「悪霊」創作ノート8

2011年10月

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10/01
土曜日。メンデルスゾーン協会実行委員会。10月になった。この創作ノートも8ページ目になった。これまで、『罪と罰』、『白痴』と、ドストエフスキーを読み解くシリーズを進めてきたが、それぞれ半年で完了した。今回は半年が経過して、枚数はかなり進んでいるのだが、ようやく前史が終わり、原典の冒頭部につながっただけだ。もともと今回の『新釈悪霊』は前史を書くというコンセプトで始めた。『罪と罰』は殺人犯の視点で書かれた原典を裏返しで捜査官の視点で書くことによって批評的に眺めるというのがコンセプトだった。『白痴』は創作ノートの冒頭部に書かれた、ついに書かれることのなかった構想を具体化した。『悪霊』は前史、『カラマゾフの兄弟』は後篇を書けばいい。そう思って『悪霊』に取りかかった。前史は完成したのでここで筆をおいてもいいようなものだが、それでは原典を読んでいない人にはわけがわからないので、ここで原典をコンパクトに再現する必要がある。当初からある程度は考えていたことだが、実際に前史を書いてみると、登場人物のキャラクターが微妙に変容したので、原典のストーリーを少し変えることになるだろう。従ってこれからの作業もただの圧縮ではなく、まったく新たな創造といっていいだろう。あと3ヵ月はかかる。年末までの作業となるだろう。

10/02
日曜日。マンションのモデルルームに行く。もしかしたら三宿を離れるかもしれない。わたしはこの三宿という街に愛着をもっている。ただ一戸建ての住宅に老夫婦だけで住んでいるというのは、非効率だし妻の負担が大きい。これから時間をかけて検討することになる。『悪霊』はすでに第3部の冒頭になっている。語り手キリーロフが列車で移動するところから話を始めたい。スクヴォレーシニキ村という新たな舞台が用意されているので、まずはしっかりと風景描写をする必要がある。ここからがいよいよ本格的な『悪霊』の世界ということになる。山場はチーホン司教とニコライの対話だ。原典ではニコライの手記が挿入されるのだが、ここは不自然なので、ニコライの語りに変換する。ドストエフスキーの書き換え作業の眼目の一つは、原作者が充分に表現しなかった部分を、よりわかりやすくダイナミックに書き換えることにある。技術的な面で、すでにわたしの方がドストエフスキーより年上で、作家としてのキャリアも長い。より充実した作品に仕上げることは可能だろう。そういう自信がなければこのような書き換え作業に取り組めないし、こんなプランを思いつくこともなかっただろう。

10/03
月曜日。M大学。本日は一年生の授業がないので1コマだけ。だが夏の模擬授業を聞いた生徒の宿題の作品が突然運ばれてきた。今日中に見て評価しないといけないというので、それで時間がつぶれる。自分の仕事も少し。例によっていつ終わるかわからない学科会。この学科会までのアキ時間は、いつもフットボールの結果をネットで確認することになる。今年は49ナーズが頑張っている。ジャイアンツも勝った。どういうわけかスティーラーズの調子がよくない。まだ始まったばかりだが、パッカーズは断然強い。2連覇もあるかという感じかする。

10/04
初台の著作権情報センター。ここへ行く時は妻に車で送ってもらう。自宅から20分くらいで着く。帰りは京王線。臨時総会なのでとくに議論もなくすぐに終わった。夕方は歯医者。去年の夏から歯医者に通い始めた。わたしは子どもの頃、歯医者に行かなかった。親もいいかげんだった。二十歳くらいの時に歯医者に行って何本か治療した。それ以来、ほとんど歯医者に行かなかった。六十歳を過ぎて歯医者に行ったのが運の尽きで、かつて治療した歯も含めて抜本的な改良をすることになった。そしていよいよ最後の歯にとりかかっている。やれやれ。一年以上かかった長い作業がようやく終わる。作業をしているのは歯医者だが、耐えている方がつらい作業をしているのだ。

