古代ロマンノート05

2017年9月

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09/01/金
久し振りに大学へ行く。お盆のあとに三鷹のサテライトで一回きりの講座を担当したのだが、大学には行かなかった。武藏境からのバスに乗るのは久し振り。以前は武藏境の駅前が工事中でバス停が遠かったので、三鷹からバスに乗っていたのだが、工事が終わってJRの出口からバス停が近くなったので、いまは往路は武藏境、復路は三鷹ということにしている。教授会と学科会。皆さんまださまざまな校務をかかえていて、欠席者が多い。学生の研修旅行などの引率に出ている人が多い。本日は9月卒業の学生の判定が主な仕事。判定といっても、単位がとれていればOKということで、議論の余地はない。学科会もすぐに終わった。しかし学部長としての事務作業がいくつか残っていて、研究室のパソコンに向かう。7月末に新しい機種に入れ換えた時に、机の上のゴミを片づけたので、きれいな机の上に真新しいパソコンが載っていて気持がいい。まだ完全に慣れたわけではないWindows10をおそるおそる動かして作業を進める。必要な修正はしてあるので使いやすくなっているはずなのだが、まだ、終わる時はどうするのだっけ、などと考えてしまう。とにかく作業は終わった。自宅の集合住宅に着くと、宅配のボックスに大きな荷物が入っている。昨日、プリンターのインクを秋葉原に買いにいったの時に、プリンター本体も見てみた。新しい機種はいろいろ便利になっている。いま使っているのは去年の春に買ったのだが、一番小さいのを買ったのが失敗で不便なことが多い。とくに妻が使う時に、タブレットから文書が送れなかったり、機能が充分ではなかった。妻の専用にもう一台買うことにした。サイズを1つ大きくしても、用紙が内部に収納できるので棚にすっぽり入ってかえってコンパクトになった機種があったので、妻がそれをネットで注文した。しかしわたしも妻も留守だったので、ロビーの集配ボックスに入っていた。そこから自分の部屋まで手で運ぶのはたいへんなので、コンシェルジェに台車を借りた。台車は荷物用のエレベータを使用しないといけないので、エレベータのキーも必要だ。荷物を自宅に運んだあと、台車とキーを返しに行かないといけない。えらい手間がかかったが、とにかく新しいプリンターが届いた。梱包を解いて、棚にセット。とりあえず付属のインクをセットし、紙を入れ、初期設定だけやった。プリントのテストも終わった。あとはパソコンにドライバーをインストールして接続を確認することになるが、これはまた別の日にする。わたしのプリンターは使えるので、問題はない。妻のタブレットとスマホにもドライバーを入れないといけない。これはわたしにとっても不慣れな作業なので、妻がひまな時に自分でやればいいだろう。プリンターが2台あるという贅沢な状況になった。さて、来週の月曜に編集者と会うことになったので、簡単なレジメみたいなものを作っておきたい。口頭でプレゼンテーションするにしても、上司に報告しないといけないだろう。本が売れない時代なので、上司の許可が出ないとGOサインが出ない。もう書き始めているので、何とか前に進めたいと思う。

09/02/土
週末は休み。女優の三田和代さんとお友だちのFさんを自宅に招く。ジロドゥーの話などする。わたしは『星の王子さま』の翻訳が講談社青い鳥文庫に入っているが、フランス語で読んだ本というのは、それを含めて3冊しかない。あとの2冊はカミュの『異邦人』とジロドゥーの『エレクトル』だ。それも昔のこと。姉は明日から『トロイ戦争は始まらないだろう』の稽古に入るという。昔、劇団四季でこの作品を見たことがある。姉はアンドロマックだった。いまは年をとったので王妃の役だという。ジロドゥーは政治家でもあった。些細なことで戦争が起こるというこの作品のテーマは、現代にもつながるだろう。そのうち日本の上空を水爆が飛ぶ日が来るのかもしれない。

09/03/日
日曜日だが、明日、編集者と会うので、こちらからプレゼンテーションできる資料を作る。4章の終わりまでもとりあえずプリントして渡したい。資料だけを手渡して、口頭でのプレゼンテーションはせずに、愉しく呑みたい。

09/04/月
某社の編集者と淡路町で呑む。いちばん古いつきあいの編集者なので、旧交をあたためる。

09/05/火
文藝家協会で出版社との協議会。本日は業界情報についてゲストスピーカーの話を聞いた。右肩下がりの業界の話なので問題山積であるが、まあ、出版業界そのものがなくなるわけではないということはよくわかった。

