「カラマーゾフ」創作ノート18

2014年6月

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06/01/日
猛暑が続いている。夜次男が来る。鶴岡に単身赴任しているのだが、次男の長男の小学1年生が初めての運動会だというので週末に四日市に帰っていたそうで、いつものように深夜バスで帰る前に酔ってくれた。運動会のようすをアイパッドで見せてくれる。日本の運動会はビシッと訓練されている。スペインの運動会とはえらい違いだ。深夜に近い時間、秋葉原まで送っていく。単身赴任の期間はもうすぐ終わるようなので、これが最後の秋葉原見送りかもしれない。次男は二児の父だが、わたしたちにとってはいつまでも末っ子だ。手を振って別れる。6月が始まった。前半は行事が多い。今月中にメモを完了したい。またメモがたまっているので入力もしなければならないのだが、腰の調子が完調ではないので、無理はできない。プリントをチェックした赤字を入力しないといけない。とりあえず半分くらいを先行して担当編集者に見てもらった方がいいかもしれない。

06/02/月
大学。1限はドストエフスキー、2限は桓武天皇について語る。話に力が入ったので疲れた。月曜はいつも疲れるが、午後の1年生は担任から外れたので少し楽。それでも学生のレポートを読んでいるうちに時間がつぶれる。学科会。帰りの電車の中でリーザがヒステリーを起こす。想定外の展開。もはやわたしのコントロールできる状態ではない。ドストエフスキーの霊のせいでもない。自分の深層心理の中から何かが出てくるようだ。

06/03/火
大学1限のあと学生のレポートの整理。やってすべての作業が終わってあわてて西新宿に向かう。著作権情報センターの理事会。少し遅刻した。西新宿から丸ノ内線に乗る。いつもは四谷で快速に乗り換えるのだが、いい位置に座れたのでそのまま仕事を続ける。淡路町まで、思ったより早く着く。丸ノ内線は皇居をぐるっと回っていくので遠回りだと思っていたのだが、停車時間が短いので時間はそれほどかからない。腰はかなり回復した。

06/04/水
学部長会議のあと、吉祥寺から井の頭線に乗る。去年の4月に引っ越してから、井の頭線に乗るのは初めて。吉祥寺の駅の改装工事が終わって、便利になった。転居前の何年か、工事中の仮設階段で乗り換えしていた労苦を思い起こす。引っ越してから完了したので何のメリットもなかった。下北沢で下りるので急行に乗った。下北沢は1年ぶり。小田急が地下化してから初めての下北沢。地下化したのだから駅前がすっきりしているだろうと思っていたのだが、すべて元のままだった。井の頭線から下りると意外なところに出口がある。妻と待ち合わせてなじみの店で中華料理を食べ、駅前を散歩。この1年間の間につぶれた店が驚くほど多い。三宿に26年間住んだので下北沢は散歩のコースだった。その26年間、ずっとあった店が、この1年間でバタバタと閉店した。小田急地下化の工事などで人の流れが変わったということか。街の雰囲気も変わっていくのかもしれない。三田和代さんが出演する『請願』という芝居を見た。加藤健一さんとの二人芝居。ひたすら会話だけで進む芝居なのでセリフが多い。70歳の姉がよく憶えたものだと感動する。終わって、地下化した小田急に初めて乗る。深い。大変な駅だ。

06/05/木
3限に読売新聞のインタビューを入れたので、6限まで、ずっとしゃべり続けていた。疲れた。あまりに疲れたせいか、帰りに武蔵小金井行きのバスに乗ってしまった。武蔵小金井の駅で乗降するのは生涯で初めてではないか。考えてみると中央線の駅でまだ乗降していないところがいくつかある。国分寺と豊田かな。意外に信濃町も下りた記憶がない。