10/05
妻と銀行へ行く。日常の業務は妻に任せているが、時々自分が出向かないといけないことがある。本日は公用がない。下北沢まで行く。この銀行はいつも混んでいるのだが、今日は誰もいない。待合い席ががらんとしているのは初めてのこと。冷たい雨が降っているせいだろう。いまは預金はカードで引き出せるから、銀行の窓口に来る人は何か手続きの必要な人で、急ぐ用で来る人は少ないのだろう。銀行は雨の日に限る。『悪霊』はレビャートキン大尉というヤクザのキャラクターが気にかかった。脇役ではあるがストーリーの重要なパートを担っている。それにしては初登場の時の印象がうすい。あらすじみたいなかたちで短く説明しているだけだ。これでは読者の印象に残らない。初登場が第1部で、活躍するのが第3部なので、読者は忘れてしまっている。そこで第1部の初登場のところを書き足すことにした。こういうチェックが長篇の場合は不可欠だ。小説を支えるものは細部だが、細部を丹念に描いていくと、ついには小説の長さは実人生と同じになってしまう。小説は人生の一部を切り取ることしかできない。重要でないものは切り捨ててコンパクトに説明するしかないのだが、切り捨てすぎると類型的な説明だけになってしまい、読者の印象に残らない。短い文章で強い印象を残す。そのためには何度も読み返し、とことん修正していく覚悟が必要だ。

10/06
『空海』の増刷、第11版がテレビの横に飾ってある。この本が多くの人々に読まれているのは作者として嬉しいし、空海のためにも喜ばしい。本を書いたので、空海とは友だちになっている。いまはドストエフスキーと友だちになっている。本日はM大学出講日。3コマ、ひたすらしゃべり続ける。こんなに一生懸命にしゃべっても誰も聞いていないのではと思うのだが、まあ、みんな聞いてくれる。心に届いているかどうかは何ともいえない。

10/07
金曜日。今日は何もない。世田谷代田まで散歩。暑くも寒くもないいい季節になった。ひたすら仕事をする。ここ数日、公用のあいまにとったメモを入力。かなり長い間、主人公のニコライが出ていないことが気になるのだが、原典でもニコライはオープニングから出し惜しみされていて、登場した時の印象が強まる仕掛けになっているので、ここは我慢してもうしばらくニコライの登場を先延ばしにしようと思う。

10/08
土曜日。妻と神田方面。秋葉原まで行って山手線で帰ってくる。軽い散歩みたいなもの。

10/09
日曜日。世の中は3連休だがわたしには休みがない。本日は大学のAO入試。延々と続く面接。人間の資質、能力には驚くべき差異がある。とりあえずちゃんと話せる人間、論理的に話せるだけでなくて魅力的な人間、純朴で人柄は評価できるもののほとんど話ができない人間。これは天賦のものというしかない。仕方がない。天賦のものを評価してセレクトする。努力する学生にはペーパーテストで頑張ってもらうしかない。

10/10
祝日だが大学の出講日。月曜日は振り替え休日になることが多いので休みでも出勤する日が予め決められている。昨日も出勤したので疲れがたまっている。『悪霊』はメモがたまっているのに入力が遅れている。パソコンを叩く時間がない。このところポメラをほとんど使っていない。言葉が泉のごとくあふれてくる状態になっているので、ポメラを出しているひまがない。手書きの方が楽に記録できることは確かだが、聖書のための入力が必要なので手間はかかる。しかしいまは手書きで書くしかない。

10/11
火曜日。本日は歯医者だけ。これまでたまった手書きのメモをひたすら入力。だがメモは大量にあるので先はまだ長い。メモの方は、キリーロフが修道院に向かって歩いている。原典では巻末につけられているチホン主教とニコライの対面の場面に先だって、キリーロフがチホンと会う場面を設定する。話の流れをスムーズにするための方法。こういう細かい工夫が流れをよくしていく。手間を惜しまずできることはすべてやるつもりだ。

10/12
メンデルスゾーン協会例会コンサート。池袋の自由学園明日館講堂。この独特の雰囲気をもった施設でコンサートが開けたことを喜びたい。顧問の先生方のお骨折りで海外からの演奏者を招き、充実した内容のコンサートになった。わたしは理事長として短い挨拶をしただけ。軽く打ち上げをして帰る。キリーロフとチホンの対話。思いがけずすらすらと密度の高い言葉が出てくる。こういう時、ドストエフスキーの霊が乗り移っていると感じる。

