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光芒・薄明光線 crepuscular rays

スモークの焚かれたステージに照明が当てられると、 照明からの光の筋がはっきりと見えます。 また、細かい雨が降っていたり、霧が出ていたりするときには、 車のヘッドライトからの光の筋がはっきりと見えます。 これは、スモークや水の粒に光が散乱されるからです。 光のほとんどは光源が向いているほうに真っ直ぐ進むのですが、 その通り道にある邪魔者に運悪く(?) ぶつかってしまった部分は横に逸れ、それが筋となって見えるのです。

空に、雲として見えるほどには密度の高くない水滴がある場合には、 雲間から漏れる太陽の光が幾筋ものこのような筋を作ります。 これが、光芒、または薄明光線 (crepuscular rays) と呼ばれる現象です。 遠くの雲の下にこのような筋が伸びているのを見た昔の人は、 「太陽が水を汲んでいる」と思い、この水が雨になるのだ、 と思っていたりもしました。 キリスト教の旧約聖書にある話から、ヤコブの梯子 (Jacob's ladder)、 天使の梯子という呼び名もあります (この場合、 太陽から上に伸びているように見える部分は何と呼ぶのでしょうね? ^^;)。 また、レンブラントの絵でよく効果的にこのような光の筋が使われていることから、 レンブラント光線、と呼んでいる人もいます。

さて、この光の筋は、太陽を中心に放射状に広がっているように見えます。 でも、太陽はとても遠いところにあるので、光の筋はすべてほとんど平行のはずです。 これは、真っ直ぐ伸びる道路や線路が、 地平線の一点に向かって収束していくように見えるのと同じ、 遠近法的要素のなせる技です。 地面の上にある道路や線路と違って、 空を見上げる場合には遠近感を感じさせるものがあまりないので、 遠近感で放射状に見えていることを認識するのはまず不可能でしょう。


関連項目

反薄明光線

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