Yukun's VICS Information 5-3




VICS情報に関するデータ3

VICS情報の提供方法と受信可能場所

VICS 3メディアとは?→光ビーコン、電波ビーコン、FM多重の3種類の事
メディア 提供方法 設置・受信可能場所
FM多重放送 VICS FM多重放送 NHK FM放送
可聴エリア
電波ビーコン 電波ビーコン(路上機)より 主に高速道路上
光ビーコン 光ビーコン(路上機)より 一般道路


VICS情報提供メディア特性と情報

情報/メディア FM多重放送 電波ビーコン 光ビーコン
伝送速度 16Kbps 64Kbps 1 Mbps
サービスエリア 広 域 極小ゾーン
繰返し
極小ゾーン
繰返し
〃1基(1局) 10〜50Km 60m〜70m 3.5m
情報提供
繰返し
2回/5分 2〜3回/1受信 2〜3回/1受信
実行
情報量
約5万文字
相当/5分
約8千文字
相当/1か所
約1万文字
相当/1か所
実質的
表示時間
電源投入後
約2分半程度
ビーコン通過後
約2〜3秒
ビーコン通過後
約2〜3秒
通信形態 →車
単方向通信
→車
単方向通信
←→車
双方向通信
受信可能
走行速度
0〜電波状態
変化による
0〜150km+α 0km〜不明
設置運営
管 轄
VICS
センター
日本道路公団
(建設省)
都道府県警察
(警察庁)




FM多重放送の利点


■電波ビーコンや光ビーコンでは通信エリアが限定されているのに対して、 FM多重放送の最大の特徴は広域エリアをカバー出来るという利点があります。
(ビーコンの場合はその設置場所付近を通過しなければ受信出来ない)
VICSは、NHKのFM多重放送の電波を借用して広域のサービスを行います。 NHKの基幹放送局の放送出力は5〜10kwで、直径約20〜80+αkmの範囲でサービスが可能です。

しかし、広域をカバーするということは、それだけ情報量が多く なるということをも意味します。大量の情報を伝送できるFM多重放送は、 ユーザーがいつでもどこでも使えるという利点がありますが、その反面、大量の情報の中から 必要な情報を選択するのは、車載機にはかなりの負担となります。 (最近はナビのハードも高速化され問題となる事などは無いと思います)

これらのメディアにより情報を受けるには、それに対応する受信装置(VICS・FM多重ユニット)が必要です。最近はFM多重 ユニットが内蔵されているカーナビが多く発売されています。(ほとんどのナビがFM−VICS内蔵ですが、購入の際は必ず確認しましょう)

VICSとD−GPSがFMチューナーを交互に共用使用している場合、D−GPS情報の受信中はFM−VICSの受信が出来ないので VICS情報の更新が妨げられることがあります。

ちょと余談ですが、SAが解除されGPSの精度が格段に上がり最近ではD−GPSを使用しなくても必要十分な精度があります。 何を隠そう私は普段、D−GPS機能を使っていません。
※SA解除とは?
2000年5月2日13:00(日本時間)をもって、米大統領声明により、従来GPSに施されていたSA(Selective Availability; 選択利用性)が解除されました。 これによりGPS利用の精度は100m程度の誤差幅→数m程度まで精度UPとなりました。



FM多重放送の情報受信エリア

■VICSのFM多重放送はNHKのFM放送波を借用するため、 受信エリアはNHK−FM放送局の受信エリアとなります。
一般のNHK−FM放送と多重で同時に信号波を放送しています。
※ただし、サービスエリアはステレオ放送よりも狭くなります。 これは多重放送の信号がFM放送の隙間を使用しているため 雑音が多いからです。システム的にはエラー訂正技術、 同一内容の2回送りなどの工夫により必要なエラーレートを 確保しています。
カーラジオで上記FM放送にノイズが頻繁に入る様な場所での良好なFM−VICS受信は無理なので ロケーションの良い場所へ移動するなどしましょう。