09/06/水
大学。短い打ち合わせのあと、研究室で作業。それから学部長会議。今週の大学はこれだけだが、作業しなければならない課題がいくつかあるので、もう大学は始まっているという感じだ。

09/07/木
イーブックジャパンの担当者と近所で呑む。月2回の連載が終わった。4年も続けてきた。昔からの芥川賞受賞作を読むという作業だったが、勉強になった。

09/08/金
ついにFootballの季節となった。本日、開幕戦。スーパーボウル覇者のペイトリオッツに、チーフスが挑む。まあ、ペイトリオッツの圧勝だろうと思った。先攻はペイトリオッツで、あっさりタッチダウン。対してチーフスは新人RBのハントに持たせたらあっけなくファンブル。これはもう一方的な試合になると思ったのだが、このペイトリオッツの攻撃をチーフスのディフェンスが止めて、ほぼ互角の展開になった。チーフスのQBスミスは、元は47ナーズにいた。調子よく勝っていたのに、ちょっと怪我をして休んでいるうちにキャパニックという新人が大活躍して、トレードに出されてしまった。スミスにはロングパスを連投する派手さはない。短いパスで少しずつ前進する堅実で地味なプレーヤーだ。そのショートパスも、広い視野で的確に投げ分ける。セーフティーバルブといって、投げるところがないとRBに投げるのだが、この日は最初に落球したハントが2度もパスキャッチからタッチダウンした。ハントはランニングでもタッチダウンしているので、新人RBとしては驚異的な活躍だ。最初の落球で、この新人はつぶれるかと思ったのだが、逆に奮起したのだろう。結局、チーフスが逆転して、さらに追加点をあげて最後は圧勝だった。今年はチーフスもおもしろい。3年目のQBウィンストンとマリオタも応援したい。月曜日にはジャイアンツ対カウボーイズがある。幸い公用はないのだが、近くの目医者に予約を入れている。まあ、帰ってきてもまだ試合は続いているだろう。今年もジャイアンツを応援したい。2番手はスティーラーズ。アメリカ南部にはハリケーンが迫っている。そういえばニューオリンズで大きな被害が出たシーズンで、ニューオリンズ・セインツが奇蹟の優勝を遂げたことがあった。そういうドラマがあるかもしれない。

09/09/土
しばらく車を動かしていなかったので、お台場に行く。あすは大学の有明キャンパスで入試があるので有明に行くのだが、車で行くのも愉しい。もちろん妻の運転。昔、世田谷区の三宿に住んでいた時は、よくお台場に行った。お台場の映画館がすいていたからだ。海岸沿いを散歩。景色のいいところで食事をして帰る。のんびりした休日だ。

09/10/日
大学。有明キャンパス。大学院の入試。午後2時には帰宅できた。今週は日曜出勤があり、週末の土曜も出勤で、さらに学院長の面談に9月卒業の卒業式など、行事がたてつづけにある。文藝家協会の理事会もある。まあ、あせる必要はないが、文学史の本も本格的に始動しないといけない。すでに「まえがき」は書いてあるのだが、中身は授業をしながら考えようと思っていた。その授業も来週から始まるので準備が必要だ。

09/11/月
本日は目医者に行く。半年に一度の健康診断で、問題はなかった。徒歩5分の場所にある眼科医だが、検査というものはやや緊張する。何か問題が生じると困るのでドキドキする。無事だったのでよかった。本日はふだんより少し早起きして、ジャイアンツ対カウボーイズ戦を見る。同地区のチームはシーズンで2回、対戦がある。去年のカウボーイズは13勝3敗で地区優勝したのだが、そのうちの2敗はジャイアンツ戦だ。つまり相性がいい。そう思って見ていたのだが、今年のカウボーイズは隙がなかった。乾杯。それでもジャイアンツは応援するつもりだが、カウボーイズにもがんばってほしい。今年のNカンファレンスは、やっぱりファルコンズとカウボーイズの争いになるだろう。Aカンファレンスの方は、緒戦で負けたペイトリオッツがやっぱり強そうだし、レイブンスも強い。スティーラーズはブラウンズ相手に辛勝だった。大丈夫か。明日、2試合残っているのと、バッカニアーズ対ドルフィンズ戦がハリケーンで中止になったので、まだすべてのチームがスタートを切ったわけではないが、本日の結果から見ると、イーグルスとレイダーズも強そうだ。スーパーボウルの対戦がスティーラーズとカウボーイズになってほしいと、いまから期待している。