06/06/金
休み。また3連休だ。ありがたいことだが、来週は多忙になる。本日は朝から雨。各所に洪水警報が出ている。散歩は中止してスーパーに行った。スーパーは住居のあるマンションの別棟にある。地下の駐車場を通ると傘なして行ける。ウイスキーとビールとチーズを買った。これでいくらでも籠城できる。プリントのチェック、残りが少なくなった。入力したぶんをプリントしないといけない。赤字を入れた部分を入力して、できたところまでを編集者に送るということも必要だ。とりあえず本日は入力を進める。残りのメモがノート2冊だけになった。6冊ぶんくらいたまっていたのが、ここまで追いついてきた。しかしまだ長時間作業を進めていると腰が重くなる。散歩に行けないのでマッサージチェアで腰を伸ばす。何とかもちこたえている。

06/07/土
医者に行って血液検査。健康診断だ。たまには医者に稼がせないといけない。あとはひたすら入力作業。電車に乗らないとメモが増えない。まあ、入力すべきメモがたまっているので、週末は入力に集中したい。ただキーボードを叩いて入力しているだけではない。メモはあくまでもメモにすぎないし、描写もなくセリフだけをメモした部分もあるので、キーボードでの入力は文体を維持する作業でもあるし、展開の矛盾がないかのチェックの作業でもある。実は入力作業がいちばん大変なのだ。プリントのチェックは最終確認なのでこちらも重要ではあるのだが、入力の時に集中して作業をしているので、文体が壊れているようなところはない。ミスタッチの修正と、しゃべり言葉の語調を整えるのに、少しくどいところを削除するという作業があるくらいで、ほとんど赤字が入らないこともある。だから、いちばん疲れるのはやはり入力作業だ。

06/08/日
今週も週末は3連休。だが来週はめったにないほどハードだ。腰の具合はかなりよくなった。ただまだ長時間のデスクワークはつらい。ずっと雨だったので、金曜はスーパーに買い物に行っただけ、土曜は医者に行っただけだったが、本日は神保町まで散歩。三省堂で本などを買う。駿河台下の交差点に向かう時、白水社の前を通る。その次にあるビルが、大昔、河出書房があったところだと思う。18歳の自分が、そこを訪ねた。大学にいる間、何度も原稿をかかえてそこを訪ねた。いまもうすぐ66歳になる自分がそのビルの前を通る。半世紀も前に、自分がそこを歩いていた。その時間というもののことを時おり考える。その河出書房を訪ねたのは、『Mの世界』が『文芸』に掲載されたあと、次の作品をもって訪ねたのだろうと思う。それはボツになったのだが、担当編集者とコネができた。その次に訪ねた時は埴谷雄高さんのところに連れていってくれた。駿河台下にある河出書房は住所は小川町だが、昔は地下鉄新宿線は走っていないから、丸ノ内線の淡路町で下りたのだと思う。たぶん新幹線で東京駅に着き、丸ノ内線に乗り換えた。淡路町という駅の名が記憶に刻まれていた。いま住んでいるところの住所が淡路町だ。何か因縁のようなものを感じる。さて、いよいよハードな週が始まる。週末が忙しいのだが、とりあえず月曜と火曜の1限をきりぬけたい。

06/09/月
1限はトルストイ、2限は最澄と空海について話す。疲れるが充実感がある。90分の講演の2本立てで、終わるとぐったりするが、学生のレポートを見るまでが仕事だ。『新釈カラマーゾフ』の追加のプリント100ページ。原稿用紙にすれば300枚ぶんということになる。これで400ページ、1200枚を超えたが、まだ完成していない。1400枚くらいの作品になりそうだ。今回プリントしたところは、大審問官や悪魔の3つの問いが入っている作品の山場だ。これから書くのはエピローグにあたる部分で、すでにクールダウンの状態になっていると見ていいのだが、エンディングでもう一山、盛り上がりを作りたいと考えている。とにかくプリントしてあれば、何度も読み返すことができる。今週はかなりハードなスケジュールで土曜に仕事が入っている。木曜、金曜、土曜と、かなりハードな状態になる。ここを切り抜けられるか。とにかく月曜はつねに最大の山なので、1つは終わったという気がする。

06/10/火
1限のあと研究室に戻らずに帰宅。本日から妻が実家に帰っている(両親の介護)ので誰もいない。パン一個の昼食のあと、少し仕事をしてから文藝家協会。常務理事会と理事会。その後、理事の方々と軽く飲む。本日は早朝に起きたのでわずかな酒で早めに寝る。

