていた。初先発の新人QBにとってこの点差は挽回不能だ。それでもランとパスで2度タッチダウンに成功したのだが、相手に倍の点数をとられた。しかし相手のタッチダウンの中にはパントリターンの偶発的な得点もあったから、それを差し引くと1タッチダウン差なので、まあ惜敗といえるだろう。テキサンズのオズワイラーは危なげのないクォーターバッキングだった。今シーズンのスーパーボウルはテキサスなので、このまま勝ち上がれば地元がスーパーボウルに出場という歴史的快挙になる。ということで、次戦はペイトリオッツだ。がんばってほしい。もう一つの試合はシーホークスの圧勝。ランニングバックが弱いと言われていたので、今日はそのランニングバックが160ヤードも走った。リチャードソンの片手どりのパスキャッチもすごかった。ディフェンスにぶつかられて体が傾きながら、右手で相手のヘルメットを掴んで、左手を伸ばして落下寸前のボールを片手どりした。この試合、ライオンズが勝つとカウボーイズとの対戦になり、ジャイアンツにとっては楽な展開になるのだけれど、途中からそういうことは忘れていた。本日は短い雑用をいくつかやらないといけない。白村江はしばらくお休み。

01/09/月
朝3時に起きる。スティーラーズ快勝。引き続きジャイアンツ惨敗。結局ワイルドカードのプレーオフは、上位シードの地区優勝チームがすべて勝った。そのうち3試合は、相手チームのQBが負傷で出場できず、控えQBだったので、勝負にならなかった。唯一、正QBの対決となってパッカーズ対ジャイアンツは、前半はジャイアンツのペースに進んでいたのに、前半終了直前のロジャースのヘイルメアリーパス(運を天に任せた目標のないパス)をパッカーズがキャッチして、明暗が分かれた。後半はまったく勝負にならなかった。仕方がない。ロジャースは完璧だった。ジャイアンツのレシーバーはグリーンベイの寒さに手がかじかんでいたようだ。ということで、ジャイアンツは敗退したが、スティーラーズとシーホークスの次に進んだので、まだ楽しみが残った。この2チームが次も勝つことを祈る。パッカーズはカウボーイズとあたる。こちらはカウボーイズを応援したい。やはり新人QBと新人RBのコンビは魅力的だ。もう1つの試合はペイトリオッツ対テキサンズとなった。ペイトリオッツは嫌いなので(名前がいやだ)、テキサンズを応援したい。テキサンズがスーパーボウルに進むと、開催地の地元が出場するという空前の出来事となる。これは台風で被害を受けたニューオリンズ・セインツが優秀した時のような、お祭騒ぎになるだろう。ただし、少し調子を取り戻したとはいえ、QBのオズワイラーは、ペイトリオッツのブレイディーには太刀打ちできないだろう。スティーラーズのロスリスバーガーとチーフスのスミスはいい勝負だが、今シーズンはいつも最後には怪我をしていなくなるRBのベルが元気で、レシーバーのブラウンもいるスティーラーズが強いのではないかと思われる。シーホークスもファルコンズには勝つのではないか。カウボーイズ対パッカーズは、新人QBのプレスコットとベテランのロジャースの闘いで、いい勝負になる。悔しいからロジャースには負けてほしい。
明日は文藝家協会の新年会、明後日は大学の懇親会と、宴会が始まる。多忙な日々がまた戻ってくる。本日は雑文4件を片づける。送るのを忘れないようにしないといけない。

01/10/火
文藝家協会の常務理事会、理事会、臨時総会、新年会。盛り沢山の行事があり、毎年のことだが、新年会には著作権関係のお客さまとの対応で、頭を下げたり、名刺交換したりと、忙しく走り回ることになる。岳真也さんに二次会に誘われたのだが、出がけに部屋の鍵を持って出るのを忘れてしまった。妻の起きている時間に帰らないと、集合住宅の中に入れない。それで新年会が終わるとすぐに帰った。その時間に帰ると人の出入りがあるので、鍵がなくても中に入れる。うまい具合に2箇所の関門を鍵なして通過できた。あとは自宅のチャイムを押して妻に鍵を開けてもらうだけでいい。明日も飲み会なので体調維持につとめる。 01/11/水
本日は大学の懇親会。講師の先生方の講習会にもなっている。資料を用意してあるので、あとで読んでくださいということにして、学部長の説明は短くして、早めに懇親会に移る。昨日は著作権の責任者として、本日は学部長として、挨拶と懇親につとめた。二日連続なので疲れた。

