仏教を深める創作ノート13

2015年10月

9月に戻る 11月に進む 月末
10/01/木
大学。大学院の修論構想中間発表。問題なく終わった。よかった。結婚させられそうになった困惑する親鸞。

10/02/金
金曜は休みだが、三鷹サテライトで講座。持統天皇について。2時間の講演。時間ぴったりに語りきることができた。われながら充実した講演だ。夜は教材出版社と打ち合わせ。軽く飲んだ。九条兼実と法然の問答の場面が終わった。そこから牛車に乗って兼実邸に向かうシーンはすでにメモが少しできている。こんなふうに時間を前後して書けるところから書くことがある。牛車に乗り込む前に、紅葉のシーンを入れる。六角堂の夢告の前後は桜の季節だ。季節感というのは、日本の小説を書く場合は注意して意図的におりこまないといけない。ストーリーに集中しすぎると季節感がうすれてしまう。たえずいまは何月、と考えて、花は咲いていないか、紅葉はどうかと気に掛ける必要がある。旧暦なので、季節が一ヵ月くらいずれることがある。ネットで簡単に暦がわかるのでありがたい。

10/03/土
本日は休み。明日は大学で入試があるので貴重な休みだ。今週は火曜も金曜も大学のサテライトに行ったので、本日以外はずっと大学に行くことになる。牛車に乗った親鸞が兼実邸に到着。

10/04/日
AO入試の面接。武蔵野文学賞高校生部門という催しを数年前からやっていて、それの予選通過者にはポイントが与えられる。有望な書き手が2人ほどいて楽しみだ。親鸞がいよいよ玉日と顔を合わせる。

10/05/月
日曜に出勤して連続の月曜はつらい。アキ時間も雑用でつぶれる。武蔵野文学賞。こちらは高校部門ではなく、大学在学生と卒業生が対象。わがゼミの学生も応募している。候補作を選ばなければならない。

10/06/火
本来は休みだが、用ができたので有明キャンパスに行く。今週は驚くべきことに週末も含めて休みがまったくない。夜はイーブックジャパンの担当者と打ち合わせ。近くの店で軽く飲む。

10/07/水
2限の2年ゼミ。学生にプレゼンテーションさせる。しっかりとしたプレゼンテーションができる学生がいて驚く。入力が進んでいる。メモは往復の電車の中でしか書けない。快速では時間が不足するので最近は帰りは総武線各駅停車に乗ることにしてといる。三鷹始発なので空いているのが何より。

10/08/木
木曜は4コマ。ただ修士論文の学生はほぼ出来上がっているので来なかった。それでも雑用があって時間がつぶれる。武蔵野文学賞の候補作のコピーを最終審査の先生に渡せた。これで自分の作業は終わった。高校生部門の入賞者もすでに選んで通知してある。あとは先生方の感想が届くのを待つだけ。6限の授業があるので自宅に帰ると9時になる。親鸞はまだ九条兼実邸にいる。早くこの場面を終えてしまいたい。ここが終わると展開が早くなってストーリーが進んでいきそうだ。

10/09/金
文藝家協会でオーファン勉強会。メンバーが増えて充実した会になった。雑用が多く本業が進まず。

10/10/土
羽田プロジェクトの講演会。大手前高校先輩の下重曉子さんの講演と、小室等さんらの演奏。聴衆の入りが心配されていたのだが、まずまずの入りでほっとする。今週は一日の休みもないハードな週で、明日も明後日も仕事があるので、二次会には出席せずに自宅で仕事。先週も日曜に入試があった。今週は講演。日曜に仕事をすると、翌日の月曜が2コマ講義のある日なので、疲れがたまっていく。今週は火曜日に有明キャンパスに行ったのが予定外の急用だったので、これがやや負担になっている。とにかくこのまま先に進むしかない。

10/11/日

東武博物館での講演。去年もやった会場なので慣れている。初めての会場だと行くまでに地図で調べたりする手間がかかるのだが、御茶ノ水という、東京の中心に住居があるので、どこへ行くにも便利だ。が、本日の会場は東向島という、ちょっとヘンなところなので、2回の乗り換えが必要。千代田線で大手町、半蔵門線に乗ると押上止まりだったので、そこでも乗り換え。それから曳舟で乗り換え。本日は3回乗り換えになった。実は一回乗り換えで行く方法がある。少し歩くのだが、須田町の交差点まで行けば銀座線神田駅の入口があり、浅草で東武に乗れば1回乗り換えで行ける。しかし小雨模様の天気だったので、濡れずに行ける千代田線を選択した。親鸞はいよいよ玉日との初夜のシーン。空海でも史実になり恋愛シーンを描いたのだが、親鸞は史実でも結婚するので、避けて通れない場面だ。どこまで描くかは迷うところだが、浄土真宗の人も読むだろうから抑えめにする。

