「犬との別れ/その他」創作ノート2

2004年04月〜

03月 04月 05月 06月 07月


04/01
引き続きパソコンの設定。ホームページのファイルの移動などは、パソコン同士をケーブルでつないで送り込む。漢字の変換に一太郎のつATOCKを使っているので一太郎を入れる。キーボードは昔東芝のワープロ専用機を使っていたなごりで、スペースバーの右がカタカナ、左がひらがなという設定にしている。このキー配列と漢字辞書の移動に手間取る。パソコンを買う度にやったことなのだが、忘れている。メールソフトに過去のメールを全部移動、アドレス帳も移動して、これで万全、と思ったら、モデムが動かない。光ケーブルなのでモデムは要らないのだが、インデックスページのミラーサイトを別のプロバイダに置いているので、それだけは電話で送らないといけない。結局、もはや二度と書き換えないように、押しボタンだけのインデックスを作って旧いパソコンで送信する。ハイホーのページ(灰色)から入った人は手間がかかると思う。緑色のインデックスページが出たところで、「お気に入り」に入れてほしい。すべての作業が終わり、ようやくこの日記を書いている。これで旧いパソコンを片づけてしまえる。
パソコンの設定の作業にはプレッシャーがある。そこから逃れるためと、今夜は嵐になるという天気予報なので、妻と花見に出かけた。まずは目黒川。この前行ったときは全然咲いていなかったが、さすがに満開になっている。途中で左折して西郷山公園へ。代官山をぶらぶらしているとハチ公バスが来たので乗る。渋谷を通り越して、代々木プールの前で降り、原宿方面に向かう。代々木公園の中の桜の園というところで桜を見る。缶ビール2本をもっていたのだが、西郷山と代々木公園で1つずつ飲む。代々木八幡の駅まで歩くと、ちょうど小田急の普通が来た。地上駅なので道路からそのまま駅に入れる。高架だとそうはいかない。小田急高架反対闘争の一員であるが、残念ながら梅ヶ丘から先は高架になってしまった。下北沢から、いつもの北沢川緑道。「ご近所の桜」のフルコースである。北沢川に人工のせせらぎがあり、カルガモやコサギがいるのだが、見慣れぬ鳥発見。川の中でかたまっている。ヒナと成鳥の中間くらいで、まだ親の庇護が必要な感じ。迷子になったのか。通りがかりの人が、断定的に「ゴイサギです」とささやいた。ほんまかいな。鳥は突然、木の上に舞い上がった。何だ、飛べるのか、と思ったが、そこでまたかたまってしまった。

04/02
めじろ台男声合唱団のメンバーの水彩画の個展に出向く。八王子市のクリエイティブセンターというところ。図書館なども入っている総合施設だ。絵を見ているとメンバーも集まってきて、近くの中華料理屋で宴会。自宅に帰って、旧いパソコンを撤去。昼間の間に、新しいパソコンのモデムを調整して、電話がかかるようになったし、旧いパソコンの必要なファイルをすべて新しい方に送り込んだので、もう並べておいておく必要がない。自分の仕事場のデスクの上に移動。ここには電話線はないので、もはや世界とはつながらない。旧いプリンターのインクのストックが残っているので、自分の仕事には使いたい。活躍していたパソコンが、リタイヤしている姿は、何となく寂しい。息子たちとも共用していた思い出も残っている。この旧パソコンは、リセットせずに済んだ。ついでに部屋の片づけをする。

04/03
花はまだ咲いているようなので、妻と三軒茶屋まで散歩。パソコンの設定がほぼ片付いたので、仕事に集中できる。「犬」を最初から読み返す。少し修正したが、これでいいという感じになっている。あとは先に書き進むだけだ。これから2カ月くらいかかるかもしれない。

04/04
冷たい雨。冬が戻ったみたいだ。新しいパソコンの画面はとても明るい。テレビみたいだ。こうなるといま仕事用に使っているノートパソコンが暗く見える。まあ、文字情報しか見ないから、これでやっていく。

04/05
文化庁。著作権課長と面談。必要なことを話す。充分なご理解を得られたと思う。午前中に起きると一日が長い。

04/06
「犬」に取り組む。これはユーモア小説であるべきだが、シリアスな内容も入るので、文体には緊迫感が必要だ。ここまでの文章はいい感じになっているとは思うが、だらだらと犬の話を書いてしまうと文体がゆるむ。少し調子の出たところで、主人公の内面に踏み込んでいく視点が必要だ。どうでもいいことだが、わたしは仕事は自分のノートパソコンでしている。インターネットは買ったばかりのこのパソコンでやる。文章を入力するのは、メールと、このホームページ用の文章だけだ。パソコンが新しくなって、画面が明るくなった。画面が明るいと、気分まで明るくなる。