09/12/火
大学。有明キャンパスで会議。少しアキ時間ができたので食堂で仕事をする。まだ授業が始まっていないので、キャンパスはがらんとしているが、食堂のコーナーで改装工事をしていてうるさかった。ゆりかもめで豊洲。有楽町線で永田町。文藝家協会の最寄駅は麹町なのだが、いつも自宅に帰る時は有楽町の前方の出口で日比谷へ向かうので、何となく最前部に乗り込んでしまった。乗ってから麹町は最後尾だと気づいた。それで永田町で降りた。永田町からだと信号がないので歩くのは楽だ。理事会のあと、加賀さん、森詠さん、岳真也と軽く飲む。内容の濃いいい話が聞けた。長い1日だったが充実していた。スマホの万歩計を見ると1万歩歩いていた。

09/13/水
本日は休み。ぼつぼつと仕事をする。アマゾンで新書類を5冊注文したのが昨日届いたので、ひまな時に読んでいきたい。小説の歴史の本も書かないといけない。いま出だしのところで試行錯誤している。出だしが大事だし、それで文体が決まるので、最初のところだけは丹念に何度も調整したいと思う。文体が決まれば、あとは文学史を書けばいいだけし、何年間も授業で語り続けてきたことなので、一定のペースで書いていけると思う。夕方、近所を散歩。パソコンに向かっている時間が続くと、足が弱っていく感じがする。昨日は1万歩歩いた。大学が始まれば、5000歩は毎日歩くのだが、休みの日は必ず散歩に行くようにしたい。

09/14/木
大学。本日は三鷹から。大学の後期の方針発表とのことで全員参加。終わって研究室でいろいろと作業をする。雑用が山ほどある。大学の先生も来年度で終わりなので、研究室のゴミをどうするかとか、これからかく小説の資料として必要なものは何かとか、そろそろ考えないといけない。明日は有明キャンパス。今週は日曜の有明に始まって、火曜と明日も有明。本日と明後日が三鷹。それでも有明へ行くと少しいい気分になる。大学前の遊歩道は、欅坂46の「ふたりセゾン」のビデオが撮られた聖地だ。大学の門の前がカメラ位置なので、向かいのビルしか映っていないのだが、そのカメラの位置から出入りするので、その度に、おおっ、と思う。明日も有明だ。卒業式のあと、入学式がある。9月入学はグローバル学部の留学生ばかりで、文学部とは関係ないのだが、卒業式の方は、単位を落として4月に卒業できなかった学生が、どうにか9月卒業にこぎつけたということで、褒めてやらないといけない。

09/15/金
大学。有明で卒業式と入学式。大部分はグローバル学部関係の留学生なのだが、単位を落として9月卒業になった文学部関係の学生もいる。とくに大学院の学生はわたしが修論指導をしたので、卒業できてよかったと思う。陽射しは強くかなり暑かったが湿度がなく、お台場は爽やかな風が吹き渡っていた。明日も大学がある。Footballのサースデーナイトはテキサンズの勝利。新鋭QBのランニングのタッチダウンなど、これからの展望が見えてきた。毎年、今年のテキサンズはがんばるのではと噂されながら期待を裏切ってきたチームだ。よいQBに恵まれなかったが、今年は期待してよいのでは。

09/16/土
本日も大学。今日は三鷹。彼岸会。この一年で親族が亡くなった大学関係者を招いて法要する。精進料理の弁当を食べる。それから付属高校の生徒への説明会。終わってから研究室で作業。日曜のせいか、研究室の冷房が入らない。外は涼しいのだが、昨日までの熱気が室内にたちこめている。ドアを開けたままで作業。夕方、帰宅。本日も大学の仕事で1日がつぶれた。