10/12/月
世の中は祝日だが大学はオープン。いつもどおりの2コマ。この月曜の2コマにも慣れてきた。早朝のラグビーは見なかったがアメリカに快勝。見事な3勝目だった。トーナメントには進めなかったが、勝って終われるのはめでたい。大学の研究室で正午ごろ、ネットの動かない表示板で49ナーズ対ジャイアンツ戦の結果に固唾を呑む。終了30秒前まで49ナーズがリードしていたが、ジャイアンツが奇蹟の逆転勝ち。学科会を終えて帰宅するとジャイアンツも勝っていた。footballのジャイアンツの勝利に舞い上がっていて、日本のジャイアンツのことを忘れていた。

10/13/火
本日は休みだが、夕方、自宅のある集合住宅のロビーで千葉大学図書館の担当者と打ち合わせ。同行してきたのが文化庁でお世話になった人だった。ずいぶん昔のことだ。文科省や文化庁は底の平たいピラミッド型の構造で、底辺で働く人は多いのだが、いつの間にかいなくなる。国立大学や美術館、博物館など、天下り先が多いのでそういうことになっているのだが。久々に再会できるのは楽しい。

10/14/水
本日は2限の授業だけだが、月曜日の100人の講座に2コマの受講者のレポートが3回分たまっていたので、評価を出席簿につけていく。4時間半かかった。そのうち慣れるだろうが。本日から妻が実家に帰った。録画したfootballをのんびる見る。

10/15/木
大学。4コマの日。ひたすらしゃべり続ける。

10/16/金
休みだが内閣府で仕事。障害者ポスターの選考。これは絵を見るだけだからラクだし、こちらは委員長なので段取りをつけるだけでいい。すんなりと決まってよかった。自宅に帰ってひたすら打ち込み。ようやく親鸞の結婚の場面が終わった。作品の最大の山場が終わった。次の山はまだ生まれていない子息が大人になってからの出来事で、そこまではあまり盛り上がらないエピソードでつないでいくしかないが、越後への流罪に関しては妻との別れという、涙ながらのシーンがある。ここはあまり盛り上げすぎない方がいいだろう。玉日とは別れなのだが、恵信尼とは新たな人生が始まることになるので、別れを強調するわけにはいかない。明日には妻が帰ってくる。仕事に集中できるのは本日まで。

10/17/土
大学。保護者会。この大学に勤め始めた頃、大学に保護者会があるというので驚いたが、いまはそういう時代なのだろう。保護者を相手にするといつもと勝手が違うのだが、無事終わってほっとする。大学では大学祭をやっていて、正門の方に行くのがめんどうで思わず裏門から出てしまった。そのまま田無の駅まで歩いた。いい散歩だ。各駅停車の空いた座席でメモを書く。さて、妻も帰ってきて日常が戻った。野球も終わった。もうこちらはfootballのモードに入っているのでどうでもいい。ニューヨーク・ジャイアンツは3勝2敗だが、その2勝も接戦で、今年はチーム力が上がっている。同じ地区のカウボーイズがQBロモの故障で低迷しているので地区優勝はできるだろう。トーナメントで調子を上げていけば、パッカーズやペイトリオッツにも負けないと思う。今年はQBのイーライ・マニングが好調だ。一方、兄のペイトン・マニングは絶不調。それでもデンバー・ブロンコスは全勝している。守備が頑張っているからで、これでペイトンが調子を上げていけば、夢の兄弟対決が実現するかもしれない。

10/18/日
昨日、妻が戻ってきた。親の介護で疲れているので、気晴らしに散歩。清澄白河まで地下鉄で行き、水天宮、人形町を経て浜町まで歩いた。いい天気で気持がよかった。

10/19/月
大学祭の後片づけで大学は休み。ひたすら仕事。

10/20/火
自宅で作業。あとわずかで6章の終わりなのだが、ぎりぎりと到達できず。残念。火曜日なのでマンデーナイトのfootballがある。何と、楽勝と思われたジャインアンツが惨敗。何があったんだ。

10/21/水
3連休のあと、本日から大学再開。本日は2限の1コマと学部長会議。3限に雑誌の取材を受ける。学部長会議が早く終わったので夕方から自宅で作業。

10/22/木
木曜日は4コマの日。ただ修士論文指導はもう指導すべきことが終わっているので、ここでアキ時間となるのだが、何やかやと作業がある。あとの3コマはしゃべりづめで疲れる。夜遅くに自宅に帰り、少しだけ仕事。