10/13
大学。木曜日は3コマある。とくに最初の講義の時間は文学史について語るので準備が必要だが、話しているとどんどん脱線していくので予定よりも進行が遅れ気味になる。わたしの話は脱線するところが面白いので、いつもより早口でしゃべる。研究費で購入する書籍を売店に発注する。早稲田で専任を6年やった。専任になると研究費を貰える。大量の本を購入しなければならない。これは一仕事だった。研究者ではないので、大量の本を読む必要はない。仕方がないので注文のしやすい全集物などを指定するのだが、自宅の書庫は満杯なので、ダンボールに入れたままになっているものもある。いまの大学の研究室は前任者の書物がそのまま残っている。古代の研究者で、自分の興味とも合致しているのでそのままにしてある。新たな本を購入しても置くところが限られている。とりあえず適当な本を注文したが、まだ研究費の全額には及ばない。来年は研究室を移動する話もあるので、今年はこの程度でやめておこう。
大学からの帰途、電車がストップしていた。わたしは井の頭線に乗るのだが、吉祥に行くのに3つの方法がある。吉祥寺行きのバスに乗る。三鷹行きのバスに乗る。武藏坂まで歩く。吉祥寺に直接行く以外はJRに乗ることになる。去年までは週一回だったので歩くことが多かった。今年度は専任になったので、バスに乗る。三鷹行きの急行バスに乗ることも多い。で、三鷹に出たら、JRが不通だった。吉祥寺に行きたいのだが、三鷹から吉祥寺へ行くバスはない。タクシーは長蛇の列。南口に回れば調布とか深大寺に方面へのバスがある。調布まで行って京王線に乗るか、途中で降りて吉祥寺行きのバスに乗り換えるかと考えていたら、目の前に武蔵野営業所行きのバスがあった。車庫に帰るバスだ。車庫まで行けば吉祥寺行きも出ているはず。とういうことで、あまり時間をロスせずに吉祥寺にたどりつくことができた。
「男が泣ける唄」の再校が届いた。楽譜のチェックをするためには、60曲を全部、自分で歌ってみないといけない。

10/14
金曜日。今日は歯医者だけ。しかしドッと疲れた。『男が泣ける唄』の校正、文字の部分は完了。まだ楽譜のチェックが残っている。いい文章だと自分でも思う。軽く書いているが、老人らしい見識が随所にあって、年季の入った文章になっている。曲のセレクトはあまり考えずにとっさにやったのだが、いいセレクトになっている。自分の嗜好があるので沢田研二とさだまさしが多い気もするが、軍歌など、思いがけないものが混ざっているところが面白い。楽譜のチェックが大変だ。とりあえず60曲をすべて自分で歌ってみるしかない。

10/15
土曜日。まずは楽譜のチェック。半分ほど片づけてから、あとがきを書く。これで作業はほぼ完了したようなものだ。『悪霊』も進める。一日に少しでも前に進めておかないと、せっかく憑依しているドストエフスキーの霊が逃げてしまう。夜中はラグビーを見る。イングランドと南アがすでに敗退している。しかもニュージーランドとオーストラリアが同じ山になったので、本日のフランス対ウェールズは言ってみればダークホース同士の闘い。ウェールズの方が強そうだったが、始まった直後に一人、ちょっと相手の体を持ち上げただけで一発退場になってしまった。フランスはラッキーだった。これでフランスが優勝したら笑ってしまう。フランスは予選で日本と途中まで接戦をしていたくらいで、大したチームではないと思っていたのだが。

10/16
日曜日。三軒茶屋のフェスティバルに行く。昨日は雨で閑散としていた。そのぶん本日はすごい人出だ。烏山川緑道にはクラフトの店が並んでいる。ほしいようなものはないが、面白いものはあった。茶沢通りでは大道芸をやっている。中国雑伎団なども来ているはずだが、毎年見ているので本日はパスして、人のいない道に出た。健康のために散歩しているので、一定の速度で歩けるところでないと散歩の意味がない。楽譜のチェックが終わる。間違いがまだたくさんあった。参考にした楽譜そのものが間違っているのだ。市販の楽譜がいかにいいかげんなものかがわかった。