09/17/日
この日曜は休み。先週の日曜からずっと大学の行事が続いていたので、今日はゆっくり休みたい。台風が九州から四国に向かっている。大阪にいる妻の両親は老人向けの施設に入っているので安全だろう。次男一家のいる四日市と、わたしの仕事場がある浜松が心配だ。いますんでいるわたしの住居は集合住宅なので問題はない。以前、一戸建ての家にいた時は、外に出してある植木鉢を取り込んだり、雨戸を閉めたり、いろいろとやることがあったが、ここでは何の問題もない。停電することもないだろうが、つねに手の届くところに懐中電灯がある。パソコンもノートパソコンなので1時間くらいはもつ。テレビのアンテナの心配もない。のんびりと古代ロマンのことを考える。4章くらいのところまで来ている作品は、2章あたりで少しトーンが落ちている。キャラクターの造形が充分ではない。そのあたりからしっかり書き換えていきたい。資料は読み続けている。いろいろと発見がある。前に書いた3部作は、いわばヤマカンで書いたのだが、そのカンが当たっていることを確認する。ツヌガアラシトと天日矛とイササワケとは、同じキャラクターだというのは、自分が発見したように思っていたが、資料を読むと、通説になっているようだ。その通説を外していなかったので、ほっとするが、もっとすごい発見をしないと話がおもしろくないという気がする。テレビで台風のようすを確認する。九州は大きな被害が出ている。飛行機は止まっているし、一部の新幹線も止まっている。集合住宅の窓の外は霧に包まれた状態で、目の前にあるはずの経団連ビルとか日経新聞のビルはよく見えない。ふつうなら赤坂や六本木のビルも見えるのだが、何も見えない。巨人はDNAに勝って単独3位になった。Footballが始まったので日本のジャイアンツはどうでもいいのだが、プレーオフには出てほしい。相撲がおもしろい。優勝候補がどんどん休場していくので、花相撲のトーナメントみたいになっている。誰が勝っても初優勝みたいなことになるのではないか。豪栄道が勝つのはおもしろくない。さて、月曜から大学の3学期の授業が始まる。自分のコマは水曜からだが、明日は会議がある。

09/18/月
本日から3学期の授業開始。わたしの授業は水曜日からだが、教授会などがある。そのあとの学科会。問題山積で4時間近くかかった。ずっと座っているので体が疲れた。立って動きながら話せる授業の方がずっと楽だ。さて、月曜日はFootballだ。寝る前にスティーラーズの試合を少しだけ見た。タッチダウンが2つ決まって楽勝だったので、寝ることにした。起きてテレビをつけるとファルコンズとパッカーズの試合をやっていた。スーパーボウルで惜敗したファルコンズだが、QBもRBも健在で、今年も強そうだ。パッカーズのロジャースはかなりの年齢なので、今年は戦力が落ちるだろう。他の試合結果をネットで調べる。ウィンストンのバッカニアーズ、マオリタのタイタンズは快勝。初戦でペイトリオッツに勝ったチーフスは、イーグルスにも勝った。新人RBのパントが大活躍したようだ。シーミアンという若手QBのいるブロンコスがカウボーイズに圧勝した。一昨年のスーパーボウル覇者ブロンコスは守備のチームなので、QBのペイトン・マニングが引退しても、まったく未経験のシーミアンで勝てるのだ。まだ2試合終わっただけだが、2連勝のチームはA北のスティーラーズ、レイブンス、A西のブロンコス、チーフス、レイダーズ(この地区は大激戦)、N北のライオンズ、N南のファルコンズとパンサーズ(ここは初戦がハリケーンで流れたバッカニアーズも1勝0敗だ)ということで、わたしが応援しているジャイアンツは2連敗。こりゃあ、ダメだ。ということで、Aはスティーラーズ、Nはファルコンズを応援することにしょう。ダークホースでシーミアンのブロンコスも期待したい。

09/19/火
本日は休み。夕方、妻と散歩。神田明神と湯島天神にお参りして、オープン間近のマツサカヤ新館を眺め、秋葉原のフルーツ店でマロンパフェを食べた。生きていてよかったというようなマロンパフェであった。

09/20/水
いよいよ後期の授業が始まった。いまは4期制になっているので、3学期だ。水曜は2限と3限、明日の木曜日は1限から4限まで授業がある。本日は4限に学部長会議のある日だが、中止になった。しかし同じ時間に別の会議があった。何の会議かよくわからないがとにかく出席した。本日はそれで終わり。何か疲れた。夜中に少し自分の仕事をする。

09/21/木
後期2回目の授業。本日は1限。紫式部の系図を黒板に書く。20分ほどかかる。この図を描いてしまえば、本日は仕事は終わったも同然。2限と3限は2年ゼミと3年ゼミ。芥川賞の話なのでまったく同じ話をする。4限の4年生は雑談。終わって研究室でメールを見ていたら、電話がかかってきたり、学生が来たりして、帰るのが遅れた。1限から出講していると長い1日と感じる。明日は大学は休みだが、文藝家協会へ行かないといけない。パソコンが勝手に更新して、インターネットエクスプローラーの形が変わってしまった。形が変わってもべつにいいのだが、大学のパソコンと違っていると気持がよくない。先日、ようやく大学のパソコンを自宅パソコンのレイアウトと同じにしたばかりなので、自宅のパソコンを何とか元に戻したいと悪戦苦闘した。ようやく元に戻ったが、どうやって戻ったのか記憶にない。勝手にレイアウトを変えないでほしい。

