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| 光芒 (薄明光線)・反薄明光線 |
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その素材は空気と水蒸気と太陽の光だけだというのに、
空はその表情を微妙に変え、
また劇的にその光と色を変えるのである。
(斎藤 文一, “空の色と光の図鑑”より)
| topics | 光芒 (薄明光線)、 反薄明光線 |
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[写真1]・光芒
スモークの焚かれたステージに照明が当てられると、 照明からの光の筋がはっきりと見えます。 また、細かい雨が降っていたり、霧が出ていたりするときには、 車のヘッドライトからの光の筋がはっきりと見えます。 これは、スモークや水の粒に光が散乱されるからです。 光のほとんどは光源が向いているほうに真っ直ぐ進むのですが、 その通り道にある邪魔者に運悪く(?) ぶつかってしまった部分は横に逸れ、それが筋となって見えるのです。
空に、雲として見えるほどには密度の高くない水滴がある場合には、 雲間から漏れる太陽の光が幾筋ものこのような筋を作ります。 これが、光芒、または薄明光線 (crepuscular rays) と呼ばれる現象です。 遠くの雲の下にこのような筋が伸びているのを見た昔の人は、 「太陽が水を汲んでいる」と思い、この水が雨になるのだ、 と思っていたりもしました。 キリスト教の旧約聖書にある話から、ヤコブの梯子 (Jacob's ladder)、 天使の梯子という呼び名もあります (この場合、 太陽から上に伸びているように見える部分は何と呼ぶのでしょうね? ^^;)。
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さて、この光の筋は、太陽を中心に放射状に広がっているように見えます。 でも、太陽はとても遠いところにあるので、光の筋はすべてほとんど平行のはずです。 これは、真っ直ぐ伸びる道路や線路が、 地平線の一点に向かって収束していくように見えるのと同じ、 遠近法的要素のなせる技です。 地面の上にある道路や線路と違って、 空を見上げる場合には遠近感を感じさせるものがあまりないので、 遠近感で放射状に見えていることを認識するのはまず不可能でしょう。
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太陽の高度が低いとき、条件が良いと、 光芒は頭の上を通り越して、 太陽とは反対の地平線へと伸びていきます。 光の筋は、頭上を通り越した後はどう見えるのでしょう? 直感的にはさらに広がっていくように思ってしまいますが、 光の筋は平行なので、何と、一点 (太陽と正反対の点、対日点) へと収束するように見えます。 この、太陽とは反対側の空に見える光の筋を、 反薄明光線 (anticrepuscular rays) といいます。 日本では、裏御光という呼び名もあります。
写真は、日没間近の時刻に東の空に見られた反薄明光線です。 頭では解っていても、なかなか不思議に感じる光景の一つです。 しかし、注意深く探せば意外と見つかる、それほど珍しい現象でもないのではないか、 という気もします。 日の出/日没前後の、空も暗めの比較的短い時間にしか見られそうにないところが、 この現象に気づきづらくしているのではないかと思います。 丈の高い雲の出やすい、夏場の夕刻が狙い目ではないでしょうか。
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