10/17
月曜日。M大学出講日。『男が泣ける唄』再校完了。楽譜のチェックなど、ずいぶん手間がかかったが、とにかくこれで本が出る。わたしの楽しみで作った本なので出るのが楽しみ。

10/18
今週は公用もないし、大学も大学祭に入る。歯医者に行くつもりだったが時間をまちがえていて行けなかった。まあ、よかった。歯医者はプレッシャーだ。姉の三田和代さんがきて夕食。四人兄弟の上の二人は遠くにいるのでめったに会えない。姉とは時々会える。ただ一人の肉親といっていい。まあ、息子2人、孫5人いるわけだが、自分よりも年上の肉親は姉しかいない。

10/19
床屋に行く。夏の初めに行って以来だから、頭はライオンのように逆立っていた。散髪すると、少年のような顔になってしまう。還暦をすぎてこの顔は恥ずかしい。まあ、仕方がない。ひたすら『悪霊』。キリーロフがステパン先生のサロンに赴く場面。ここで五人組が姿を見せる。この作品の山場、リンチ殺人を犯す人々である。原典では最後の方にしか出てこないのだが、わたしの作品では早い段階で五人組を印象づけることになる。原典よりも緻密な構成にするとともに、哲学的にも深くならなければならない。何よりも読者がどう受け止めるかを把握して、流れを制御しないといけない。ここが一つの山場だと思っている。

10/20
木曜日だが大学は学園祭の準備で休み。ひたすら仕事。第3部に入ってかなり進んだが主人公のニコライはまだ出て来ない。原典でも主人公の登場までにかなりのタイムラグがある。その感じを再現したい。原典とは違ってわたしの作品では「前史」が描かれているので読者は主人公については熟知している。それでもしばらく登場させないことで、出て来た時に新鮮なものを感じるような工夫をしたい。

10/21
金曜日。歯医者だけ。ひたすら仕事。第3部の状況設定として、ステパン先生と仲間たちの主要メンバーを紹介する。この作業の後に、いよいよエンディングに向かってストーリーが進行していく。まだ2ヵ月くらいはかかるかな。年末までの作業になりそうだ。精神的にかなり疲れてきているのだが、ここからが原典と差しで勝負するところなので、楽しいところだ。最高の山場は原典では巻末に添付されているチホン主教が出てくるところだが、ここはチホンの出番が唐突な感じにならないように、キリーロフが事前にチホンに会うという設定にした。その部分はすでに書いたので、半分は山場をクリアした心境になっている。実はその部分を今日の午前中に少し書き換えた。そのことによって作品全体の流れがびっくりするほどよくなった。こういうちょっとしたアイデアが作品の密度を高めていくことになる。こういうアイデアがどんどんわいてほしい。

10/22
土曜日だが大学では父母者のためのガイダンス。弁当をいっしょに食べてから専任教員が順番にスピーチ。その後、個人面談。幸い、わたしの担当の面談希望者はお一方だったので、まあ、のんびりと雑談をして、本日の仕事はおしまい。通い慣れた吉祥寺だが土日は混雑していてふだんの時とは別の街のようだ。

10/23
日曜日。コーラスの練習。いつものメンバー。明後日、健康診断なので控えめに飲む。

10/24
月曜日。本来なら大学の出講日だが大学祭のため休み。自宅で日大広報課の人々と打ち合わせ。本日の仕事はそれだけ。のんびりと明日の人間ドックに備える。体調を整えて検診に臨みたい。

10/25
健康診断の日。近所の病院(三宿病院)。2月と3月に手術をしてもらったところ。去年の健康診断でひっかかった。結果が出るのは3週間ほどあとだが、腸検査のための下剤を飲んでいる間にほぼ結果は出たようで、医師が説明してくれた。要するにいまのところ問題なし。ただし小さなポリープを一つ、検査のついでに切除したので、一週間の禁酒を言い渡された。これはつらい。まあ、仕方がない。2月、3月は禁酒していた。ただドストエフスキーの霊が憑依した状態なのに、酒で勢いがつけられないのは痛い。下剤を飲んでいる1時間の間にもドストエフスキーの霊はやってきて、大量のメモができた。いまは時間さえあればいくらでも書ける状態になっている。第三部の原典を圧縮する作業なのだが、原典を読み返すのもかったるいので、もう原典を参照せずに前進したい。原典よりも憑依しているドストエフスキーの方を信じたい。とにかく健康診断をクリアーしたので、元気よく先に進める。