※FM-VICS情報がきちんと更新されない場合は、アンテナの接続コネクタチェックや FM受信ブースターの併用やFM専用受信アンテナなどの利用をおすすめします。


最近はクルマのフォルムを乱さないフィルムアンテナが流行ですが、高価なのが難点です。 これらは全方位に対する平均的な指向性が弱く結局は付加されている受信ブースターに助けられている部分大です。 私はナビモニターに付属のダイバシティーアンテナ4極のうち1本+FM受信ブースターを利用していますが、 十分な性能に満足しています。 最強の組み合わせはFM専用受信アンテナ+FM受信ブースターでしょう。 いずれにしても天空に対して出来るだけ障害物が無い場所に設置しましょう。


電波ビーコン・光ビーコンの利点

■電波ビーコン、光ビーコンは、道路の上方に間隔を置いて設置 され、その下を車が通過した時に情報が受けられます。この方 式の最大の特徴は「情報を受けた地点に車がいる」という点に あります。
そこで、情報を出す側は、その地点で必要と思われ る情報だけに絞り込んで提供し、車載機の負担を軽くする事が 出来ます。必要な情報だけに絞り込んで提供した場合、車載機 は基本的に受けた情報を表示するだけの機能ですむからです。


電波ビーコン


■電波ビーコンは、電波(準マイクロ波)を媒体とした通信装置で、 設置運営者は道路管理者です。主に高速道路系は日本道路公団 (JH)です。
■設置場所は、高速道路の出入口、分岐点、SA、PAの手前、本線 料金所の手前、トンネル入口の手前、渋滞多発地区などで、数 キロ間隔に設置されています。
■災害防止(通知)目的などで一般国道に設置されている場所もあります。

 すでに1995年から高速道路での設置が始まり、すでに全国の
主要高速道路を中心に約5,000基以上が設置されています。


電波ビーコンの情報受信エリア

■電波ビーコンから提供される情報の受信エリアはビーコンの前後 約35m程度(約70m/1ゾーン)で進行方向の約200km先まで の高速道路の情報を中心にインターチェンジ周辺の一般道路の 情報も提供されます。
■準マイクロ波を使用しているにもかかわらず、設置道路に並走する 道路でも受信してしまう電波漏れ現象が数多く報告されています。 といってもちょっとお得な気分になり問題ありません・・・


電波ビーコン無線部仕様情報

    項 目 仕 様
無線
伝送
方式
送信搬波送周波数 2499.7MHz
占有帯域幅 85KHz以下
送信出力 10mWx2
通信方向 片方向通信
64Kbit/s 2499.7MHz
誤り検出方式 16bitのCRC符号
伝送符号方式 NRZ
変調方式 データ及び位置検出情報に
よる2重の変調
データ:GMSK
位置検出:AM

    項 目 仕 様
標準
空中線
方 式 2基合成方式(位置検出・方向識別の為。
2基の空中腺を空間識別する方法)
利得 7bBi±1.5dB以内
インピーダンス 公称50Ω
VSWR 1.3以下
偏波 垂直偏波


電波ビーコンからの提供情報


提供情報 種 別
緊急メッセージ 地震発生、トンネル通行止め、等
注意警戒情報 トンネル内での事象発生、等
広域情報 遠方目標値への旅行時間、等
簡易図形情報 簡易図形による道路交通状況提供
障害情報 文字情報板に相当する道路交通状況提供
旅行時間情報 ビーコン位置から主要目的地までの
旅行時間及び経路
事象規制リンク情報 発生事象(VICSリンク)例による提供
渋滞旅行時間 VICSリンクごとの属性としての提供
駐車場情報 駐車場の満空情報
SA/PA情報 SA/PAの満空情報



光ビーコン

光ビーコン オリジナル画像です(R1にて撮影)