06/11/水
本日は休み。今週はかなりハードなので貴重な休み。免許の更新に行く。ゴールド免許なので5年に1度の更新が巡ってきた。いまの住居になってからは初めて。三宿にいたころは三軒茶屋の世田谷警察の裏に更新所があった。ここはどこに行けばいいかと思っていたのだが、4月に妻が更新して、神田橋の近くのセンターがすいていると教えてくれた。歩いて行ける。確かにすいている。手順もわかりやすい。案内のハガキといまの免許証を出すと、自動的に作業が進んでいく。お金を払い、本籍を確認するための暗証番号を設定し、目の検査、写真をとっておしまい。30分の講習を受けて新しい免許証を受け取る。これで5年は継続できる。5年後には71歳になる。それまで生きているのか。大学の先生はやめているだろう。仕事ももうしていないのではないか。それでは生活できないから何か書いてはいるだろうが。小説はいま書いているのがライフワークだが、歴史小説は続けて書くだろう。推理小説とかSFとか、楽しみで何かかければいいのだが、いまの出版事情だと、老人の書くものなど相手にされないのではないか。まあ、先のことを考えても仕方がない。月曜にプリントしたところを読み返す。捜査官ザミョートフとアリョーシャの、何ともドラマチックな会話がある。このちょっとした会話だけでも、山場のような哲学的な深みがある。すごい小説だなと自画自賛する。

06/12/木
作家の宮内勝典さんを招いて講演会。1960年代後半のヒッピー文化やアメリカ、インド、中米の話など、多彩な話が聞けて充実した内容になったと思う。院生2人を加えて吉祥寺で軽く飲む。よくしゃべる院生だったので白熱した飲み会になった。

06/13/金
昨日、今日、明日と3日連続でハードな日々が続く。本日は早朝に起きて教育実習の学生のようすを見に行く。花小金井の中学校。学生の授業ぶりは充実していた。校長と少し話をして、大学から託された手土産を渡し、役目を果たした。自宅に戻って休んだあと、出版クラブで歴史時代小説作家クラブ賞の授賞式。今回から選考委員長になったので、賞状を渡す役目。友人の岳真也さんが作ったクラブで今年で3年目なのだが、各社の編集者も参加する大きな賞に育った。明日があるので二次会はパスして帰宅。

06/14/土
3日連続のハードワークの最終日。朝、スペインの大敗を知った。今回はダメだろうとは思うものの、予選リーグは突破すると思っていたので、この大敗にはびっくり。スペイン人の孫が4人いるわたしとしては、今回もスペインを応援しているのだが。とににかく時間が来たので出発。あらかじめ予定を組んで新幹線の切符も買ってあるので予定どおりに動けばいい。昨日飲み過ぎたのか体調がよくないので新幹線の中ではハイボール1個にとどめた。新幹線の中は仕事ができる。かなりの量のメモ。大阪に付いた。パスモが使えるようになったので便利。地下鉄御堂筋線で淀屋橋。会場の中央公会堂は歴史的な建物で、高校まで大阪にいたわたしとしてはなじみの建物だが中に入るのは初めて。文藝家協会の主催で、山崎正和、内田樹の両氏と、関川夏央さんの司会でシンポジウム。レベルの高い話が展開された。わたしも必要なことは話せた。懇親会には大阪在住の会員や地元の記者と言葉を交わすことができた。きっちりと時間どおりに終わり、新大阪へ。余裕をもって切符を買っているので、時間調整のために喫茶店に入り、生ビール一杯飲んで仕事。それから新大阪始発の新幹線に乗り、また仕事。今日は大幅にメモが進んだ。

06/15/日
日曜は休みだ。今週はハードだった。のんびりとサッカーを見る。日本が先に点を入れたので楽な展開になるかと思ったが、引いて守ってしまいコートジボワールを調子づかせてしまった。ドイツ大会のオーストリア戦と同じ展開だが、逆転されたのが早い時間だったので、逆襲の可能性もあるかと期待したのだが、ずるずると負けてしまった。相手の方が実力が上だった。本田選手は点は入れたが疲れが目立った。本田トップ、香川トップ下の方がいいのではないかと思う。ギリシャに勝たないといけなくなったが、コロンビアに勝つのはかなり難しい。まあ、1勝1引き分けくらいで、よくやったという感じで終わってほしい。