09/22/金
大学は休みだが文藝家協会でオーファン委員会。文化庁の実証事業が今年もスタートした。2年目なので何をなすべきかは明確で、事務合理化の対策も立てているので、去年よりもスムーズに進行できるはずだ。午前中に近くの医院に行って薬をもらった。帰る時に急に雨が降り出した。雨だと少し考える。文藝家協会に行くのに、ふだんは新宿線で小川町から市ヶ谷乗り換え有楽町線で麹町ということが多い。小川町も丸ノ内線の淡路町も、徒歩5分で近いのだが、雨が降っていれば傘が必要だ。千代田線だと新御茶ノ水駅まで傘なしで行ける。千代田線だと国会議事堂前乗り換えで南北線永田町ということになる。文藝家協会まで少し距離があるが5分くらいだし、信号が1つもないので楽だ。本日はこのコースにした。永田町の長いエスカレータを昇ってプリンスホテルの前に出ると雨はやんでいた。帰る時はかなり降っていた。同じコースで帰る。南北線永田町駅の長いエスカレータは昇りしかなく、以前は長い階段を降りる必要があったが、いまはプリンスホテルに入れば下りエスカレータがある。雨でなければホテルの中を通って赤坂見附に出て丸ノ内線で帰ることもできる。これだと乗り換えなしで淡路町に到着する。ほかにも神保町から半蔵門線で半蔵門駅というコースもあって、これだと地下鉄は乗り換えなしの最短なのだが、半蔵門から麹町まで歩かないといけない。5分くらいのものだが、自宅から神保町まで10分ほどかかるので、気が向いた時に乗る程度。昔のノートにも書いたはずだが、3・11の地震の時、わたしは有楽町線永田町駅の長いエスカレータに乗っていた。だから今日も、あの地震の日のことを思い出した。

09/23/土
しばらく車を動かしていないのでまたお台場に行く。出発の前にコンビニでおにぎりを買って、お台場からゲートブリッジに向かう。大学の有明キャンパスから見えている橋だが行ったことがなかった。車で渡ってから、公園の駐車場に車を置いて、徒歩で海ぎわに行く。釣りをしている人が多い。ベンチでおにぎりを食べてから、エレベータで橋の上に昇る。徒歩で橋を渡れるようになっている。真ん中まで行ってから引き返した。眺めがよかった。帰ってからは大学の雑用など。明日の日曜は休みではないので雑用をすべて片づける。

09/24/日
日曜だが『文芸潮流』の「まほろば賞」の選考会。同誌を主催する五十嵐勉さんが厳選した候補作について、議論をする。いい感じでまとまった。あとは飲み会。選考委員の小浜清志さんは中上健次さんの弟子で秘書みたいなことをやっていた。中上紀さんはお嬢さん、わたしはまあ、中上さんとは飲み友達であった。ということで、主に中上さんの話をしながら気持よく呑んだ。

09/25/月
本日は会議だけだが、会議前に雑用がたくさんある。大学出版会の担当者が来て『歎異抄口語訳』のゲラを受け取る。しばらくはこの作業にかかりきりになる。会議は予算などの問題の他に、問題山積で、7時ごろまでかかった。月曜はいつも会議が長びいて帰るのが遅くなる。

09/26/火
本日は夕方、FD研修というのがあって、専任教員は出席せよとのことだったが、いってみると教室はがらがらだった。まあいい。大学院の予算申請書を学部事務課に届けた。去年は文言に間違いがあって戻ってきたのだが、今回は受け取ってもらえた。よかった。昨日、ゲラが届いた。少しずつチェックしている。何度も読み返してチェックしたはずなのに、簡単な間違いがあって、校正というものは必要だと思った。校正者のチェックが入っているが、多くは解釈の違いで、これはこちらの方が深く解釈しているのでチェックは無視する。それでもタイプミスを数多く見つけていただいた。プリントしたものを2回か3回読んでいるはずなので、見落としている。自分の小説なら、自分の作品に傷があるということで済むが、今回は親鸞の言葉なので、間違いが誤読があってはならない。緊張感が違う。よりよりによって今週の予算申請があっていちばん忙しい時だ。まあ、あせらずにじっくり読みたい。多忙のためにFootballについて考えるひまがないが、結果は見ている。何と3戦終了して、全勝チームがチーフスとファルコンズだけになった。スーパーボウルはこの対戦になるだろう。わたしが応援するジャイアンツは3戦全敗で脱落。スティーラーズは2勝1敗だが絶不調。QBのロスリスバーガーへに衰えが見られ、RBも不調。カウボーイズも本調子ではない。ペイトリオッツは初戦には負けたが、その後は持ち直している。ライオンズ、チャージャーズ、レイダーズもピリッとしない。新人QBのイーグルス、バッカニアーズ、タイタンズ、テキサンズがこれから伸びてくるかもしれない。もう少しひまになってじっくりFootballを見たいものだ。