04/07
下北沢に散歩。花はまだ咲いている。花が咲いている間は、なるべく北沢川緑道を通りたい。暖かい春の風が吹いていて、花吹雪が舞っている。パソコンを買った時にもらった商品券でCDを買う。何を買ったかはここには書かない。「小説の書き方」の担当編集者からメール。14日に見本が出るとのこと。タイトルは「こころに効く小説の書き方」。もう1つの候補として、「ハートに届く小説の書き方」というのを考えていたのだが、あえて女の子向きのタイトルにせずに、ストレートに「こころに効く」というのにした。本気で小説を書こうとしている人には、こちらの方が訴求力があると思う。

04/08
バジリコ出版の中村くんと花見。下北沢で飲む。

04/09
母の様子を見に行く。元気そう。さて、前日、中村くんと打ち合わせをしたので、いよいよ本格的に「犬との別れ」に集中することになる。これまでのところ、犬との出会いについて書き続けてきたわけだが、このあたりで自分について書かないといけない。その切り替えのタイミングが難しい。

04/10
作家には土曜も日曜もないのだが、わたしは公用が多いので、世の中が休日の時は、少し気分が落ち着く。「桓武天皇」の再校が届いた。長い作品なので読むのがたいへんだ。しかし、この半年間、心血を注いだ作品なので、ベストを尽くしたい。並行して「犬」も書く。中村くんと飲みながら構想を話した。伝わったとは思うのだが、かなり酔ってから話したので、こちらも何を話したか正確には覚えていないし、中村くんもかなり酔っていたので、内容が充分に伝わったとは思えないが、それでてい。要は、この作品にかける作家の意気込みが伝わればいいのだ。
夜中に突然、茨城県にいるはずの次男が酔って帰ってくる。友だちもいっしょ。まったく何が起こるかほからない。

04/11
次男と友だちが帰ったあと、女優の姉が来る。宴会。

04/12
今週は何か忙しそうだ。本日は公用がないのだが、メールがとびかっている。メールを読むだけで世間とつながっている感じがするのが、インターネット社会の面白いところだ。

04/13
急に寒くなった。三宿のあたりを散歩。散歩には毎日出かける。一日休むと、その次の日の散歩の時に疲労感を覚える。体が老化しているのではないかと思う。「犬との別れ」いままで書いたところを何度も読み返している。犬の話から私小説の領域に踏み込むタイミングをはかっている。あまり早い段階で私小説のムードを出すと暗くなる。しかし犬の話が長くなりすぎても気が抜ける。犬を自宅につれてきて眺めているところで、一つの転調を試みたい。ただしあまり深く掘り下げずに、一般の読者でも了解できる程度の内容にとどめておく。テンポを崩さずに、すぐに犬の話に戻ることとする。昨日、散歩している時に、もっとユーモアが必要だ、と思ったのだが、読み返してみると、やや重苦しい感じで、ユーモアを入れる余地がない。しかし、部分的には笑えることも書いてあるので、このままにする。無理に笑いを入れようとすると気が抜ける。
2年前、初孫の洗礼式に参加するためにスペインへ行っている間に、プロ野球が開幕し、パリの空港で隣の席のおじさんが読んでいる新聞に阪神が何連勝かしているという記事を見て以来、世の中は間違っているという気分になって、プロ野球への興味が失せた。その後は客観的に眺めているつもりで、だから今年、開幕3連敗してもどうということはなかったのだが、本日の逆転勝ちはNHKのハイビジョンでずっと放送していたので、少し感動した。10時までは別のチャンネルのスコットランド鉄道の旅のという番組を見ていて、念のためにチャンネルを変えてみたらまだ延長戦をやっていたので驚いた。今年になってからハイビジョンを買ったのだが、買ってよかったと思える最初の体験であった。

04/14
塾関係者と打ち合わせ。塾と私立校を含めた組織を作りたいということで、大いに歓迎すべきことである。学校の副教材や塾の教科書などの国語関係の教材に文芸作品を転載する場合は、著作者の許諾が必要であるが、学校や塾が著作者をつかまえて許諾を求めることは大変な手間である。それでいままでは勝手に教材を作っていたのだが、生徒の目の前で学校や塾が違法行為をするのは、教育という観点から考えてもあってはならないことである。学校や塾が組織を作ってくれれば、こちらも対応できる。というような公用のあいまにもちゃんと自分の仕事はしている。「犬との別れ」。ようやく調子が出てきた。

