第9章 電波の伝わり方

電波の伝わり方

電波の伝わり方の分類

周波数帯 / 距離 近距離 遠距離
LF(長波、30〜300[kHz]) 地表波 電離層波(E層反射)
MF(中波、300〜3,000[kHz]) 地表波 電離層波(E層反射)
HF(短波、3〜30[MHz]) 電離層波(F層) 電離層波(F層反射)
VHF(超短波、30〜300[MHz]) 地表波 対流圏波、電離層波(F層反射)
UHF(極超短波、300〜3,000[MHz]) 地表波、直接波 対流圏波、直接波

電離層

電波伝搬における諸現象

フェージング 電波の強さ(電界強度)が、数分の1秒から数分の周期で変動する現象。 原因により、次のように分類できる。
  • 吸収性フェージング
  • 選択性フェージング
  • 干渉性フェージング
  • 跳躍性フェージング
特に、選択性フェージングの軽減には、ダイバシー(合成受信方法)と呼ばれる方法が用いられる。
  • 空間ダイバシー
  • 周波数ダイバシー
  • 偏派ダイバシー
デリンジャー現象 遠距離のHF帯通信が、太陽に照らされている地球の半面において、数分〜数十分くらいの間、 受信強度が急に低下する(また受信できなくなる)現象。消失現象ともいう。
太陽の異常活動によって紫外線およびX線が異常に増加して、E層とD層の電子密度が急激に 増加するため、第一種減衰が増加する。
磁気嵐 遠距離のHF帯通信が、数時間〜数日間、受信強度が低下したり、受信不能になる現象。
太陽面の爆発によって放射される荷電粒子が異常に発生し、これが地球磁界に影響を与えて 地球磁界を変動させるもの。
エコー 送信アンテナから出た電波が、二つまたはそれ以上の異なった通路を経て受信アンテナに到達し、 それぞれの通路の差に応じた時間間隔をおいて同じ電波が到達すること。
ドップラー効果。
散乱 波動がその波長に比べて小さい物体に当たって四方へ散ること。
不感地帯(跳躍距離の中)においても、HF帯やVHF帯の電波が受信できることもある。
対しょ点効果 地球上における1点に対して、まったく反対(裏側)の位置を対しょ点といい、 これらの2点間の大円コースは無数あるので、2点間の距離が最大であっても、受信電界強度が大きく なることもある。また、電波の到来方向も季節や時間などによって変わる。
その他
  • ロングパス
  • 回折現象-山岳回折
  • 逆転層による異常伝搬

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