10/26
日本点字図書館の理事会評議員会合同会議。わたしは理事と評議員を両方やっているので、会議が一つになったのはありがたい。しかり議長に指名されたのでけっこう大変だった。会議のあと軽く宴会をやるということだったが、こちらはパス。昨日、想定外のポリープ摘出で禁酒を言い渡されている。

10/27
大学。木曜日は3コマ。大学祭で先週休みだった。間があくとかえって疲れる。

10/28
金曜日。凸版印刷で外字異体字委員会。座長だが、本日は事務局の説明が注進だし、実証実験のために用意されたシステムが予想よりよくできていたので、参加者の質問や議論も少なく、これは使えそうだという点で意見が一致した。こういう委員会でこんなに話がまとまるのは珍しいことだ。実務にあたっている人々に感謝したい。去年の三省デジ懇でわたしがしつこく主張したプランが、こうして実現に向けて着々と前進しているのを見るのは、胸躍るものがある。「小説によるドストエフスキー論」の試みは自分でコツコツと実現するしかないのだが、アイデアだけ出したら誰かが実現してくれるというのはとても楽しい。もちろんこれが実現すれば、印刷会社も出版社も関連するIT企業も大きなメリットがあるはずだ。だから全員が協力して前進している。電子書籍の普及の前にネックとなっている部分がここから突破できるのではないかと期待している。

10/29
土曜日。今日の仕事は歯医者だけ。最後に残った根っ子しかない歯の大治療。ようやく土台がはまった。ずっとゴムみたいなものがはまった状態だったので、土台がはまってほっとした。さて、自分の仕事。昨日、座長なので会議の30分前に凸版印刷について、ざっと話を聞いてから時間があったので、メモ帳(現実のノート)を取り出して、キリーロフと脱獄囚フェージカの会話を書き始めたら、そんな短い時間なのでドストエフスキーの霊が降下してきて完全に憑依した状態になった。すごい会話が一気に書けた。本日はその部分を入力している。ここでこの章が終わるだろう。そこから先は少しスピードアップしたい。原典を読んでいる読者もいるので、原典のテンポを再現するのではなく、無駄を省いてどんどん先に進み、一気にゴールに到達するという感じにしたい。要所はじっくりと、とばすところはとばすという緩急のある展開が理想だ。

10/30
日曜日。今月も押し詰まってきた。このノートを書き始めて8ヵ月になるが、まだゴールは見えていない。あと2ヵ月くらいかかるか。何とか年内に草稿完成というところに到達したい。ここからはスピードアップをしなければならない。話の展開に密度とスピード感を出す。少し早すぎるというくらいで展開したい。ラストスパートという感じが読者に伝わるくらいでないと、緊張感が出てこない。頭のネジを締めてこちらも少しハイ状態になって作業を進めたい。

10/31
月曜日。木曜日は3コマだが、月曜日は通常は1コマ。しかし時々、一年生のリレー方式の授業が入る。本日と来週の2回を終えればノルマが終わる。で、本日は3コマ、しゃべり続けたので喉が痛くなった。1コマだけの時も5限に学科会があるので帰れないのだが、本日はなぜか学科会がないようで、いつもより早く帰る。とても疲れているのだが、とにかく早く帰れてよかった。今月は終わり。仕事が予定より早く進んでいるのか遅れているのか、よくわからないが、これからゴールに向かってピッチを上げないといけないということはわかっている。第1部、第2部は、原典には書かれていな物語をオリジナルで創ってきたのに対し、第3部は原典を圧縮するだけの作業だから、当然、ピッチは上がるはず。全体を読んで圧縮するのでなく、面白くないところはバッサリ切るという感じで圧縮したい。リーザが出版業を始める話。原典にもある部分だがここのイメージを強化した。シャートフが印刷機を隠しているということとこの出版業の話は微妙に関わっているのだが、その部分がクリアーに見えるようにしないといけない。


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