04/15
自治労都本部の文芸賞の選考。毎年、直木賞作家で大学の同窓生の笹倉明と選考する。笹倉はふだんはつきあっていない。どこにいるかわからない人物である。伊豆に寿司職人の修行をしているとか、わけのわからないキャラクターだ。大学一年の時の同級生で、長いつきあいである。岳真也氏主宰の「21世紀文学」の同人でもあるので、年に一回くらいは、岳さんの呼び出しで会う。年末の同窓会がある。それとこの自治労の選考でも会うので、少なくとも年に3回は会う。それ以外はめったに会うことはないので、貴重な機会である。本日の選考では、中間小説的になかなかうまい作品と、自治労らしい労働の現場がリアルに描かれた作品があった。迷ったが、労働現場のいきいきとした様子が描かれた作品を優先した。うまい作品は、余人には及びがつかない。現場をいきいきと描くことなら、誰でも、努力すれば書ける。労働者に支えられているコンクールなので、読者に希望を与える作品を選びたかった。選考の後、軽く飲む。

04/16
文芸家協会理事会。毎回のことだが報告すべきことが多く長くなる。なるべく簡潔に話した。教科書準拠ドリルの過去20年ぶんについての協定や、図書館関連の報告をする。これはスムーズにいったのだが、入会審査問題でやや紛糾した。入会審査の基準を設定することが難しくなっている。以前は本2冊という基準があってこれはいまも活きているのだが、評論家などはすでに文芸誌などで活躍している人でも、なかなか単行本が出せない状況である。逆に、いまは自費出版が盛んで、有名な出版社でも自費出版の部門をもっているところがあるので、誰でも本が出せる。短歌、俳句、現代詩などは、ほとんどが自費出版といってもいいが、それなりに見識をもった人が、ただお金を出しただけの自費出版と、ある程度、その分野で評価されている人とを判定すべきなのか、そういう権威主義を排して、著作があれば入会を認めるべきなのかが難しい。また、ルポ、エッセー、体験記などで人気のある人もいるし、さまざまな入門書の類を書いている人も、学者ではなく、自費出版でもないので、文芸家として認定すべきだという考え方がある。わたしの考えはこれに近い。リテラリーとは、文字で書いたものというくらいの意味だから、いわゆる芸術作品だけが文芸ではない。料理のレシピやパソコンの説明書はともかく、読み物として読者の支持を受けているものは、文芸と認めるべきだろう。

04/17
昨日、第一章を読み返して、文体が完璧であることを確認した。これで次へ進める。やや暗いユーモアがあって、純文学として面白すぎるかもしれないが、いま純文学としての基準は崩壊しているから、本がある程度売れないと話にならない。そのために文体のチェックを続けてきたのだが、自分でこれだと思えるところまで文体が完成した。作品を書くときはいつもそうだが、その作品に適合した文体の確立までに時間がかかる。一つの文体で押し切る個性派の作家がうらやましいが、作品ごとに文体を変えるのが自分のスタイルなので、この労苦は避けられないし、これが楽しみだともいえる。
めじろ台男声合唱団の練習。本日は全員集合。来月、女声合唱団とのジョイントコンサートがあるので、ちゃんと練習しなければならない。バスとバリトンはパート練習をしているようだ。こちらはほどんど初見で歌うものもあるので、老眼のため文字がよく見えない部分があった。少なくとも楽譜に大きな文字を書き込むなど対策を立てないといけない。

04/18
よい天気。日曜。ひたすら仕事。

04/19
本日は公用なし。明日から忙しくなるので、本日は自分の仕事に集中したい。「犬」の文体が固まって順調に動き始めた。作業のスケジュールが遅れ気味で、「桓武」の再校、「団塊老人」の初校の作業も加わることになるが、締切ということにはこだわらずに、自分でこれでいいと思うレベルに仕上げたい。その後の仕事は、物理学とキリスト教の入門書で、こちらの方で作業の遅れを取り戻したい。夏休みには孫が来るかもしれず、そうなると仕事にならないことが予想される。あんまりのんびりしているわけにもいかない。