01/12/木
長い木曜日。2限から6限まで授業がある。久し振りなので疲れたが、来週で授業は終わりだ。来年度は大学院の授業を昼間に設定したので、木曜日は4限で終わるのだが、1学期と3学期は1限に授業があるので、ハードであることは変わりが無い。まあ、仕事だから仕方がない。

01/13/金
本日は大学は休み。公用もない。だが羽田プロジェクトの編集会議ということで、銀座の辻恵の弁護士事務所に集合。終わってから新宿のマッサージ。明日はセンターテストの待機。ド早朝に集合で、早く寝ないといけない。明後日、明明後日も早起きするから、早起きのクセがつきそうだ(日・月はFootball観戦のため)。

01/14/土
朝6時に起きる。今シーズン一番の冷え込みの中、真っ暗な6時半に自宅を出て有明キャンパスに向かう。センター試験の待機。ただ待機しているだけでいいという役割なので、この日のために、4章半ばまでのプリントを持参。ほぼ12時間の待機で、1章と2章の4分の1くらいまでを読んだ。修正の赤字を入れながらじっくり読んだので疲れた。ここまではパーフェクトにうまくいっている。自信がもてる。というか、この時点で全然ダメだったらもはや修正不能だ。修正すれば何とかなるというレベルに仕上がっていることを、祈るような気持で読むわけだが、それなりに自信はあった。出だしの部分はすでにプリントで読み返してチェックしているので、まったくダメということではないと思っていた。ただし、出だしの前に、少し文章を入れることにした。自信をもっていたファーストショットだったが、少し動きすぎている。全体を予感させるような、朦朧としたオープニングの方が期待をもたせる。少し青臭いかとも思ったのだが、小説というのは青臭いものだ。蘇我入鹿が初めて出てきたシーンで、もっと自信をもたせたいと感じた。わたしの作品では入鹿は悪役ではない。立派な人だが主人公に殺されてしまう気の毒な人というくらいのニュアンスだ。主人公はダークヒーローということでもない。ピュアな人なので少し困った人、というくらいだろうか。妹の間人皇女が何ともうるわしい。この名前は少し読みにくいので何とかならないかとも思うのだが。間人が死んでから、主人公はだんだん崩れていく。その感じがこれからの課題だ。そういう流れでいいか、とにかくプリントしたところを全部読んでみたい。来週の日曜日にも待機があるので、2章の終わりまでは読めるだろう。明日はまたFootballがある。カンファレンスの準々決勝にあたるワイルドカードは、シードの上位チームが勝った。明日の準決勝は、シード1位と4位、2位と3位のマッチになる。当然、1位が優位だろうと思うが、2位対3位のマッチは、実力伯仲なのでアップセットはあると思う。

01/15/日
日曜は休み。朝からFootball。ファルコンズのライアンは平均的なQBと思っていたが、今シーズンは成長した。オフェンスコーディネーターが変わったのではないか。とにかくファルコンズは強かった。ペイトリオッツは楽勝。明日は夜中に起きてスティーラーズ戦を見るつもりだったが、悪天候で開始時間が延期になり、スカパーでの中継が中止とのことで、仕方がない。大学でネットの結果だけを確認することにしよう。本日はプリントのチェックを少し。クーデターのところまでを確認しておきたい。

01/16/月
スティーラーズ戦の開始時間が変更となり中継がなくなったので、6時に起きてカウボーイズ対パッカーズを見る。パッカーズのロジャーズが正確なパスで点差を拡げる。カウボーイズのプレスコットも新人とは思えない冷静な判断で、4クォーターに入ってから同点に追いついた。すごい試合になった。フィールドゴールの追加点があり、同点のまま終了3秒前にパッカーズの51ヤードのフィールドゴールが決まってサヨナラ勝ち。その直前の長いパスがサイドラインぎりぎりで決まったのが勝利の決め手になった。ロジャーズの正確なパスと受けたクックの神業的なキャッチが見事だった。どちらかというと新人を応援していたのだが、いい試合だったので結果にはこだわらない。これからのスティーラーズの結果が気にかかる。Nカンファはアトランタでファルコンズ対パッカーズということになった。アウェイだがロジャーズが調子を上げているところを見るとパッカーズ優位か。これから試合が始まるチーフスは、スミスという安定したQBがいるチームだが、RBのベルが好調のスティーラーズが勝つと思う。しかしペイトリオッツは強い。スーパーボウルがペイトリオッツ対パッカーズになったら、まったくどうでもいい試合になってしまう。大学の研究室でネットで結果を知る。スティーラーズは勝っていた。タッチダウンなしでキック6本で勝つというチープな試合だ。しかし守備がしっかりしてきたのだろう。ランニングバックのベルは相変わらず調子がいい。ペイトリオッツに勝てるのかは疑問。