10/23/金
先週に続いて内閣府。先週はポスターの選考だったが、今週は作文。ポスターは見ただけでわかるが、作文は読まないといけないので選考が難しい。それでも誰もが納得できる結論になったと思う。一度自宅に帰ってからメンデルスゾーン例会。虎ノ門JTビルで桐山建志さんのバイオリンで、メンデルスゾーンばかり3曲。すべて珍しい曲ばかりで楽しかった。内閣府から虎ノ門までは歩いて5分くらいだから自宅に戻る必要はないのだが、どこかの喫茶店で仕事する、というだけの集中力がなかった。少しでも自宅に帰って、妻と会話した方が気持がほぐれる。

10/24/土
土曜日は休み。神保町まで散歩。古書祭をやっている。それを見に行ったのだが、ものすごい人なのですぐに退散。妻が図書館に行くというのでいっしょに散歩して、帰りにデニーズでパフェを食べた。甘いものを食べたくなるのは疲れている証拠だ。夜、7章に入ってから少し急ぎ過ぎていることに気づいた。イメージがうすくなっている。まだエンディングに向けてテンポを速める時期ではない。アラスジだけでなくシーンに変換して人の顔を見せないといけない。後鳥羽院のイメージがうすいことに気づいた。すでに一度、後鳥羽院は登場しているのだが、キャラクターとしての個性が乏しかった。気づいてよかった。少しわがままな感じが加えた。

10/25/日
日曜だが休みではない。『文芸思潮』の「まほろば賞」の選考。終わって軽く飲み会。夜中に少し仕事。

10/26/月
月曜は2コマ。そのあと教授会、研究科委員会、学科会。いろいろと大変だが、多くの仕事は学科長が先導してくれるので、学部長はぼんやり聞いているだけでいい。夜中は打ち込み。後鳥羽院が登場する。今週は週末にも仕事がある。一日も休みがなく来週に続いていく。その次の週も週末に休めない。何ともハードなスケジュールになってしまっている。

10/27/火
今日は休み。だがマッサージの予約が入っているので午前中に出かける。肩が凝っている。マッサージをすると楽にはなるのだが、デスクに向かって作業をすると、元に戻ってしまう。それでもまあ、全身の血流がよくなった気がする。

10/28/水
本日は2限だけの授業だが、ちょうど避難訓練にあたっているので、20分ほど短縮。学生を引き連れて避難場所のグラウンドに向かう。文学部の先生方と合流して、消火器の使い方などのレクチャーはパスして、すぐ近くの校内バス停から直通バスに乗って三鷹駅に向かった。月に2回、水曜日の午後に学部長会議があるのだが、今日はない日なので早く帰れた。なかなか自分の仕事の時間がとれないのだが、往復の電車の中ではしっかりメモをとっているので、かなりたまっている。ひたすら入力していく。主人公の綽空(親鸞)が後鳥羽院に会うという設定にした。同席者として、九条良経、堀川通具、藤原定家、それに後鳥羽院という設定にしたのだが、綽空の他は皆、和歌を詠む。親しい人々が集まることになった。九条良経が百人一首に和歌を入れているというのは意識していなかった。百人一首では後京極摂政太政大臣という名なので気が付かなかったのだ。

10/29/木
本日は4コマの日。しばらく来ていたかった修士論文の学生も来たので、4コマしゃべりっぱなし。90分授業を4コマしゃべり続けると6時間、しゃべり続けることになる。いつもは金曜日は休みのことが多いのだが、明日は午前中から仕事があり、夕方も仕事がある。しかも、土曜、日曜にも仕事が入っている。仕方がない。とにかく夜中は入力作業を続ける。

10/30/金
大学は休みだが、本日は中野に新たにできた早稲田のエクステンションで講義。帰って少し仕事。夕方は日本点字図書館の理事会。帰ってまた仕事。今週は週末も休めないので気持が安まらない。

10/31/土
池袋にある淑徳大学のエクステンションで講座。聖徳太子について。聖徳太子について語るのは実は難しい。とにかく90分しゃべり続けたので、熱意は伝わっただろう。明日が休みでないので疲れがたまっていく。とにかく乗り切るしかない。さて、10月も本日で終わり。7月から本格的に書き始めて年内完成という予定で進めてきたのだが、3分の2の時間が経過して、7章の半分くらい。全体は10章なので、それを100%とすると66%ということになるが、このペースでは年内に草稿が完成するかどうかというくらいだろう。そこからプリントして読み返すとなれば、完全に手が離れるのは1月末か。とにかく時間のことはあまり考えずに、一歩でも二歩でも前に進んで行きたい。


次のノート(11月)に進む 9月へ戻る

ホームページに戻る