■光ビーコンは、赤外線を媒体とした通信装置で、設置運営者は 都道府県警察、設置場所は一般道路となります。

■光ビーコンはすでに全国の主要道路や交差点付近などに 平成14年度末時点で約38,000基以上が設置されました。今後も拡大される予定です。 2005年までに合計約60,000基の設置が予定されています。
ビーコンレシーバーユニットを付けていない方はぜひ導入を! 絶対におすすです。

■カーナビで渋滞を避けたルート案内(* DRGS)などを行う場合には 必ず光ビーコン受信ユニットが必要になります。
* Dynamic Route Guidance Systems(動的経路誘導システム)



光ビーコンの情報送受信エリア

■光ビーコンから提供される情報の受信エリアは光ビーコン直下の約3.5m程度(約3.5m/1ゾーン)で進行方向の約30km 先、後方1kmのエリア内の情報が提供されます。
■光・電波ビーコンレシーバーの車への取り付け位置はフロントダッシュボートの中心で地面に対して約45度の角度が基本です。



■光ビーコン技術的特徴
 (1) 車載機と双方向通信
 (2) 一つの制御機で最大4車線まで制御が可能
   (双方向通信機能および車両感知機能)
 (3) 車両と一対一の通信が可能 (極小ゾーン通信)
 (4) 車線の真上に投発光部にあたる光ビーコンを設置





光ビーコンの特徴

■1.車載通信機を搭載したすべての車両との双方向通信が可能
■2.時速0〜120kmで走行する車両の存在検出が可能
■3.交通情報提供システム、動的経路誘導システム、車両運行管理システム、公共車両優先システムの各サブシステムに対応可能
■4.中央装置との接続形態は,M/U形伝送の中から1種類を指定可能
■5.1つの制御機で4車線まで対応可能(存在検出及び通信ともに)
■6.車両と一対一の局所的な通信が可能
■7.車線の真上に投受光器を設置する直上形の車両感知器である

光ビーコンの機能

車両感知機能
 以下の性能にて走行する車両を感知する
 1.対象車両速度:時速0〜120km
 2.対象車両   :軽自動車以上
 3.感知領域   :直径1.2m±20%
 4.出 力     :接点出力

情報収集提供機能
  交通情報提供システムに標準で対応

近赤外線通信機能
  以下の性能にて近赤外線車載装置と双方向通信を行う
   1.ダウンリンク領域
     3.7m(走行方向)×3.5m(幅員方向)(地上高1mの場合)
     3.7m( 〃 )×2.7m( 〃 )(地上高2mの場合)
   2.アップリンク領域
     1.6m( 〃 )×3.5m( 〃 )(地上高1mの場合)
     1.6m( 〃 )×2.7m( 〃 )(地上高2mの場合)

伝送速度
     ダウンリンク1024kbit/s
     アップリンク  64kbit/s

対中央装置通信機能
  下記の内容の通信を中央装置との間で行う
  1.送信情報
    ・・車両検出情報、異常信号及び車載通信機からの受信データの送信
  2.受信情報
    ・・車載通信機への送信情報
  3.通信規格
    ・・M形伝送またはU形伝送

    M形伝送・・情報のリアルタイム性を重視した伝送速度2400bit/s全二重通信方式の通信
    U形伝送・・情報量を重視した伝送速度9600bit/s全二重通信方式の通信

一般条件
  構造
 <投受光器>
  外形寸法  110(高)×200(幅)×200(奥行)mm以下
  質量    4kg以下
 <制御機>
  外形寸法  800(高)×300(幅)×200(奥行)mm以下
  質量    40kg以下

環境条件
  周囲温度  −20〜+60℃
  相対湿度    40〜90%
  入力電源  AC90〜110V 50/60Hz(単相)
  消費電力 1車線用:100VA以下
         2車線用:150VA以下
         3車線用:200VA以下
         4車線用:250VA以下

<参考資料>
(社)新交通管理システム協会、(財)日本交通管理技術協会
(交通安全施設仕様書:光学式車両感知器)
その他

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