01/17/火
大学で毎年やっている「日本語の語りを聴く会」。今年は落語。大阪から桂文我さんをお招きする。学部長の挨拶のあと、客席で人情話を聴いていたら、涙が流れて止まらなくなった。わたしは人情に弱い。自分のことで泣いたことはないが、テレビなどでもすぐに泣く。センチメンタルなのだろう。本日の仕事はこれだけだが、大学の雑用が山のようにあって何から手をつければいいかわからない。

01/18/水
大学。卒論の展示会ということで、正午前に研究室から会場に17冊の卒論を運ぶ。けっこう重い。3時間の展示の間、畳敷きの大広間で自分の仕事をする。終わっておら学部長会議。すぐに終わる。

01/19/木
2限から6限まである長い木曜日は今シーズン最後の日になった。4限の4年ゼミも5限の修論指導ももうアキ時間なのだが、その間に来年度予算についての学長のヒアリングとか、入試課との打ち合わせなどが入り、時間ぐりが綱渡りだった。6限は大学院。留学生が多い。一期一会の出会いだと思う。

01/20/金
近くの医者に行き血圧の薬などを貰う。夕方、オーファン委員会。終わったら真っ先に会議室を脱け出して有楽町へ。妻と待ち合わせて三田和代さんが朗読で出演する東儀秀樹さんのコンサート会場へ。本日はこういうスケジュール。あいまに少し仕事。

01/21/土
本日は休み。集合住宅内にあるスーパーに買い出しに行った以外はひたすらパソコンの前にいた。来期のシラバスをネットで打ち込む。これがけっこうたいへんな仕事だ。あとは白村江のプリントを少し見る。

01/22/日
日曜だが入試。会議室でひたすら待機。その間に、白村江のプリントを見る。2章半ばから3章半ばまで。来週は大学院、その次の日曜はまた学部の入試、プリントを見る時間はたっぷりあるが、しばらくは新たな領域に進んでいない。いまあるプリントをすべて読んで、流れをつかまないと先へ行けなくなっている。もうゴール直前で、エピローグの段階になっているともいえる。ただ急ぎすぎてイメージがうすくならないように気をつけないといけない。

01/23/月
朝5時に起きてFootballのカンファレンス決勝を見る。パッカーズ対ファルコンズは接戦になると思っていたのだが、QBライアンの知的なパスが炸裂して、ファルコンズの圧勝だった。ジャイアンツにもカウボーイズにも接戦で勝ったパッカーズに圧勝するというのは、今年のファルコンズの強さは本物だ。オフェンスコーディネーターのシャナハンの戦略がすごいのだろう。シャナハンというのは有名なヘッドコーチの息子で、おそらくFootballの戦略の英才教育を受けているのだ。Footballは知的な戦略ゲームだ。人間が動く将棋みたいなスポーツで、監督が勝敗を決めるといってもいい。去年のブロンコスがまさにそうだった。若きシャナハンは来年は49ナーズのヘッドコーチかといわれているので、ファルコンズにとっては、今シーズンがスーパーボウル制覇のラストチャンスだろう。ペイトリオッツはスティーラーズに圧勝。スティーラーズはRBのベルが傷んでいた。これでは勝てない。ペイトリオッツは毎年、ものすごく強い。だが今年はタイトエンドがいない。互角の戦いになるだろうが、ファルコンズを応援したい。あとはパソコンに向かって大学の雑用。本日は公用は何もないので、夕方に少し散歩しただけ。白村江のプリント、3章後半にまで進んでいる。有間皇子が出てきた。少し駆け足になっているが仕方がない。ここは一気に白村江まで突き進みたいところだ。ここまでいい感じで進んできた。もう大丈夫だという感じがしている。あとは詰めを誤らなければ、この作品は自分のベストのエンターテインメントになるだろう。

