大船C遺跡

概説 大船川左岸の高台につくられた縄文時代中期の遺跡。この遺跡が栄えた時代は、津軽海峡を挟んだ東北北部と北海道南部に共通の文化圏が広がり、二つの地域は密接に交流していたことが知られている。大船C遺跡の主な特徴は:(1)竪穴住居の規模が大型で、深さ2mを越えるものも発見されている、(2)これまでに100軒を越える竪穴住居が見つかっていて非常に集落の密度が高い、(3)縄文時代の廃棄(儀礼)の場所と考えられる盛土遺構には、当時の食べ物として利用された動物や植物の痕跡が残っている。[大船C遺跡速報展示室パンフレットより抜粋]
二階建てだった?深さ2.4mある大型竪穴住居
    その他の写真
  1. 舟形住居
訪問記[2002/6/17]5年前、函館新聞に発掘の記事が載っていたのを見つけて早速次の日に見学に行った。このときが発掘現場を見た最初だった。その後速報展示館などもでき見学もしやすくなっている。この展示室はそれほどお金を掛けているといった作りではないが担当者の創意工夫が感じられる良い資料館だと思う。我が、美浦村にもこんな感じの「木原城展示室」が欲しくなる。ここ南茅部町と勝山館の上ノ国町は北海道でも発掘調査に熱心な自治体だと感じさせる。
[2002/8/5]『特別展示南かやべ縄文メッセージ展』が開催されていた。今回の目玉は(1)世界最古(約9千年前)の漆製品(2)足形付土板(3)漆塗り注口土器(4)中空土偶の実物が展示されていること。その他の展示物も含めて造形の美しさとそれを実現できる高度な技術の存在を感じることができた。
[2002/12/28]とんでもないニュースが届きました。速報展示館に隣接する資料収蔵施設が火災で全焼してしまったそうです。昨夏、速報展示館で今回焼けてしまったものも含めて特別公開があったので見に行っていただけに驚きが大きいです。何年もかけて掘ってきたおばちゃんたちの落胆の顔が目に浮かびました。遺跡って掘らなければ我々の目に触れることもないですが失われることもないです。掘るからには保存設備を充実させて欲しいですが、そこまではお金が回らない自治体がほとんどでしょう。どうしたらよいのでしょうか。
所在地北海道茅部郡南茅部町字大船575番地の1。大船小学校の北側の道を上がっていきます。
参考書大船C遺跡速報展示室パンフレット