第7章 去勢・避妊

監修: VFD02176 よなきねこ


1 去勢や避妊手術はした方がいいの、しない方がいいの?


 パートナーがいないとか長寿健康を目指すのなら去勢はした方がよいようです。

 ウサギは成長して発情が始まると、1年中発情期といっていいほど続きます。増や すつもりがないのなら、他のことを楽しむ時間を制限されてしまう発情は、ウサギに も飼い主にも重くのしかかります。しかし、去勢することによって行為自体が無くな ることはありませんし、性格が変わる(噛まなくなる、おっとりする)ことも、必ず という訳ではないようです。

 利点としては

  1. 攻撃性が減少。テリトリーを示す行為(オシッコを飛ばす)が減少。
  2. 極端な求愛行動も行動が収まってくる。(止めるわけではない)
  3. 去勢していないことから心配される生殖器の罹病率を抑えられる。(注2)
  4. トイレトレーニングが楽になる。
  5. 増えすぎることがなくなる。
  6. 他の楽しみに費やす時間が増える。

 日本では、去勢推奨がそれほど広まっていない、また手術時に麻酔を使うなどのこ ともあり、安心できる獣医を捜すのは難しいのが現実です。

(注2) 海外では、避妊手術していないメスウサギは5〜6歳までに子宮癌になる可 能性が50%の確率であると報告されています。これは長い間(3年以上) 出産の経験のないまま過ごしたメスウサギも同様で、他に様々な生殖器(乳 房、卵巣など)の疾病率も高いそうです。そのため手術する時には卵巣・子 宮の両方を摘出したほうが安心でしょう。オスウサギも去勢していない場合 睾丸癌の可能性があるそうですので、両性において重要です。

 手術はメスの場合、卵巣・子宮摘出手術と難しくなるため、病院によってはオスだ けしかしてくれない場合があります。病院で聞いてみた方がいいでしょう。
 オスの場合は睾丸の摘出です。傷口は縫合しますが、手術後抜糸の必要はない場合 が多いそうです。(ウサギがかみ切ってしまうため)
 手術直後は、普通麻酔が醒めるのを見届けるために一晩預かりとなります。
 費用は病院によっていろいろありますので、初めに聞いてみた方がいいでしょう。 例として、オスの場合では15000円程度、メスでそれ以上と思って下さい。

 去勢する時期としては、メスで6カ月後、オスでは生後5カ月後が目安です。成熟 前に去勢すると、特にオスの場合では尿道結石になる可能性が高くなります。
 若すぎたり、1年以上たってしまっているウサギの場合には手術の前に血液検査な どをして、貧血や肝臓・腎臓の機能を調べてから行ってください。その時点で問題が あるようなら、それらを解決してからもう一度準備します。


2 手術以外で、避妊する方法はあるの?


 完全別居しかないでしょう。特に生後6カ月以上たったペアは、一度子供を産むと すぐに妊娠します。品種にもよりますが、生後4カ月から6カ月で完全に性成熟しま す。また同居させている場合、オスに促されたメスは4カ月以前でも妊娠することが あります。子供を望まないのなら、離乳が完全に終わった頃からケージも遊ぶ時間も 別々にした方が安全です。

 性成熟したオスはメスのケージの周囲をうろうろして入り込もうとしますので、ジ ャンプして入り込まれたり、ケージのドアを開けられないように注意しましょう。


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