06/16/月
1限はカフカ、2限は在原業平の話。月曜日ごとの2コマ連続の講義にも慣れてきた。3・4限は休み。5限は教授会などだが、学科会が短かったので早く帰れた。

06/17/火
1限の授業のあと研究室には戻らず自宅へ。入力作業が遅れているのでひたすら打ち込む。夕方、教育NPOとの定期協議。ここは自宅から徒歩10分ほどのところに事務所があるので楽だ。いろいろと難しい課題が提出されたが、とにかく承って、じっくりと対策を考えたい。軽く飲み会。早朝に起きたので深夜の作業はできず。

06/18/水
昨日の授業が終わったあと、学生の何人かが、お誕生日おめでとう、と言ってくれた。何で誕生日を知っているのだろう。本日はわたしの66歳の誕生日だ。父が亡くなったのが66歳の時だったので、ここを凌げば父よりも長生きすることになる。父はその数年前から糖尿病などで入退院をくりかえしていた。いまのところわたしはまったく元気だ。父はハゲていたが、わたしは髪の毛も充分にある。父は大きな会社の社長だった。父より金持になることはできなかったが、充分に幸福な人生を歩んできているし、父よりも長生きできそうなことを幸運に感じている。さて、本日は学部長会議があるだけなので、大学に行って、すぐに帰ってきた。あとはひたすら入力作業。電車の行き帰りにメモを少し。そのわずかな時間のメモでも、思いがけないアイデアがひらめいた。もうエピローグの段階になってもアイデアが続々と出てくる。どこまで行くのかわからないが、とにかくすごい作品になっていることは間違いない。

06/19/木
木曜日は3コマ。3年生の授業は就職指導の担当者がきて90分説明してくれたのでこちらはただ聞いていただけ。4年ゼミは5人来た。よく集まった方だ。大学院ゼミはいつもどおりの授業。明日は夕方に講演があるが、朝はのんびりできる。サッカーを見るかどうかは本日の仕事の状況を見て決める。

06/20/金
早朝に起きて対ギリシャ戦を見たが、仕事もしながらなので集中したわけではない。気がつけばスコアレスドローで気の抜けたような結果だった。その後も入力作業を続け、夕方、文藝家協会でサロントーク。長い一日。夜中もたっぷり仕事をした。

06/21/土
昼間、マッサージ。先月は腰を傷めた直後だった。それに比べれば腰はかなり改善された。ほぼ完治といってもいいのだが、もとがどうだったかわからないし、デスクワークをすると腰が痛むのでまだ本調子ではない。夜は八王子。コーラスの練習。皆さん元気そうでよかった。

06/22/日
本日は休み。二日酔いか体調がよくないと思っていたらいよいよ悪化していくので風邪かなとも思う。散歩にもいかず。入力作業をしていたのだが、だんだんつらくなってきて早めに寝た。

06/23/月
大学。1限ヌーボーロマン。2限は菅原道真。本日は4限もあって武蔵野の文学。それから西新宿に出て住友ビル。日大文芸賞の選考。終わっていたも会食になるのだが、4人の選考委員のうち、もとから飲まない人1名、体調悪くて帰った人1名、残りの1人も今夜は飲まないというので、体調のよくないわたしは、仕方がないので1人で飲んだ。選考委員が1人も飲まないというのでは、会食を設定してくださったスタッフの方々に申し訳ない。

06/24/火
1限のあと必要な事務手続きを終えてから帰宅。夕方、メンデルスゾーン協会理事会兼運営委員会。終わってから事務所の1階にある中華料理屋でビール3杯飲む。体調はまだよくないのだが、飲むと元気が出た。

