最終日もツアーです。もう一つの定番クチへのツアーにしました。ベトナム戦争の特徴は、ゲリラ戦ならではの敵味方がハッキリしない点でした。攻めていって農村に入ってもそこにいるのはベトコンなのか農民なのか全く区別が付かない。ひょっとして無邪気な子供もバリバリの兵士かもしれない。そういう状況に置かれると、攻める方は一瞬たりとも油断ができなくなっていくのです。そして村民全員虐殺とか、極端な行動に走ってしまうことになりかねません。全然話が違いますが、南京大虐殺があったか無かったか論争が絶えませんけれど、あれも中国兵が軍服を脱ぎ捨て民衆の中に紛れ込んだから、日本軍としてはでは無差別に全部やってしまおうという行動に走っていったのでしょう。戦いにくくてしょうがなかったのです。
そういうゲリラ戦を、正に地下から支えていたのがここにみられる地下トンネルでした。数キロといったものではなく、数十キロ、いや100キロに及ぶ位掘ってあったそうな。全くこの執念というか、勝たねばいけないという強い信念というか、その固まりがこういうものを作らせた気がします。一方厭戦気分がアメリカには高まり、また南軍はお客さんといっては何ですが、あまり戦う気もなくアメリカに支えてもらっているだけというところもあり、最後は第二次大戦直後の独立の宣言そのままに、統一が成されたのでした。
そしてこれを観光資源にしようという精神がなかなかのものです。確かにここに来ると凄いことをやったなと、皆感心して帰っていくのですから、その効果たるやたいしたものでしょう。