監修: VFD02176 よなきねこ
無事に出産したようなら、育児のすべてを母ウサギにまかせるようにします。自然下でのアナウサギは敵が多い動物なので、子ウサギの存在をできるだけ目立た せないように隠そうとします。これが「ウサギの育児は放任主義」と言われる所以で この性質は当然飼いウサギにも引き継がれてます。母ウサギは1日に1〜2回しか巣 の中に入って行きません。授乳時間も数分間とあわただしく、次の授乳まで巣に寄り つきません。飼い主には育児を放棄しているようにも見えて心配になりますが、授乳 場面を見たことがなくても、赤ちゃんが元気に育っているようなら、心配ないでしょ う。
巣の子ウサギを隠しているつもりなので、子ウサギはそっとしておきましょう。い けないのは頻繁に覗き込んだり、直接子ウサギに触って人間の臭いがついたり、巣の 側でうるさくすることなどです。母ウサギは神経質になっていますから、この場合子 育てを放棄してしまう可能性が大きいので注意しましょう。
授乳時期の母ウサギは運動をさせて、母乳を作るためにいつもの水飲みボトルをワ ンサイズ大きいものに取り替えるなどして、充分水分を与えましょう。
母ウサギを運動させている間に子ウサギの様子を見ます。このときも子ウサギの数 や生死を確認するだけにとどめます。巣からはみ出した子ウサギを戻したりするとき には、軍手をしたり、ティッシュを手のひらに乗せてから子ウサギをその上に乗せる などして人間の臭いがつかないようにすばやくします。掃除の場合も同様ですが、で きれば最小限にとどめましょう。巣作りに使った毛は、どうしても使えないもの以外 は必ず残して置いて下さい。保温のためと母親の匂いを覚えさせるために必要だそう です。
乳腺炎になって母乳が出なくなったり、なんらかの理由で子育てを放棄する場合は 人工哺乳を行う必要があります。毎日の母ウサギの様子もチェックするとよいでしょ う。
母ウサギには、妊娠中から多彩で栄養のある食べ物、それにカルシウムとビタミン を加えて与えましょう。(ヨーグルトや小松菜、カルシウム入りビスケットなど)
母ウサギはたくさんの乳を出さなくてはならないので多くの水分を必要とします。 ペレットを主食としている場合は特に、出産から離乳までは水を切らさないようにし ましょう。次に赤ちゃんウサギの食事ですが、授乳中は母ウサギの乳で十分です。4週目頃か ら乳量が減っていき離乳期に入ります。母ウサギと一緒に餌を食べているようなら心 配ありません、食べにくそうだったらペレットを砕いて与えましょう。
まれに餌を覚えない場合、離乳食としてペレットをふやかしたものと野菜を細切り にしたものを与えてみます。それでも食べないようなら指につけて子ウサギの口につ けてみるか、スポイトで与えてみます。ショップでは安全策として、離乳期から離乳 後暫くはペット用ミルクを2倍に薄めたものをすすめる場合があるようです。また、 粉状にした離乳食を売っているショップもあります。
将来ペレットで飼うつもりなら、完全に離乳がすんで子ウサギが自分で餌をたべる ようになった頃から慣れさせます。野菜や果物は柔らかくて食べやすいので、それで 育ったウサギはペレットを全く食べない好き嫌いのはっきりしたウサギになる可能性 があるからです。餌の中から野菜や果物を徐々に減らしていき、ペレットを食べるよ うにさせます。その場合、水は切らさないようにしましょう。
(引用:HOUSE RABBIT HANDBOOK -HOW TO LIVE WITH AN URBAN RABBIT- By MARINELL HARRIMAN DROLLERY PRESS)
週 齢 猫ミルク 乳酸菌(注) 新生児 5cc 1/2cc 1週間 12〜15cc 1cc 2週間 25〜27cc 1cc 3週間 30cc 2cc 4週間〜離乳 30cc 2cc
(注) ペット用の乳酸菌は、ペットショップにて普通犬用として固形では「だい す菌」「ドライヨーグルト」などという商品名で売られています。ラムネ 状なので、砕いたり水に溶いたりできます。乳酸菌は人間用でもペット用 でもあまり変わらないようです。
2〜3週間するともし興味があったら乾燥アルファルファや2〜3個のペレットを 少しだけかじれるようになります。12週以降は、細かく切った人参は与えてもいい ですが、グリーンものや、果物、クラッカーなどは16週まで待った方がよいようで す。(この辺も獣医師と相談してください。)
目が開いて見えるようになるのは、生後約10日目からです。このころになると歯 も生えてきて噛む練習をし始めるようです。離乳期は4〜6週目です。消化器官の機能が完全に発達(固形の餌や消化しにくい 植物や果物に対応)するのが6週以降(6〜7週で致命的な下痢を起こし易い)です がもう1〜2週は母ウサギと一緒にいさせて様子をみた方がいいことから里子に出す ためには、8週以降(アンゴラの場合は12週以降)が安心でしょう。
ショップでは、早いところでは4週目でウサギを出しているところもありますが、 それは固い餌を食べ始めたばかりのウサギなので、育てるにはリスクが大きいでしょ う。
里子に出すウサギは、里親の環境のことも考慮して、できるだけペレットを食べる ように慣らした方がいいでしょう。離乳期になったら、食べなくてもいいからペレッ トを野菜などの餌と一緒に餌入れに入れておくと、野菜の無くなったときに残ったペ レットを食べるようになります。そうやって徐々にペレットの習慣をつけていきまし ょう。
下図は仰向けの状態にして見たオスとメスの生殖器の違いです。
<オス> <メス> 生殖器(円形) 生殖器(縦に細長い) ↓ ↓ (o) (()) ( )←睾丸(左右両側) (O) (O) ↑ ↑ 肛門 肛門
肛門からの陰部までの距離が近く、縦割れのようになっているのがメスです。
オスは丸い穴が2つ離れた場所にあって、メスのように生殖器と肛門がくっついた
感じでは見えないようです。
その他の性差としては、メスは成熟すると乳首が見えてきますがオスにはそれあり
ません。
ショップや病院で調べてもらうのがいいでしょう。