01/24/火
大学は休み。夕方、著団協の新年会。毎年恒例の行事。内幸町の富国生命ビル最上階の聘珍樓。いつもと違う部屋で、そこからだとわたしの住んでいる集合住宅の最上階の照明が見えた。わたしが住んでいるのは中層階なので、自宅から富国生命ビルが見えるわけではない。著作権関係の集まりで、いわゆる業界の人々。そういうところに知人がいるというのはありがたいことだ。

01/25/水
大学。大学院の修論公聴会。4人在籍だがここにたどりついたのは2人。まあ、仕方がない。終わってから、教え子の作品を文集にして出す編集作業にとりかかる。この大学に就職してから毎年、この作業をやっている。短歌や俳句など他の先生にも連絡して作品を寄せてもらう作業も必要だが、大半は自分の教え子なので、セレクトしてからデータをもらう。卒論小説は4篇選んだ。データはすべて届いている。2年、3年も、何人か、星5個をもらった学生には声をかけている。後期の提出物はこれから作品が届き、星をつけていくことになるのだが、すでに半分くらいはデータを入手しているので入稿できる。ただし、学生の作品は仕様がばらばらだし、いろいろと不具合があるので、すべてチェックしないといけない。この作業が大変だ。現代詩の先生からセレクトした作品が届いたのだが、手書きの原稿なので入力しないといけない。ワープロの作品もあるのだが学生に連絡してデータを出させるよりも自分で入力した方が早い。夕方までそうした作業に取り組んでいた。夜は新宿京王プラザで教員懇親会。研究室での作業で時間がとられたので、開始ぎりぎりになった。新宿の雑踏を歩きたくないので荻窪で丸ノ内線に乗り換えて西新宿から地下道を歩いていく。地下道が右に曲がっているところでひらめいて地上に上がると、目の前に京王プラザのビルが見えた。早稲田の学生だったころ、このあたりは都庁などもなく、淀橋上水場の瓦礫の中に、京王プラザのビルだけが立っていた。そのころの屹立したイメージが記憶に残っているので京王プラザは一瞥しただけでわかる。結局、開始時間ぎりぎりで会場に到達することができた。籤引きでテーブルが決まるというので籤を引くとAの札を引き当てた。これは学長、副学長と同じテーブルで、それを見た瞬間、わあ、くじ運が悪い、と大声で言ってしまった。

01/26/木
大学。本日は学内の能楽資料センターの会議だけ。だが学生たちの宿題の締切になっているので、研究室の前の袋に入っている作品を回収。出かける前に6点の作品を印刷所に入稿。昨日の3点と合わせて9点を入稿した。卒論4点、もう1つの作品も卒論なみに長いので、これで文集の半分以上が埋まってしまった。あとは短歌や俳句なので、まあ、ちょうどいいくらいのボリュームになるだろう。小説担当の他の先生方からの推薦がちょうどいいくらいだと助かる。会議は短時間で終わった。センターのある1号館には入退館時にICカードをタッチする端末がないので、研究室のある7号館を出る時に退館のタッチをした。滞在時間が数分だったかもしれない。まあ、とにかく出勤したことは間違いない。夜、白村江のプリントを読む。3章が終わった。最終章の4章は半分くらいしかできていない。読んだ勢いで未踏の領域に踏み出さないといけないので、心の準備が必要。ここまでの赤字を先に入力しておくべきか。並行して進めている梶井論も前置きのところが終わって各論に入った。入力にはパソコンの前に座っている必要がある。Footballもカンファレンス決勝が終わってあとはスーパーボウルを残すのみとなった。そろそろ入力を始めるべきか。本日、『星の王子さま』(青い鳥文庫)の27版が届いた。すごいね。読者に感謝。サン=テグジュペリにも感謝。昨日は偕成社から『迷宮の王子』の見本が届いた。4人の共著なのだが、わたしの作品をタイトルにしてもらった。これも編集部に感謝。読み返すと、自分でも名作だと思った。ごくたまに、わたしはすごい文章を書くことがある。これは企画を立てた人にも感謝しないといけない。

