第1章 電気物理

静電誘導と磁気誘導


静電誘導 磁気誘導
説明 プラスに帯電している物体Aに、帯電していなた物体Bを近づけると、 BのAに近い端にはプラス、BのAに遠い端にはプラスの電荷が現れる現象のこと。
ガラス棒を絹布でこすると、ガラス棒に正絹布に負の静止した電荷がそれぞれ帯電する。
磁石の近くに鉄片をもってくると磁化され、磁石のN極に近いほうはS極になり、 反対の端はN極になり、磁石は鉄片を吸引する現象のこと。
クーロンの法則 F = K * ( Q1 * Q2 ) / ( r * r )
K:比例定数
Q1,Q2:電荷[C]
r:距離[m]
F = K * ( m1 * m2 ) / ( r * r )
K:比例定数
m1,m2:磁極の強さ[Wb]
r:距離[m]
電界と磁界 電荷による力が働いている空間を「電界」という。 磁極の作用のおよぶ範囲を「磁界」という。
電荷と磁極 C(クーロン) Wb(ウェーバー)
電界の強さと磁界の強さ V/m(ボルト毎メートル) A/m(アンペア毎メートル)
電気力線と磁力線の性質 電気力線の性質
  1. 電気力線は、正電荷の表面から出て、負電荷の表面に終わる。
  2. 電気力線は、ゴムひものように常に縮まろうとし、電気力線どうしは反発しあっている。
  3. 電気力線に接線を引くと、接点はその点の電界の方向を示す。
  4. 電気力線どうしは交わることはない。
  5. 電気力線は、等電位面と垂直に交わる。
  6. 電気力線は、導体の面に直角に出入りする。
  7. 電気力線の密度は、その点の電界の強さを表す。電界の強さがE[V/m]の点では、 その点の電界の方向と直角な1[m2]の面積あたりE[本]の電気力線が通っている。
磁力線の性質
  1. 磁力線は、N極から出発してS極に終わる。
  2. 磁力線は、途中で分かれたり、交わることはない。
  3. 磁力線は、その長さの方向に縮まろうとし、また長さと直角な方向に対して相互に反発する。
  4. 磁力線の任意の点を通る磁力線の接線は、その点の磁界の方向を示す。
  5. 磁力線の任意の点における磁力線の密度は、その点の磁界の強さを表す。 磁界の強さがH[A/m]のところは、その点の磁界の方向に直角な1[m2]の面積あたりH[本]の磁力線が通っている。
いろいろ
  • 電位[V]
  • 等電位面
  • コンデンサ[F]
    C = Q / V [F]
  • コンデンサの合成容量
    並列 - C = C1 + C2 + C3
    直列 - 1/C = 1/C1 + 1/C2 + 1/C3
  • アンペアの法則
  • 等電位面
  • フレミング左手の法則
    • 「磁石を固定しておいて、その磁界の中へ電流の流れている導線を入れると、 導線にはある方向の力が働く。」
    • 電動機(モーター)、可動コイル型電流計、可動コイル型スピーカー
    • 力-親指、磁界-人さし指、電流-中指
  • フレミング右手の法則
    • 「磁界のなかで導線を動かすと、導線に起電力が発生する。」
    • 発電機、可動コイル型マイクロホン
    • 運動-親指、磁界-人さし指、起電力-中指

電磁誘導

コイルの両端に検流計Gをつないで、棒磁石をコイルの中で上下に動かすと、 棒磁石から出る磁束をコイルの導線が切り、コイル中に起電力が発生してGが振れる現象。 コイル中に生じた起電力を誘導起電力という。

電磁誘導によって生ずる起電力は、磁束の変化を妨げる電流を生ずる ような向きに発生する」ということをレンツの法則という。

電気現象

圧電効果
(ピエゾ効果)
電気石、ロッシェル塩、水晶などの結晶体から切り出した板に圧力を加えると、 圧力に比例した電荷が現れ、板の一方がプラス、他の面がマイナスに帯電する 現象(圧電直接効果)。
また、板にひっぱりの力を加えると、これとは逆方向にプラスとマイナスに帯電する 現象。(圧電逆効果)
水晶発振器。電気ひずみ現象。
ゼーペック効果
(熱電流現象、熱電効果)
異なった金属、例えば銅線と鉄線で一つの閉回路を作り、その二つの接合点XとYに 温度差を与えると、その回路に起電力が生じて電流が流れる現象。
熱電流、熱起電力、熱電対。熱電流計。
ペルチェ効果 一定の温度差に保たれた異種の2金属の接点に電流を流すと、その電流の向きによって 熱を発生したりも吸収(冷却)したりする現象。
トムソン効果 1個の金属でも2点の温度差があると、その間に電流を流すと熱を吸収または発生する現象。
磁気ひずみ現象 磁性体の磁化の強さを変化させると、歪みが現れる現象。(磁気ジュール現象)
磁性体に圧力を加えると、その磁化の強さが変化する現象。(ビラリ現象)
表皮効果 1本の導線に交流(高周波)電流を流すと、周波数が高くなるにつれて、導線の中央部分には 電流が流れにくくなり、導体表面のみに電流が流れるようになる現象。
表皮効果のため、電流が導線の表面のみに流れると、実効的に導線の断面積が小さく なったのと同じで、導線の抵抗が増加する。
接触電位 二つの物質、例えば亜鉛と銅線を接触させると、亜鉛にプラス、銅にマイナスの電気が流れる。 このような作用によって現れる電位のこと。
接触抵抗 導体と導体を接触させると、その接触部に生じる抵抗のこと。
電話器の送話器。
放電効果 二つの電極間に比較的高い電圧をかけると生じる。
火花放電、コロナ放電、アーク放電、グロー放電。

電子部品の基礎
基本単位

単位
ニュートン(N)
ヘルツ(Hz)周波数
ジュール(J)
クーロン(C)電荷
ウェーバー(Wb)磁束
ファッラッド(F)静電容量
ヘンリー(H)インダクタンス
ボルト毎メートル(V/m)電界の強さ
アンペア毎メートル(A/m)磁界の強さ
オーム(Ω)抵抗
アンペア(A)電流
ボルト(V)電圧
ワット(W)電力


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