09/27/水
2限の講義と3年の大学院。4限は修論指導。あいまにゲラを見る。とにかく一気にゲラを見てしまいたい。

09/28/木
今週はハードな日程だが、山場は本日。1限から4限までぎっしり授業があるうえに、昼休みに礼拝の講話があり、さらに夕方、新聞社のインタビューを受ける。朝9時から夕方の6時まで、ほぼ休みなくしゃべり続けた。疲れるかと思ったが、かえって元気になった。しゃべっていればストレスがたまらない。わたしはふだんは無口なのだが、しゃべりだすと止まらないところがある。とにかく山場を超えた。明日は午前中に小さな会議があるだけ。

09/29/金
大学は休みだが、写真家協会で午前中の会議。著団連総会。写真家協会は半蔵門なので近い。午後は自宅でゲラを見る。

09/30/土
妻とともに新幹線で新大阪へ。宝塚線で川西池田。妻の妹が迎えに来てくれていて、義父母の住む老人施設へ。義父母に会うのは久し振りだ。われわれがいまの御茶ノ水の住居に引っ越した直後に招いたことがある。4年前か。その後、義母の状況が困難になり、この施設に移ってきた。わたしはこの施設を訪ねるのは初めて。本日は大阪の高校の同窓会があるので、その機会に訪れることにした。義父母は元気そうだった。それから妻と馬場町へ。母校の大手前高校からも近い、大阪城が目の前に見えるホテル。最上階のホールは南北に窓があって、北側に大阪城、南側に難波宮跡が見える。快晴で周囲の山脈がすべて見えた。生駒山や二上山を見るのは久し振りだ。卒業50周年の同窓会ということだが、わたしは1年間休学したので落第している。本日は妻の付き添いで参加。といっても友人のほとんどはこの学年だ。佐々木幹郎や辻恵とは羽田プロジェクトで毎月会っている。佐々木は不参加。元代議士の辻恵はいまが大事な時期なはずだが参加。同窓会の支援を期待しているのか。しかし希望の党は維新との談合で大阪には候補者を立てないらしい。まあ、そういうことはいまはどうでもいい。1年の時、哲学的議論をしていた大切な友人の岩脇と再会できたことが何より。夫人とわたしの妻も知り合いなので、連絡はとっているのだが。東京では時々同窓会を開いているのだが、大阪の人々とは20年ぶりくらいだ。半年間だけ在籍した水泳部の仲間が覚えてくれていた。登校拒否を始めた時にいろいろと迷惑をかけた担任と、哲学を教えてくれた倫理社会の先生にご挨拶できた。校歌の指揮を頼まれていたのだが、スピーチも求められた。まあ、ゲストとして話した。懐かしい人々との再会は楽しい時間であったが、登校拒否をしていた1年間は、わたしにとってはつらい時期で、そのころの思いでは心の傷になっている。その1年で、最初の小説を書き、フランス語と物理学と仏教を独学した。『星の王子さま』の翻訳、『数式のない宇宙論』や『アインシュタイの謎を解く』、『般若心経の謎を解く』『仏教って何』などの本をその後書いたが、17歳の1年で独学したものだ。だから充分にもとはとった。それでも心の傷は残っている。とはいえ、妻と出会ったのも高校時代だ。一生の間の最高の山と最低の谷とが共存しているのが高校時代だ。その遠い想い出の中の人々と再会した。皆、当時の面影があった。だが老人になってもいた。だがこちらも同じ年齢だから仕方がない。妻は実家に残ったので、一人で新幹線に乗った。最後に校歌を歌わないといけないので酒を控え目に飲んでいたので、新幹線の中で心ゆくまで呑んだ。


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