04/20
昨日の夕方のローカルニュースで、茨城県で高音ガス炉の実験で800度を突破したというニュースがあった。わたしの認識ではこれは大変なことだと思ったが、7時の全国ニュースでは何の報道もされず、今朝の新聞にも何も出ていない。まあ、一般の人の認識とはその程度のものだろうし、原発に対する警戒感がマスコミにあるのかもしれない。わたしも、原発の安全性については、もっと厳しく管理しないといけないと思っているが、そのことを前提として上で、やはり800度を超えるというのはすごいことだということを、誰も読んでいないかもしれないがここに書いておきたい。
800度を超えると何が起こるかというと、水を熱分解できるのである。といっても、お湯を沸かして800度になると水素と酸素に分解するということではない。硫酸を熱すると、酸素と亜硫酸に分解する。この亜硫酸を100度くらいに冷まして、ヨウ素の水溶液と反応させると、水溶液の水から酸素が奪われて、亜硫酸は硫酸になる。酸素を奪われた水は水素になって、ヨウ素と反応してヨウ化水素になる。これは200度くらいに熱すると硫酸から分離できる。このヨウ化水素に水のシャワーをあてるとヨウ素は水に溶けて、水素が発生する。ここで、水素が得られる。
結局、何が起こるかというと、ヨウ化水素にあてた水のシャワーの水から、水素が発生し、残った酸素は亜硝酸に取り込まれて硫酸になり、これが800度で酸素になって、硫酸は亜硫酸に戻る。このシステムでは、硫酸→亜硫酸→硫酸というサイクルと、ヨウ素→ヨウ化水素→ヨウ素というサイクルは、両方とも閉じたサイクルなので、原料の供給の必要はない。注入した水が、水素と酸素になるという反応が継続的に起こることになる。つまり、水が800度の熱で分解されたということになる。
水素が得られると何が起こるか。ボンベにつめて運べる。内燃機関にして水素エンジン車にしてもいいし、ジェット噴射やロケットにして飛行機に用いてもいい。水素電池にしてモーターを動かしてもいい。これまで原子力では、お湯をわかしてタービンを回すということしかできないかった。風車を動かすのと同じことで、これは効率がよくないだけでなく、結局、交流電気して起こせないから、電気のコンセントがないと使えない。電車は動くが、車や飛行機には使えなかった。原子力で水素を作ることができれば、利用の範囲は無限に広がる。水素は燃焼しても水蒸気が出るだけだから、排ガスの心配もない。地球温暖化の原因の二酸化炭素が出ない。さらに、この高温ガス炉では、熱を伝える媒体としてヘリウムを使う。ふつうの原発は水を使うのだが、一次冷却水は中性子を吸い込んで放射性をもつ。この冷却水漏れが、原発事故の大半を占める。ヘリウムは空気よりも軽いガスだから、万一漏れても、空気の上層に飛散するだけだ。
創作ノートにこんなことを書いてもしようがないが、わたし「アインシュタインの謎」といった本も出しているので、いつかまたこの種の本を書くかもしれない。さて、本日はこれから上智大学へ行く。臨時の講師を3回だけ務める。その後、めじろ台男声合唱団のパート練習に参加する。飲まずに帰って仕事をしたい(たぶん無理だ)。
いま帰ってきたところ。上智の講師は百人以上の学生がいたが、皆熱心に聴いてくれてうまくいった。それから南北線に乗って東横線の妙蓮寺。めじろ台男声合唱団のメンバーで、わたしと同じように引っ越したあともめじろ台に通い続けている人の自宅でパート練習。テノール4人集まる。終わってから軽く飲む。まだ妻が起きている時間だったので、学芸大学前から電話して車で迎えに来てもらう。それほど酔っていないので、これから仕事をする。

04/21
NPOの打ち合わせ。広報部長一人では作業が推進できないので、フリーのデザイナーに協力してもらうことになった。紹介してくれたのはわが教え子。仕事の内容が多岐にわたるので一度に説明するのも難しいが、とりあえず説明して作業に取りかかることになった。実際に動き始めるのは連休明けになる。その他、文藝家協会の書記局とも打ち合わせ。さまざまな作業を同時並行で進めなければならない。5月も引き続き忙しくなりそうだ。自分の仕事は、校正者の手の入った再校ゲラが届いたので、最終チェックの作業に入っている。すでに何度も読み返した原稿だが、出だしの部分は魅力的だ。巻末に主要登場人物のリストが付いているのだが、その80人を超える人物名を眺めるだけでも壮観である。これらの人物が、すべて作品の中で、いきいきと動いていれば、小説は成功であるが、読者がどのような感じるか、祈るような気持ちだ。ゲラを読み返しただけではわからない。作者にとっては親しい人物でも、読者にとってはなじみのない人物のはずだ。百済王明信、などといっても誰も知らないだろう。桓武天皇は永遠の恋人である。和新笠という名も誰も知らないに違いない。桓武天皇の母親である。しかしこの作品を読んでいただければ、すべての人物が読者にとって親しいものに感じられるはずである。そして、京都という巨大都市の成立に到るスペクタクルな物語を楽しんでいただけることと思う。