06/25/水
朝6時に起きてサッカーを見る。前半は1対1の同点。後半の始めから見た。ギリシャがリードしていたので(結果としてもギリシャが勝った)日本がコロンビアに勝てば予選通過だったのだが、攻め続けているうちに逆襲されて、終わってみれば惨敗。しかしずっと攻め続けていたので、まあ、仕方がないかなという感じがする。結局、ディフェンスが弱く、コートジヴォワール戦で逆転されたのが致命的だった。前半のリードを守りきるという、守りを固めるシステムがなかった。攻め続けるのが自分たちのスタイルだという思い込みが監督にも選手にもあったのだろう。やりたいことだけやれぱいいというのは、売れない小説を書いているわたしと大差のないスタイルだ。わたしの小説はいつか売れるかもしれぬと期待しているのだが、リアルタイムで勝敗を競うサッカーの場合は、守る時にも守り抜くという堅固なシステムがないと、こういう世界大会で勝ち抜くことは難しいだろう。今回の大会は、スペイン、イタリア、イングランドと、強豪が惨敗してトーナメントに進めなかった。日本は楽なブロックに入ったのに、同程度の実力の相手につねに競り負けてしまった。次の監督はドイツ人かオランダ人がいいのではないか。昨日注文したパソコンが今日届いた。中古のウィンドウズ7。新しい8は使いにくいという話なので、中古の7にした。妻のパソコンなのでネットを見るのと家計簿くらいにしか使わない。青色申告で経理を担当してもらっているのでそれも仕事なのだが。しかしパソコンというのは使えるようにするまでに時間がかかる。スイッチを入れるとすぐに画面が出たので、これは中古の便利なところだが、セキュリティソフト、ATOK、メールの設定、プリンタのドライバー、家計簿の移し換えなど、やらなければならないことがたくさんある。10時ころから始めて、完了したのは夕方。やっと自分のパソコンでメールを見たら、イーブックジャパンから書類が届いていないというメール。他の書類といっしょに大学の研究室に置いてきた。電話をするとすぐにもってくるというので、ハンコをもってロビーで待つ。イーブックジャパンでは連載をしている。編集部は御茶ノ水なので、たぶん5分くらいで来られる。ハンコを押して担当者と雑談。紙の本はなくなるのか、といった話をする。本日は入力作業を続けたが、メモが本当にただのメモだったりするところもあるので、きちんと入力するのに時間がかかる。ゴールは見えているのたがまだ先は長い。

06/26/木
大学3コマ。3年ゼミは就職のことなどを話した。4年ゼミは8人も学生が来たのにで研究室が賑わった。院生はいつもどおり。木曜日が終わるとほっとする。今週は他の用がないので、金曜日から3連休になる。