01/27/金
本日は朝、8時過ぎに起きて大学へ。9時半から判定会というものがある。10分くらいで終わった。それだけ。せっかくだから研究室で、梶井論のプリントを見ているうちに、研究費が15万くらい残っていることに気づいた。吾妻鏡の現代語訳とか、吉川弘文館のホームページを見て、シリーズで買えるものを選んでプリントする。これを学部事務課というところにもっていくと、そのうち本が届くようになっている。やれやれ。明日は休みだが、日曜はまた入試だ。

01/28/土
土曜は休み。明日は入試で出勤なので、一日だけの休み。まず学生の宿題を読む。それから梶井論のプリント。ついに終わった。あとメモが2つ用意されているのだが、小説家を目指す人へ、という章はプリントの中にすでに書いてあるのでカットして、自分史を書く人へ、というところだけ活かせばいいか。白村江のプリントチェックはまだ3章までだが、今日はパソコンに向かえるので、1章の赤字入力を完了。一日で1章できれば、あとが楽だ。さまざまな作業を並行で進めてきたが、どちらもゴールが見えてきた。明日は大学院の入試。月曜は臨時教授会と学科会があるので大学へ行く。水曜にも学部長会議がある。学生の宿題はそこをリミットとする。あとは短歌、俳句など、他の先生からの推薦を待つ。文集は卒論4篇の入稿を終えているので、量的には半分以上、入稿済みになっている。ゴールが見えている。他の雑用はすべて終わっている。あとは成績の入力が残っているが、これはまだ締切まで間がある。研究費の申請を終えたので気が楽になった。あとはプリントチェックの入力と、白村江の完成だけ。ここまで来れば集中できるだろう。

01/29/日
大学院の入試。有明キャンパス。9時集合、午後2時には終了した。白村江の4章プリントをもっていった。半分近く見られた。ここまでうまくいっている。ただこの先はまだ未完成のところなので、メモで補充しなければならない。ただ白村江の戦いそのものが終われば、あとはエンディングに向けての短い断章を重ねていくエピローグ的な展開になるので、凝縮した文体が必要になる。帰宅して梶井論についても検討したが、メモとして書いた「小説家を目指す人へ」と「自分史を書く人へ」のうち、後者は活かすことにした。前者のメモはこれまでの内容とカブルところがあるので削除する。これでほぼ完了した。赤字を入力し、メモの部分を加えれば、それで手が離れそうだ。

01/30/月
臨時教授会と学科会。議題は多かったが一つ一つクリアしていく。これで今月も終わりか。Footballは今日は休み。プロボウルというオールスター戦をやっているはずだが興味はない。スーパーボウルは来週。先週のファルコンズの試合は見事だった。ぺイトリオッツとはいい勝負になる。ファルコンズを応援したいが、試合運びはペイトリオッツの方が経験豊富なので、ファルコンズがどこまで平常心で戦えるか。先行逃げ切りでないと苦しいだろう。幸い、2人のランニングバックを交互に使う戦法がこれまでは奏功していた。前半で大量リードして後半はランニングで時間を消費するということができれば勝つ可能性がある。しかしどうも、ペイトリオッツの方が強そうだ。見ていて苦しくなるようなゲームになりそうだ。去年はブロンコスを応援していて、最後に勝ちきった。疲れたが感動敵だった。そんな試合になってほしい。

01/31/火
明日は大学に行く。日曜の入試待機に備えて、白村江の3章までのプリントを用意したい。ということで入力を進める。夜はメンデルスゾーン協会の新年会。出かける直前に入力完了。今日は次男が母校の上智大学でリクルート活動をしているらしい。夜、少し寄るということだが、こちらは出かける。あとで妻が集合住宅の別館にある焼き肉屋に連れていったそうだ。こちらは神保町まで歩いてブックカフェで宴会。初対面のポーランドの人などがいておもしろかった。さて、1月が終わった。正月にかなりの入力ができ、その後も少しずつは進めて、4章の半ばまではプリントできた。これを入試待機の時などに赤字を入れ、3章までは赤字の入力も終えた。次の日曜の入試待機で3章までは仕上がるはずだ。いいところまで来ている。ゴールは見えている。梶井論も赤字を入れて、あとは入力すればいいというところまで来ている。この2冊の作業が3月まで続くかもしれないが、それで完了できるだろう。次の仕事はまだ決まっていないが、何もなければ歎異抄の口語訳をやってみたいと思っている。



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