04/22
文化庁。点字図書館からの要望について、補足説明をする。視覚障害者の読書権を、著作権が不当に侵害することがないように、最善を尽くしたいと思う。
時間があいたので、フォーラムのカフェテリアで休憩。真夏のように暑いので軽くビールを飲む。そこで仕事2件すます。夜は私立学校の関係者と著作権についての打ち合わせ。話し合いによって解決する道筋が見えてきたように思う。

04/23
本日は公用なし。「桓武天皇/平安の覇王」の再校ゲラ。完了。長い仕事が終わった。歴史小説を書くといつも思うことだが、フィクションとして書いていても、書き終えた頃にはすべてが事実であったような気がしてくる。わたしの桓武天皇はピュアな人物である。志をもったピュアな人物というのは、歴史の中でもあまり存在しない。わたしもどちらかといえば、野心をもっていたり、屈折があったりといった人物が好きなのだが、ピュアであるということは素晴らしいと思うようになった。これはわたしが創った人物像なのだが、桓武天皇が本当にそんな人物であったといまは信じている。読者にもそんな気分になっていただきたい。

04/24
土曜日。久々の休み。こういう時は自分の仕事に集中しないといけない。雑文2件を片づけるために今日は散歩にいかなかった。体がなまる。明日はまためじろ台男声合唱団のパート練習がある。パート練習といっても全員集合らしい。
「犬との別れ」を書くために、リュウの最期の頃の創作ノート(400円ミステリーの頃)を読み返していると、最後の9月のところが、途中で途切れている。自分のホームページからたどったのだが、試しに自分のパソコンのファイルを見ると、ちゃんと最後まで書いてあった。ということは、最後の部分をサーバーに送るのを忘れて、そのままになっていたのではないか。するとこの創作ノートのファンの皆さまには、リュウノスケの葬式のことなどが伝わっていなかったのだ。申し訳ない。「400円ミステリー」の9月のページの最後のところを見ていただきたい。

04/25
パート練習は中止になったらしい。それで散歩に出かける。昨日、今日と、次男が来ているので、ごちそうがいっぱい出てくる。ふだん、老人2人だけの時は、質素な食事をしている。「犬との別れ」順調に進んでいる。雑用はすべて終わったが、明日、明後日と、公用があってややハードだ。

04/26
久々に午前中の会議。著作権教育についての協議会。何だかわからない会議であった。終わってから先週で味をしめたフォーラムのカフェテリアへ。本を読んで時間をつぶす。それからペンクラブの総会。貸与権についての補足説明。懇親会はウイスキー一杯飲んで引き上げる。一杯というのは文字通り一杯ということ。

04/27
本日も一日に2件仕事がある。ダブルヘッダーは精神的に疲れる。お茶の水の雑協で貸与権連絡会議。前進はしているが、一気に前進というわけにもいかない。なかなか大変である。上智の講義は2回目。先週入った入口が強風で閉鎖されていた。違う入口から入ると、建物の中で迷った。終わってゼミの学生と軽く飲む。局地的な現象かもしれないが、上智の学生は早稲田に比べて明るい。わたしの次男も上智だったが。

04/28
昨日の上智での講義で、今月の公用は終わり。本日は妻の運転で三ヶ日の仕事場に移動。この浜名湖の仕事場では、朝方の生活にするので、本日は酒を飲んで寝るだけ。

04/29
妻が実家へ行くというので、鷲津の駅まで送っていく。久しぶりに車を運転する。三ヶ日から鷲津にかけての道路はすべて片側一車線なので、運転に支障はない(都内の広い道路で車線変更するのは疲れる)。妻を駅で降ろして、スーパーへ行き、食べ物と発泡酒(アサヒの青い缶)と、缶チューハイを買う。ここで失敗。ライムを買ったつもりが、帰って飲んでみるとウメだった。ウメは嫌いだ。24個も買ってしまった。

04/30
妻が義父母を乗せて到着。さて、「犬との別れ」は、犬から離れて、仕事の行き詰まりのことなど、プライベートな領域について書いている。犬の話題だけでは面白くない。私小説なので、自分を見つめないといけない。少し気持ちが暗くなる。犬が来た時期というのは、「デイドリーム・ビリーバー」を書いていた時期で、この自分にとって最大の作品は、書いている時は希望が見えずつらかった。本を出してもあまり売れなかった。思い出すだけでも苦しくなる。

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