06/27/金
3連休の初日で、さあ、仕事だ、と思っていたのだが、しばらく車を動かしていないというので、車のご機嫌をとるためにドライブすることにした。目標を木更津ということにして、海ほたるで昼食。それから木更津のアウトレットに車を駐めて、妻と別れる。アウトレットというところは、時々行く。妻が買い物をしている間、のんびりビールを飲みながら仕事ができる。とくに本日は空いていたので、たっぷり仕事ができた。エンディング直前の最も重要なところが書けた。十歳の少年が出てきて、ドミトリーにシベリアについて尋ねるという、ずっと前から考えていたエピソードがうまくかけた。虚構の世界と歴史とをつなぐ重要なシーンだ。トルストイの「戦争と平和」ではアンドレイがナポレオンと会うシーンがある。まあ、そういった仕掛けで、この十歳の少年はレーニンなのだ。軽くビールを飲むというのが、効果的だったらしい。ここのフードコートは、中華料理と寿司屋がビールを出している。中華料理のビールはプラスチックのコップで、寿司屋は紙コップ。紙コップの方が口あたりがいい。せっかくアウトレットに来たので一人で一周した。とりあえず運動靴がストックがなくなっているので、プーマとナイキで靴を買う。アディダスもあったが、サッカーシューズばっかりだった。わたしはものすごくフォーマルな席ということでなければ、どこへでも運動靴で行く。もう老人なので、楽に歩くということを最優先している。黒っぽい革の運動靴で、ナイキの模様が入っていてもかまわない。5000円前後。それ以上のものは買わない。サイズは1センチ大きいものを買う。運動靴は幅が狭いのでサイズどおりのものだと苦しい。あと、夏に豪雨にあった時のために、軽量のパーカーを買った。買い物はそれだけ。3時間くらい、ひたすらメモを書いていた。どうやらメモはゴールに到達したという感じがした。あとはアレクサンドル二世暗殺のシーンがあるのだが、これは歴史的事実をそのまま書くことになるのでメモは不要だ。最終的なエンディングは入力が終わったところで、腹を据えて書き込む。「あとがき」も必要だろうが、全体を読み返してから考えればいいだろう。いちおう出だしの下書きみたいなものはノートのどこかに書いてある。久しぶりに動かした車は、ちゃんと動いた。運転したのは妻で、わたしは景色を眺めていただけ。木更津のアウトレットは意外に近いところにあった。本日はたまたま空いていただけかもしれないが、ひっそりとしていて快適だった。もっとも7月中旬にリニューアルするようで、工事が進んでいたから、客は工事を避けていたのかもしれない。サッカーWカップは予選が終わった。ヨーロッパのラテン勢(スペイン・ポルトガル・イタリア)は全滅したが、中南米のラテン勢はエクアドルが負けただけで、南米5チームにメキシコ、コスタリカが勝ち抜いた。これとゲルマン勢(オランダ・ドイツ・ベルギー・スイス・フランス)の闘いになる。わたしの予想では、準決勝はブラジル対ドイツ、オランダ対アルゼンチンになるだろう。ゲルマン対ラテンの対決になる。南米勢がアルゼンチン以外はブラジルの山に固まっているところが、運命のいたずらか。ブラジルは南米の大会ではよく負ける。研究されているのだろう。チリ、コロンビア、ウルグァイどこも強い。オランダはメキシコのキーパーを突破できるか。わたしは気持としてはオランダを応援している。ただオランダ対ベルギーみたいに隣の国に意外と弱いのではないか。ブラジルもチリが鬼門だろう。

06/28/土
雨が上がったので近所の床屋に行く。すいていた。いつも5人くらい待っているのだが。雨上がりだったせいか。ここの床屋は作業が早い。5分くらいでカットは終わる。あとは頭を洗って、ものすごく乱暴にヒゲを剃っておしまい。1600円だと思ったら100円値上がりしていた。考えてみると消費税アップ後、初めて散髪するのだ。めったに散髪しない。ヘアスタイルにこだわらない。ずっと延ばしていてもいいようなものだが、これから夏に向かうので涼しくしたい。夜中、ブラジル対チリを最後まで見てしまった。まさに死闘だ。実力は互角のようだった。PK戦は残酷だが、見ているぶんにはおもしろい。チリを応援したい気分もあったが、地元のブラジルが負けたら大会が盛り上がらないので、まあ、ブラジルが勝ってよかった。

06/29/日
豪雨が降っているのを窓から眺めていた。本日は散歩もせず。ひたすら入力作業。腰が疲れた。

06/29/日
日曜は休み。ひたすら入力作業。終章として打ち込み作業を続けてきたのだが、40ページに達したので章を改めることにした。ここまでを第十一章として、ここから先を第十二章とする。この章は少し短くなるか。まだメモがかなり残っているし、メモを作らずにいきなり入力する部分もあるのでそれほど短くはならないだろう。とにかくこれでいよいよ本物の終章だ。ここから先は短くエピソードを積み重ねていくような感じになるだろう。いよいよゴールがはっきり見えてきた。

06/30/月
1限はカミュ、2限は紫式部。この2限の武蔵野市寄付講座は前期だけなので、あと1ヵ月だ。90分授業というのは講演を1回するようなものだから、これが2コマ続くというのは、かなり疲れる。だがとにかくあと1ヵ月だ。本日は学科会がないので早めに帰る。入力作業。このところ腰の調子がいいので何とかもちこたえている。これで6月が終わった。この時点でゴールが見えているので、予定どおり8月には完成するだろう。その次の仕事を考えないといけない。いまのところ何も考えていない。少しのんびりしてもいいかなとも考えている。


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